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素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「王になろうとした男」観た

王になろうとした男
原題:THE MAN WHO WOULD BE KING
製作:アメリカ’75 127分
監督:ジョン・ヒューストン
原作:ルドヤード・キプリング
ジャンル:★アドベンチャー/ドラマ

【あらすじ】秘境カフィリスタンに富を求めて旅立った二人の男、ドレイポットとカーニハン。彼らはヒマラヤを越え、未開の部族に英国式の軍事訓練を施して次々と村や町を制圧していった。そして、ドレイポットの胸にかけられたメダルを高僧が認めたとき、彼らは神としてあがめられることになり…。

前半は二人のキャラがよくわからなくて入り込めなかったけど、雪山でのやり取りあたりから二人の友情に惹かれるものがあって楽しめました。未開の地で英雄になればただの軍人でも王になれるという発想がすごいね。さすが英国人。「裸足の1500マイル」なんかを思い出しちゃうと英国人の傲慢さが鼻につくかもしれないけど、彼らは意外と憎めないキャラだし(神様扱いされた時の反応とか)、そこで新しく作った法律は彼らにつかの間の平和を与えていたりで、こんな王様ならいいかもなと思えました。

でも、やっぱり女で身を滅ぼしてしまうんですね。王位への固執だけでなく民を捨ててはいけないというのもあっただろうけど、彼らの事を考えるなら「お前たちはもう私なしでもやっていける」と自分の像でも立ててから去った方がよかったんだろうなぁ…。
彼が神じゃないとわかってから、せっかくまとまった国が崩壊してしまうのが目に浮かんで哀しくなりました。最後まで壊れなかった友情にホロリ。

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「白鯨」感想

映画「白鯨」感想

原題:MOBY DICK(HERMAN MELVILLE'S MOBY DICK)
製作:アメリカ’56
監督:ジョン・ヒューストン
原作:ハーマン・メルヴィル
ジャンル:アドベンチャー/ドラマ

【あらすじ】1841年、マサチューセッツ州ニューベドフォード。安宿で知り合った銛打ちと意気投合たイシュメイルは、冒険を求めて捕鯨船ピークォッド号に乗り込む。だが、その船の船長エイハブは、かつて“白鯨”に片足を喰いちぎられ復讐に燃えていて…。

勝負映画ということで、録画しておいたこちらをチョイス。クジラとエイハブ船長との勝負です。
このエイハブ船長を演じるのが、「アラバマ物語」の弁護士お父さんを演じたグレゴリー・ペックなんですね~。狂人じみたエイハブ船長とはだいぶイメージが違うけど、もはや白鯨しか見えないという雰囲気は出てたし、船員をまとめ上げるカリスマ性もありました。
あと、結構古い作品にも関わらず、捕鯨のくだりはかなり迫力あります。たぶんミニチュアを使ってるはずなのに、水しぶきやクジラの躍動感、引っ張られるボートのスピード感とかよく出てるんですよ。
1956年にこれだけのものが撮れるのはすごいなぁと感心しました。

ただ勝負映画として観ると、このエイハブ船長、私から観るとすでに完敗してます。
「諦めない限り負けない」とか少年漫画の主人公がよく言ってますが、彼の場合は負けを認めるのが怖くて、そんな自分の弱い心を無視するために白鯨を追ってるように見えました。すでに白鯨にも自分の弱さにも負けてる、みたいな。
片足をもってかれたというのも、どうせクジラに食われたんじゃなくて、ロープに足をとられて千切れたんじゃないの?
だいたい、なりふり構わず人間らしさも人生も捨てて追いかけるエイハブと、悠々自適に海を泳ぎ回り、人間がチクチク攻撃してきてもザブーンで振りほどける白鯨とじゃ、勝負にならないですよね。
勝手に悪魔とか言われて、いい迷惑です。
最後に張り付けになった船長が手招きしてるように見えるシーンは不気味で良かったけど、後味が悪くて好きになれませんでした。
まあ、観たのはTVカット版で(DVDも短いバージョンしかない?)かなりダイジェストっぽい部分があったので、そのせいで楽しめなかったのかも…。

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「女と男の名誉」観た

映画「女と男の名誉」観た

 | 犯罪  com(2) 
Tag:ジョン・ヒューストン 

女と男の名誉
原題:PRIZZI'S HONOR
製作:アメリカ’85
監督:ジョン・ヒューストン
原作:リチャード・コンドン
ジャンル:★犯罪/コメディ/サスペンス/ドラマ/ロマンス

【あらすじ】NYのマフィア、プリッツィ・ファミリーの一員で殺し屋を務めるチャーリー。彼はファミリーの結婚式でアイリーンという美女と出会い、一目惚れしてしまう。間もなく、ふたりは恋に落ちるが…。

冒頭で小さい子供のクリスマスプレゼントが金属製のナックルだったからコメディだと思ったら、ブラックの方でした(笑)
でも、主人公チャーリーが殺し屋のくせにどこか純で、そのアンバランスさがコミカルで可愛いんですよ。
元婚約者メイローズが父親に酷いことを言われ傷ついた時、彼は一目惚れした女性を探すので忙しいという態度で「なんてやつ!」と思ったんだけども、その想い人アイリーンと出会ってからの様子が微笑ましい!
本当に彼女に夢中で、瞳を見つめながら「(お互い)母親を知らなくても、母親から与えられなかったものを与えてくれる相手を、お互いに見つけ出した。運命の相手だ!」というような事を語るロマンティスト。
他の作品だったら、彼女のとある嘘によって、誰を信じていいかわからないようなサスペンスフルな展開になるところだけど、彼はけっこうあっさり信じてしまうんですよねぇ(笑)
その上、メイローズに言われてまさかの結婚!
その辺りから、メイローズの中でくすぶっていた黒い炎が見え始め、怖~い女の復讐が始まります。なんたって「アダムス・ファミリー」のモーティシア役の女優さんだから、含みのある笑顔にゾクッ!
化粧でやつれたように見せ、デタラメを言って父親がチャーリーを殺すようにし仕向け、ファミリーの名誉の問題だと逃げ場をなくし、興奮した父親に「お水を飲んで」と酒を飲ませた時の笑顔(イラストのシーン)が怖い怖い…。
彼女の思惑通りになったのか、チャーリーとアイリーンの想いがずれていく終盤はハラハラしてしまいました。
”シシリアン・マフィアは、金を手放すくらいなら子供を食べる”というアイリーンの元夫の言葉から、チャーリーを試すアイリーンが切ない…。
そして、打ちひしがれたチャーリーが求めるのは、やはりメイローズ。彼からの電話に、表情を輝かせるのと同時に朝日が差し込む演出が印象的。
「女と男の名誉」…その違いを考えさせられるブラックユーモア溢れる作品でした。ちなみに原題の意味は”プリッツィファミリーの名誉”です。

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「白鯨」感想
「勝利への脱出」観た

映画「勝利への脱出」観た

勝利への脱出
原題:ESCAPE TO VICTORY
製作:アメリカ’80
監督:ジョン・ヒューストン
ジャンル:★スポーツ/アクション/戦争

【あらすじ】1943年、第二次世界大戦最中のドイツ、ゲンズドルフ捕虜収容所。サッカーに興ずる連合国軍捕虜達の姿を見て、ドイツ軍情報将校フォン・シュタイナーは親善試合を思いつく。捕虜のリーダーの一人、コルビー大尉はこの提案を受け入れるが、知らぬ間に事が大きくなり…。

スタローン主演の作品って、彼ありきで作られるものが多い気がしてて、この作品のようにチームの結束やスポーツマンシップ、試合そのものをメインに作られた作品に出てたなんてすっかり忘れてました。いい意味で影が薄いです(笑)
でも、ゴールキーパーしてる姿はキマッてて、サッカーぜんぜんわからないけども、脱走時に見せる周りの状況を把握する能力とか、アメフト好きで体当たりでボールを取りにいくところはゴールキーパーにぴったりだと思えました。
自分が脱走するだけでも命がけなのに、仲間のためにレジスタンスとの連絡役を引き受けたり、収容所に戻ったり脱走を諦めたり…。本当に仲間想いなところも良かったです。
そして、チームを率いるコルビー大尉と似たもの同士っていうのもいい。面倒見が良くて、仲間は絶対に見捨てられない彼と、そんなに話すシーンもないのにしっかり絆が見えるんですよね~。
そんな彼らと、正々堂々戦おうとするシュタイナーがまたカッコいいんですよ。サッカーを愛するもの同士、相手も正々堂々向かってくると信頼しています。本当は上層部の思惑なんて関係ないところで勝負したかっただろうなぁ。
でも、スポーツはそんな外野の声も届かなくしてくれます。
脱走より試合を取った選手たちの満ち足りた表情と、ラストのシュート、歓声で、一気にテンションあがりました。
映画のモデルとなった出来事は悲惨な最後だったようですが、映画はこれでよかったと思います。映画を存分に楽しんで、事実も忘れずにおきたい作品かな。

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「女と男の名誉」観た
「黄金(1948)」観ました

映画「黄金(1948)」観ました

黄金(1948)
製作:アメリカ’48
原題:THE TREASURE OF THE SIERRA MADRE
監督:ジョン・ヒューストン
原作:B・トレイヴン
ジャンル:★ドラマ/サスペンス

【あらすじ】1920年代のメキシコ。職もなくうらぶれたアメリカ人ドブズと相棒カーティン。ふたりは老山師ハワードから聞いた金鉱掘りの話に飛びつく。偶然当てた宝くじの賞金を元手に、3人は金が眠っているといわれるシェラ・マドレの山へ向かうが…。

仲間割れが起こるから金鉱掘りはひとりでやるもんだ、と言いつつ予算の都合上3人でやって、案の定仲間割れする話。
とにかく最初からテンポがよく、なおかつ中身がぎっしりで最後まで飽きずに観れました。
とくに、猜疑心の塊のようになっていくドブズの心理描写がいいですね。荒んだ生活を送っていた頃は、物乞いで”手と金”しか見ておらず、3連続で同じアメリカ人(ジョン・ヒューストン)に声をかけていたとわかり情けない思いをしたり。やっと仕事にありつけたと思ったらカモられ、相手をぶちのめしてきっちり自分の給料ぶん奪っていったり。落ちぶれていても良心はあったのに、砂金が手に入ってからの変貌振りが恐ろしい。”周りはすべて敵”というぎらぎらした目や、良心の呵責で苦しむ姿など真に迫ってました。
また、監督の父親ウォルター・ヒューストン演じるハワードも、茶目っ気のある頼れるじいちゃんという感じでよかったです。医者のような事までできるとわかったときには驚いてしまったけれど、周りを信用させてしまう何かがあるんですよね。
他にも、途中参加のコーディは予想外の退場だったし、山師と山賊と軍隊の三すくみも面白かったです。

最後はむなしくなりそうなところを、ハワードの底抜けに明るい笑い声によって救われました。
後味のいいピカレスク・ロマンだったと思います。

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「勝利への脱出」観た
「アフリカの女王」観た

映画「アフリカの女王」観た

アフリカの女王
製作:アメリカ/イギリス’51
原題:THE AFRICAN QUEEN
監督:ジョン・ヒューストン
原作者:C・S・フォレスター
ジャンル:★アドベンチャー/ロマンス

【あらすじ】1914年、ドイツ占領下の東アフリカ。ドイツ人により村人が兵員として捕まり、宣教師であるローズの兄はそのショックで死んでしまう。彼女はいつも郵便を届けてくれるチャーリーとともに、彼の蒸気船”アフリカの女王”号で脱出を図るが…。

感想を書くのをすっかり忘れてました。
以前感想を書いた「ホワイトハンター・ブラックハート」はこのロケでの体験を元にしてるんでしたよね。
「アフリカの女王」というタイトルから、何か偉業を成し遂げた女性の物語かなと思ってたんですが、まさかおんぼろ船の名前だったとは。ちょっと拍子抜けしました。
でも、想像とは違ったものの、これはこれで面白かったです。
冒頭では、意味も分からずといった感じで原住民がひどい賛美歌を歌っており、それを教えていた宣教師は彼らが連れて行かれたショックで亡くなってしまうんですからね。かなり一方通行な熱意が空しいというか、滑稽というか。

そんな風刺の効いた冒頭でぐっと心を掴み、その後の二人だけの冒険パートでは、きちっとした英国人女性ローズと一見粗野なチャーリーという凸凹コンビが楽しくて可愛い会話を繰り広げてくれます。
そんなに派手なアクションとかはないんですが、二人で力をあわせて危機を回避したり、激流さえも乗り越えたのに苦手なものに遭遇して一気に弱気になったりと、いつの間にか彼らと一緒にハラハラドキドキしてました。
ちょっと合成がチャチだったりもするけど、単純に楽しめる冒険娯楽映画だったと思います。

<再見追記感想:2017/09/22>

初見時は冒頭の下手くそな讃美歌が印象に残っていたけど、下手なりにみんな真面目に歌っていたのが投げ捨てられたたばこ一つでバラバラになる方が象徴的ですね。「あぁ、この人たちは英国人の持ち込む物資目当てで言われた通りに歌ってただけなんだなぁ」と納得。やっぱり風刺が効いてます。
お兄さんが亡くなるシーンはTV版では確か倒れてすぐ亡くなった後のシーンになっていたのが、今回は経緯もわかってしんみりしました。彼の熱意を少しでも受け取ってくれてた人はいたんだろうか…?

あと、ローズとチャーリーが惹かれ合う過程は微笑ましくてニヤニヤしっぱなしでした。
チャーリーはわりと粗野な男だと思ってたのにぜんぜん紳士じゃないですか。怒ったのはローズが「約束を破る気か」と脅しをかけてきた時くらいで、雨宿りしようとして勘違いで追い出されても、とっておきのジンを河に流されても聖人かというくらい優しくて驚きました。
しかも、ヒルだけは耐えられないと言っていたのに、切羽詰まった状況だったとはいえ一言の文句もなく再び河に入って舟を引くシーンには善い人すぎて感動ものです。そりゃあ、ローズだって一人舟の上で見てることなんてできませんよね。

急流下り(デジタルリマスターで合成っぽさがなくなってました)をしたり銃撃されたり遭難したりスパイ容疑をかけられたりと思ってたより波乱万丈だったし、二人のラブラブっぷりも可愛かったし初見のように楽しめました。
とくにお気に入りのシーンは、寝ている(ふりをしている)チャーリーを見ていて、お茶をカップに注ぐはずが床にこぼしてしまうところです。素でやってる感じが可愛い。土壇場の結婚式もロマンチックでした。
再見できて良かったです♪

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「黄金(48年アメリカ)」観ました

映画「ホワイトハンター ブラックハート」観ました

ホワイトハンター ブラックハート
製作:アメリカ’90
原題:WHITE HUNTER, BLACK HEART
監督:クリント・イーストウッド
原作:ピーター・ヴィアテル
ジャンル:★自伝/ドラマ

【あらすじ】撮りたいものだけ撮るというこだわりを持つ映画監督ジョン・ウィルソン。彼は新作の撮影のため、友人であり脚本家であるヴェリルとともにアフリカへ向かう。だが、彼は撮影を放ったらかしにして”象狩り”に夢中になってしまう。

”わが道を行く”といった感じの映画監督さんを描いた作品で、じわじわと効いてくるラストが印象的です。
借金まみれなのに自分の撮りたい映画を撮り、他人の意見なんかに左右されない頑なさ。人種差別をする人間にはどんな相手だろうとぶつかっていく正義感。そして、抑えがたい冒険への情熱。
彼の側にいればもれなく胃痛に悩まされる事になりそうな人物ですが、それでも人を惹きつける魅力に溢れています。
彼が”象狩り”という”罪”に魅せられたのと同じ事なんでしょうか?

それにしても、こんな強烈な個性の持ち主が、実在した映画監督ジョン・ヒューストンをもとにしているというのが驚きです。このエピソードは「アフリカの女王」を撮影した時のものらしいので、機会があったらそれも観てみたいと思います。

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