ショーン・ペンタグを含むお薦め映画

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「フェア・ゲーム(2010)」観た

フェア・ゲーム(2010)
完全に頑張りどころを間違えたわー。
原題:FAIR GAME
製作:アメリカ’2010
監督:ダグ・リーマン
原作:ジョセフ・ウィルソン、ヴァレリー・プレイム・ウィルソン
ジャンル:サスペンス/ドラマ

【あらすじ】9.11同時多発テロ以降、アメリカのブッシュ政権はアルカイダへの報復を進めていた。やがて、イラクが核兵器開発を行っているとの疑惑をもとに、CIAの女性諜報員ヴァレリー・プレイムがその証拠を固めに動き出すが…。

Gyaoで観た実話もののサスペンスドラマです。
前半は顔が見分けられない人がだんだん増えていって(笑)、誰がどの立場なのかも混乱してあやふやなままかろうじて付いていったという感じでしたが、後半はぐいぐい引き込まれました。
食卓でのケンカも、マスコミや世間の反応も、戦争の始まりも、すべて似たようなものだという事でしょうか。
疑いがあるというだけで、真実を知っているわけでもないのに”悪”だとか”敵”だとか決め付けて排除する…その理不尽さに気付くのは、排除される側になった時なのかもしれません。
夫婦を演じるナオミ・ワッツとショーン・ペンの演技が素晴らしかったです。
CIAのイメージってあんまり良くなかったけど、彼女はCIAである前に彼の妻で、双子の母親で、一般家庭に生まれた普通の女の子だったんですよね。
彼女がくじけそうになった時、父親が幼い娘が投げ縄の練習をしている姿を差して、「上手くできるまでロープを離さん。頑張り屋だ」と言い、それを見て自分の進むべき道をみつけるシーンが印象的。
政府に裏切られ、大切なものをズタズタに引き裂かれていく過程がじっくり描いていて、じわじわと押しつぶされるような感覚からラストの開放感がよかったです。
でも、助けは必ず来ると信じていた例のお兄さんの顔がちらつく…。
彼らのような人が他にどれほどいるんでしょう?
ちなみに、原題の意味は「格好の標的」だそうです。原作のタイトルで、劇中でも使われています。

映画「イントゥ・ザ・ワイルド」観ました

イントゥ・ザ・ワイルド
製作:アメリカ’07
原題:INTO THE WILD
監督:ショーン・ペン
原題:ジョン・クラカワー
ジャンル:ドラマ/青春

【あらすじ】1990年ジョージア州。大学を優秀な成績で卒業した22歳の青年クリスは、家族に何も告げず無一文でアラスカへ旅立った。アレキサンダー・スーパートランプと名乗り、彼は様々な出会いと経験を重ねていく。一方、残された家族は音信不通の息子の身を案じ、祈る思いで帰りを待つのだったが…。

ラストにゾッとして、実話だと知って更にゾッとしてしまったんですが、ロードムービーとしては結構好きかもしれません。ヒッピーや労働者、おじいさんとの交流がいいんですよ。旅の原動力は親や世の中の偽善への怒りなのに、それを感じさせない温かい言葉と眼差し…。旅で出会った優しい人々が、彼を心配して家に帰そうとしたり引き止めようとしたりするのは、彼自身が優しいからなんだろうなぁと思えました。
ただ、残された家族の事とか色々考えると、あんまり主人公の事は好きになれないんですよ。
妹の言うように、彼は苦しみぬいて穏やかになった両親の姿なんて見てないんだけども、これは彼だけの問題ではなく、家族の問題でもあります。音信不通になられたら、もう両親の方から歩み寄る事ができないじゃない!
でもまあ、アイデンティティを喪失して、自分が何者なのか分からなくなってしまった辛さや不安というのはひしひしと伝わってきました。彼が(独自の)倫理観でガチガチになってしまったのも、そうでもしないと自分がどんな人間かわからなくなってしまうからだろうし、両親のようにはなりたくないと強く思っていたからでしょう。
あそこまでアラスカに拘ったのも、その厳しい自然を生き抜くという儀式によって、初めて自分を確立し、両親と向き合う強さ(自信)を得られると信じていたからだと思います。
たぶん二度と観ないけど、美しい映像が印象的な忘れがたい作品でした。

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「デッドマン・ウォーキング」観ました(ショーン・ペン主演)

映画「デッドマン・ウォーキング」観ました

 | 社会派  com(4) 
Tag:ショーン・ペン 

デッドマン・ウォーキング
製作:アメリカ’95
原題:DEAD MAN WALKING
監督:ティム・ロビンス
原作:ヘレン・プレジャン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】ニュー・オリンズの“希望の家”で働くシスター・ヘレン。ある日、死刑囚マシューの”面接に来てほしい”という手紙を受けとり、彼と接見する事に。彼は残忍な殺人事件を起こしたが、彼女はマシューを一人の人間として見ようとし…。

ゾンビ映画かと思って観始めたら、実話をもとに死刑の実態を描いた社会派ドラマでした。
監督さんは死刑制度反対の立場らしいけど、反対派も賛成派も考えさせられる良い映画だったと思います。以下ネタバレ。

驚いた事に、この死刑囚マシューは本当に最低でクズなレイプ殺人犯なんですね。死刑制度反対の映画なら冤罪を扱うところですが、この監督さんは反対を訴えかけるのではなく、死刑というものをもう一度見つめなおす機会を与えてくれました。
シスター・ヘレンは「どうしてこんな男のために!」と周りにさんざん言われ、自分でも言っちゃったのに、最期まで彼の魂を救済するために彼と向き合います。
わたし的には、こんな奴を救う必要はないと思うので、その点では彼女に共感する事は出来ません。でも、彼のような人間に自分の罪を悔い改めさせた事には、本当に感動しました。自分の罪を認め、悔やんで、被害者や遺族や自分の家族に心から謝る気持ちがなければ、死刑なんて無意味だと思うから…。
スーザン・サランドンとショーン・ペンの演技が素晴らしいですね。途中から映画だという事を忘れるくらい引き込まれました。死刑について考えるなら、一度は観てほしい名作です。
ちなみに、タイトルの意味は”死者の行進”。死刑囚が処刑場に向かう時に、看守が言ってます。

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