イギリスタグを含むお薦め映画

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「カムバック!」観ました

 | コメディ  com(0) 
Tag:イギリス 

カムバック!
原題:CUBAN FURY
製作:イギリス’2014 98分
監督:ジェームズ・グリフィス
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】元天才少年サルサダンサー、ブルースは決勝直前に起こったイジメ事件をきっかけにサルサと決別する。25年後、冴えない太った中年サラリーマンとなった彼は、赴任してきた美人上司ジュリアに一目惚れ。彼女がサルサに夢中だと知り、これは運命だとサルサを再び踊る決意をし…。

元サルサの天才少年ダンサーだったブルースが、恋をきっかけに過去のトラウマを乗り越えて、中年太りにも負けずサルサの情熱を取り戻すお話。
恋がきっかけというのが可愛いんですが、一生懸命頑張ったのに彼女とはダメだったということになっても、サルサと仲間たちのおかげで立ち直れるという流れがとても好きです。
きっとサルサを頑張っていなかったら、彼女に選んでもらえなかった自分はダメ人間だと凹んでたと思います。でも、今の彼はサルサを踊ることができて、他人に評価されなくても自分自身を評価できる。それに妹や恩師、友人たちがいて、嫌な同僚をサルサでぎゃふんと言わせることができた。それで十分だし、成功がゴールという描かれ方ではないんです。
いちおう最後は恋もダンスも成功することがわかるんですが、ほとんどオマケのような描かれ方で、まさに「成功がついてきた」という感じ。本編ではやっと彼女と同じステージに上がれたという段階までで、ハリウッド映画のようにキスで終わらないんですよね。

だいたい、一番印象に残るダンスシーンが女性との色っぽいサルサではなく、駐車場で同僚とのダンス対決って(笑)
このダンス対決が本当に最高で、ギャラリーがいないから判定をどう行っているのか分からないにもかかわらず、二人の間ではしっかり攻守や優劣がわかっていて、見ている方もなんか納得できてしまいます。
あの巨体で華麗な足さばき、そしてリフトなどの技を駆使して決闘シーンを演出しており、バック転した時なんて「おぉ!」と声をあげてしまいました。もうこのシーンだけで永久保存決定ですよ。
途中で通り過ぎた車のドライバーに「なんだこいつら…」という白い目で見られるという笑いも忘れずに入れてきて、見ごたえある決闘でした。

あと、「男がサルサなんて」と引き気味だった友人と楽しそうに練習をするところや、ゲイっぽいサルサ仲間との友情もほっこりできて楽しかったです。かつてのサルサパートナーである妹と超仲良しなところも微笑ましいし。
気分よく見られる、かなりとっつきやすい部類のブリティッシュコメディでした。

映画「パレードへようこそ」観ました

 | 伝記/自伝/実話  com(2) 
Tag:イギリス 

パレードへようこそ
原題:PRIDE
製作:イギリス’2014 121分
監督:マシュー・ウォーチャス
ジャンル:★ドラマ/コメディ

【あらすじ】1984年イギリス。不況の煽りで20ヵ所もの炭坑の閉鎖が決まり、炭鉱夫たちは4ヵ月以上もストライキを続けていた。ロンドンに暮らすゲイのマークは、いつも自分たちをいじめていた奴らが今度は炭鉱夫をいじめていると奮起。彼らを支援するため、仲間たちと募金活動を行い…。

実話を基にした作品。
炭鉱町を救うため、炭坑夫支援レズビアン&ゲイ会が立ち上がるっていうのがイギリスらしいエピソードです。でも、今まで自分たちをいじめていた政府や警察が、今は炭鉱夫たちをいじめているから、という理由で立ち上がったというのが「なるほど」という感じで、こうやって周りを見て協力すれば大きな力になるということを教えてくれました。
最初に立ち上がったマークから活動が広がっていって、彼が途中で投げ出しても仲間たちや新しい仲間が引き継いでくれる。何かを始めるというのは偉大なことです。

この作品では炭鉱町ディライスの人々が魅力的で、とくに最初から彼らに対して偏見を持たず、理解し合おうと歩み寄っていたおばさんたちが素晴らしいですね。好奇心もあったんだろうけど下卑た感じはなくて、すぐに打ち解けてしまいます。
それでもやはり彼らを敵視する少数派はいて妨害行動をとることも。
しかし、「ゲイは悪口を大切にする」とヘンタイ扱いされたのを逆手にとって「炭鉱とヘンタイ」という炭鉱支援コンサートで一気に大金を稼ぐところはさすが。転んでもただでは起きないタフな生き方に勇気付けられました。

実話を基にしているため少々物足りないなぁと感じるところもありましたが、ラストのパレードは胸が熱くなります。実話だからこその説得力。現実でも、こんな風に受け入れ合い認め合うことができるんだなぁと嬉しくなりました。
全国炭坑労働組合の尽力によって、同性愛者の権利を認める議案が労働党大会で可決されたというのにホロリと来ます。

映画「映画ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~」観ました

映画ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~
原題:HAUN THE SHEEP THE MOVIE
製作:イギリス・フランス’2015 86分
監督:マーク・バートン、リチャード・スターザック
ジャンル:★コメディ/ファミリー

【あらすじ】イギリスの片田舎にある羊の牧場。変わり映えしない毎日に退屈したショーンは、眠った牧場主を古いトレーラーに移し、自分たちだけで伸び伸び過ごそうと考える。だが、ふとした拍子にトレーラーは走り出し、大都会へと向かってしまう。あわてて後を追うビッツァーとショーンたちだったが…。

いいですね~、思わずホロリとさせられました。牧場主とあんなに深い絆があったなんて!
っていうか、若い頃から牧場主は牧場主だったんだと驚いたり。考えてみれば脱サラしたタイプには見えないし、親が牧場経営していて小さい頃から動物と一緒に育ったんでしょうね。
その割にはやる気なさげだけど(笑)

トレーラー大暴走のアニメ的表現が相変わらず躍動感あって、ストップモーションということを忘れます。
都会についてからは、動物アニメなどで定番な保健所の恐怖展開と、牧場主が新たな才能に目覚める予想外の展開が並行しつつ、牧場主を取り戻すために必死に頑張るショーンたちがしっかり描かれていて見ごたえありました。

笑いどころもたくさんあって、保健所で常に狂気の眼で見てくる犬とか(その正体はエンドロールで!)、人間に化ける羊たちの見事な変装ぶりとか、牧場主のカリスマ性とか最高でしたね。今風にインスタグラムでシェアされて、一気に時の人となって看板にも彼の写真が。刈り方がお客さんに対するものじゃないけどそれでいいのか(笑)

そして、「ウォレスとグルミット」シリーズでもお馴染みのサスペンスホラー展開もバッチリ。ショーンたちと牧場主が絆を取り戻すきっかけにもなって、ラストはジーンとしました。
ショーンとビッツァーのほっぺにチュッチュしちゃって、ホントに仲良しなんだなぁ。
「ひつじのショーン」が大好きになる映画です。

映画「SOSタイタニック/忘れえぬ夜」観ました

 | ホラー/パニック  com(5) 
Tag:イギリス 

SOSタイタニック/忘れえぬ夜
原題:A NIGHT TO REMEMBER
製作:イギリス’58 124分
監督:ロイ・ウォード・ベイカー
原作:ウォルター・ロード
ジャンル:★パニック/ドラマ

【あらすじ】1912年、不沈の船と言われる豪華客船タイタニック号は、2200人以上の乗客を乗せ処女航海に出た。だが、氷山との衝突によって想定外の損傷を負った船体は、ゆっくりと黒い海の中に沈み始め…。

実は先月上旬に見ました。音楽がというか、演奏シーンがとても印象的だったので、そのつもりで見たわけじゃないけど音楽映画祭の作品にしようか迷ったくらい。
さて、邦題は”SOS”の部分がちょっとダサいけども、これは傑作だと思います。タイタニックの事故のことを知りたいならこれを観ればいいし、キャメロン監督の「タイタニック」が好きな人にもぜひ観てもらいたい!

まず、1958年に作られたのに映像でガッカリすることはほとんどないというのが素晴らしいです。ショボく感じたのは氷山くらいかな?
モノクロの映像をテレビの小さい画面で見たにもかかわらず、船が軋み真っ黒い海に沈んでいくシーンは圧巻でした。たぶん構図とかも上手いんだと思います(キャメロン監督が真似したぐらいだし…)

それでいて映像に頼り切りというわけでもないんですよ。「この船が沈むわけがない」と思い込んでいる人たちののんきな様子と、一等客室(の女子供)を最優先で助けるのが当然という空気、それをわかっていて最後まで人々のために音楽を奏でる演奏家たち、そして、すぐ目の前で起こっていることに最後まで気付かなかったカリフォルニアン号の船員たち…。その様子が淡々と描かれており、どうなるかわかっている鑑賞者の焦りと恐怖を掻き立てます。

ホントもう、救難信号を必死に送り続ける通信士や、海水が侵入してくるなか修理を続ける機関士たち、母親とはぐれた幼い子供と彼を必死に抱くおじさん(演奏家のひと?)などを観ていると、『カリフォルニアン号許すまじ!!』って感じですよ!!!
あの船の通信士が眠ってなければ、通信に気付いた人が通信士を起こしていれば、船長が報告を真面目に受け止めていれば、甲板にいた船員が異常に気付いていれば、…あと、タイタニック号も救命ボートを人数分以上用意していれば、きっとほとんどの人が死ぬことはなかったのに!
あの場にいたのがカルパチア号だったら、と何度思ったことか…。

この事件の後、救命ボートの数と通信士の24時間体制のルールが追加されたらしいけど、ナレーションのように「この事故は無駄ではなかった」とは素直には思えなかったです。むしろ、ここまで死者を出さなければわからなかった、ということが腹立たしいし哀しい。その2つが見直されるのは当然のことで、それ以上に事故の予防、事故が起きた時の被害を減らす方法を徹底的に話し合ったかどうかが気になります。

船に残ると決めた設計士アンドリュースと、ボートでも周りの人たちを救ったライトラー2等航海士の自戒の言葉が印象的でした。

映画「ロンドンゾンビ紀行」観た

 | ホラー/パニック  com(0) 
Tag:イギリス 

ロンドンゾンビ紀行
原題:COCKNEYS VS ZOMBIES
製作:イギリス’2012 88分
監督:マサイアス・ヘイニー
ジャンル:★コメディ/ホラー

【あらすじ】祖父が入居する老人ホームが閉鎖されることになり、仲間を集め銀行強盗を決行したテリーとアンディたち。しかし、なんとか金を手に入れたところで、町中にゾンビがあふれかえっていることに気付く。兄弟は祖父を助けるため、ゾンビを掻い潜り救出に向かうが…。

これは良いゾンビ映画ですね。OPからカッコよすぎだし選曲もセンスあります。
前半は割と普通なんですけど、舞台がお祖父ちゃんたちがいる老人ホームに移ってからグッと面白くなってくるんですよ。数あるB級ゾンビ映画に埋もれないように個性発揮してます。
この作品のゾンビは昔ながらのノロノロ、知性なしで、怪力でもありません。ノロノロでも緊張感を出すには、数で勝負したり、人間側にも不穏分子を置いたり、逃げ場がない状況に追い込んだりしますが、この作品はまったく別の方法を編み出しました。動きがノロノロのゾンビには、同じくノロノロの老人で対抗すればいい!という新発想です(笑)
このノロノロ追いかけっこが、見せ方がいいのもあって大笑いなんですよ。ノロノロしてるのに物語のテンポも悪くなってないし、むしろここからが本領発揮。

若い方のチームでは割と早い段階で不穏分子が退場して、最強にクールな老人たちと合流してヒャッハー状態へ突入です。ミッキーとか言うイカレ野郎を仲間にした時は「バカなの?」と思ったけど、入れといて正解でしたわ。彼がいなかったら生き残れなかったもんね~。それに、頭に鉄板入ってる伏線があんな風に活きてくるとは。彼もこの物語に欠かせない人物でした。
戦争経験のある祖父もさることながら、他の老人たちもはっちゃけてて良かったです。歩行器に固定したマシンガンでゾンビを一掃する老人や、銃の扱いに妙に手馴れているおばあちゃんも良い。
ラストは妙な感動と爽快感もあり、若者と老人が手を組んでイギリスを元気にしていこうぜ!という力強さがあって、またいつか観たいなと思えました。
ちなみに、原題の意味は「ロンドン下町っ子VSゾンビ」。まさにそんな内容。

映画「キック・オーバー」観た

 | 犯罪  com(0) 
Tag:イギリス 

キック・オーバー
原題:GET THE GRINGO
  :HOW I SPENT MY SUMMER VACATION
製作:イギリス’2012 95分
監督:エイドリアン・グランバーグ
ジャンル:アクション/犯罪

【あらすじ】マフィアから大金を強奪した”ドライバー”は、メキシコへ逃亡を図るが失敗。無法地帯と化した悪名高き刑務所エル・プエブリートに収監される。そこは、金さえあれば脱獄以外は思いのままという凶悪犯の巣窟だった。巧みに立ち回りつつ機会を窺うドライバーは”キッド”と出会い…。

これは作品の舞台となる、メキシコに実在した史上最悪の刑務所“エル・プエブリート”が主役ですね~。
刑務所の中なのに、まるで荒廃した街そのものなんですよ。そこでの待遇は金で買い、金さえあればなんでもあり。家族を呼び寄せて一緒に暮らすこともできるし、酒やたばこはもちろん、女やヤク、それに命だって手に入ります。
”ドライバー”と呼ばれるアメリカ人(メル・ギブソン)は、ここに入れられてゼロからのし上がっていこうとするんですが、その手口が巧妙かつ手慣れた感じでクール!
しかも、そこで親しくなる母子の背景が、またいかにも無法地帯っぽくて雰囲気ありまくり。
テンション上がるほど盛り上がるようなシーンはないものの、じわじわと別世界に引き込まれていく感じと、切れ者の主人公が飄々とピンチをかわしていく展開は小気味よかったです。

他にも、主人公が元狙撃手で「(狙撃の)パートナーになるか?」と少年に持ち掛けるところが微笑ましかったし、少年の母親と一緒にいたら、帰ってきた少年が「邪魔者は退散するよ」という顔で去るところは面白かったです。あと、手榴弾空中キャッチ&即投げ返すシーンがカッコいい(笑)
終盤は母子の深い愛情にホロリときました。少年のやり方は悲しすぎるけどね…。

ただ、汚職警官とマフィアのボス?の顔が似ていて混乱したのと、例のアレを取り出すところまでいっちゃったので素直にハッピーエンドと思えなかったこと、ラストにあの名前が復讐に繋がっていたとわかるくだりは個人的に微妙。
名前の件は好きな人が多いみたいだけど、あんまり復讐ものって好きじゃないし、同姓同名がいたら「ターミネーター」みたいなことになるのでは…?

ちなみに撮影を行ったのはメキシコのイグナシオ・アジェンデ刑務所で、「居住に適していない」ということで居住者を追い出している最中だったそうです。あの街みたいなのはセットじゃなかったり!?
グロイ描写もあるものの、この街みたいな刑務所の雰囲気を堪能できるだけでも価値があります。

名探偵ポワロ「ABC殺人事件」観ました

名探偵ポワロ「ABC殺人事件」
原題:The ABC Murders
製作:イギリス’92 103分
監督:アンドリュー・グリーブ
原作:アガサ・クリスティー
ジャンル:★ミステリー

【あらすじ】ポワロのもとに、ABCと名乗る人物から奇妙な手紙が届いた。やがて、アンドーバーでアッシャーという女性が殺され、続けざまに第2、第3の事件が起こる。どれもアルファベットのB、Cで始まる名前の街と被害者で、現場には“ABC鉄道案内”が残されていた。ポワロは被害者の接点を調べるが…。

今回はとてもミステリーらしいミステリーでした。何度か観たことがあるけど、ぼんやりトリックを覚えていても満足感が得られる見ごたえある作品になってます。
探偵ものの王道、犯行予告から始まる事件というのがいいですよね。うぬぼれが大嫌いらしいポワロさんが、自分が有名な探偵だから予告状を送ってきたとは限らないと、その理由を考えます。
それがしっかり事件解決のカギになっているところがさすが!
結局、自分の名声は関係なかったと、少しガッカリしていたようですが(笑)

探偵としてやりがいのある事件だったようで、積極的に動いてます。警察より先に話を聞きたいと被害者宅を訪れたり(ジャップ警部形無し…)
小さな手掛かりが犯人へと繋がる展開が心地よい。証言の食い違いが共通点を見つけるきっかけになったり、配達の遅れが何を意図しているかなど。
ただ、”彼”が強迫観念で動いているというプロファイリングはどこから出てきたのだろう。視聴者は”彼”の様子がおかしいのを映像で見ているけど、ポワロさんたちが見つけた手掛かりの中にそれを示唆するものなんてありましたっけ?

まあ、それはともかく、ある意味一番可哀想な人も救われてよかったです。
救っただけでなく最後まで気にかけてあげて。「きっぱり断り、500ポンドの値打ちがあると言いなさい!」というアドバイスが優しい。
その上、冒頭からアマゾンでワニを撃った時の話をしたくてうずうずしていたヘイスと意気投合♪
それをニコニコ見守りながら、速やかに退散するポワロとジャップ警部(笑)
…ここにミス・レモンがいないのが寂しい!
でも、ポワロとヘイスで事件の話をしながら皿洗いをしていたシーンで、上の空で洗うヘイスが渡した皿を、ポワロはしっかりチェックして突き返す。それを何度も何度も繰り返すくだりがとても面白かったので良しとします。彼女がいない時は二人で皿洗いとかしてるんだ~。

ちなみに、駅の場面で流れる曲は「ABC殺人事件」にちなんでABC(ラシド)のメロディが主題になってるらしいです。そんなこと言われても、音感ないからわかんないけどね~。

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短編アニメ「グラファロ もりでいちばんつよいのは?」観た

グラファロ もりでいちばんつよいのは?
原題:The Gruffalo
製作:イギリス・ドイツ’09 27分
監督:ジェイコブ・シュー、マックス・ラング
原作:ジュリア・ドナルドソン(作)、アクセル・シェフラー(絵)
ジャンル:★ファミリー

【あらすじ】外を怖がる子リスたちに、母リスは小さなネズミの物語を聞かせる。木の実を求めて森を歩いていたネズミは、道中でキツネ、フクロウ、ヘビという天敵に出会ってゆく。か弱いネズミは知恵を絞り、天敵をかわしてゆくが…。

小さいお子さんと一緒に見たくなるような短編アニメーション。絵本が原作なんですね。
天敵に追われる母を見て、食料を取りにいくのも怖がるリスの子たちに、母親が勇気の出るお話をしてあげるという流れ。
小さなネズミが、キツネ、フクロウ、ヘビなどの天敵と出会った時どうするのか?
知恵を絞って危機を乗り切る展開は王道ながら小気味良く、そのホラ話が実は…という展開とその後の機転の良さもあって、幼児向けですが意外と大人も楽しめるかも。
キャラクターの造形も案外可愛いし、まるでクレイアニメのような質感のCGも温かみが感じられます。キノコをぴょんぴょんと渡って行ったり、たんぽぽの綿毛を掴んでふわ~っと飛ぶシーンなど、森の描写も良かったです。
ちいさなネズミから勇気をもらった子リスたちが、率先して外の木の実を取りに行くラストに、「リスのお母さんやるな!」と思いました。
良作ファミリーアニメだったと思います。

ちなみに、続編の「グラファロのおじょうちゃん」も観ました。そちらは怪物の幼い娘が主役で、父親に「森には怖い怪物がいる」と教えられていたのに、夜中にその怪物を見に森へ、というお話。
何でも自分の目で確認しなさいという教訓なのかもしれませんが、危険だから行っちゃダメだという親の言葉まで無視されたら困るのでは…(汗)

映画「モンテ・クリスト-巌窟王-(2002)」観た

モンテ・クリスト-巌窟王-(2002)
原題:THE COUNT OF MONTE CRISTO
製作:イギリス・アイルランド’02 131分
監督:ケヴィン・レイノルズ
原作:アレクサンドル・デュマ
ジャンル:★アドベンチャー/ドラマ/ロマンス

【あらすじ】1814年、港町マルセイユ。船長となり婚約者メルセデスとの結婚を控えたエドモンは、何者かの陰謀で罪人として牢獄に幽閉されてしまう。やがて獄中でファリア司祭と出会い知恵を授けられた彼は、自分の身に起きたことを理解し復讐を決意。脱獄のうえ、司祭に託された巨額の財宝によってモンテ・クリスト伯となるが…。

巌窟王は、以前海外ドラマと深夜アニメで観てから気になってた作品です。映像化は何度もされているのに、今回ディーライフのおかげでやっとまともに観られました(アニメは息子目線だったし、ドラマはもう忘れた)…と思ったら、再見でした。観ている間、気付かなかった!(笑)
まあ初見は印象が薄かったようですが、131分の中でよくまとまってて面白かったです。
3人の性格や関係も短時間で伝わってきたし、獄中で司祭と出会ってからもぐいぐい引き込まれます。

とくに、脱獄という希望と、復讐という目的を得て、エドモンが眼に輝きを取り戻すくだりがいいですね。食事の時間には自分の房にいなければならないので、ギリギリで戻ってきて皿をスパーンと扉の前に投げるシーンとか、博識なフェリス司祭の知識すべてを吸収していったり、「酔拳」みたいな修行シーンで剣術を身につけるくだりなど、緊張感のある生活をそれなりに楽しみ始めるんですよ。
横から映したトンネルが延びるのと、彼の学ぶ内容が難しくなっていく描写で、時間が過ぎていったのを伝えるところも上手いと思いました。

ただ、ここで学んだ知識を活用する場面が後半ほとんどなかったのと(剣術はあった)、13年でやつれて別人のように風貌が変わってしまったというのが表現できてなかったのは残念だったかな。あれで恋人以外一目で気づけなかったというのは無理がある(笑)
ちなみに、海外ドラマ版についても調べ直したら、主演がジェラール・ドパルデューだったので、さぞ肉付きの良いモンテ・クリスト伯だったんだろうなぁ。こちらもいつか再見したいです。

そして、私的に一番の見どころは、血も凍るような復讐劇…ではなくて、彼が成り行きで命を救ったヤコボの漢っぷり。ホントもうカッコいいんですよ。
復讐で己さえも破滅しようとするエドモンに対し「オレは命をかけてあんたを守る。あんた自身からもだ!」とキッパリ言い切るところに痺れました。剣の腕では彼に全く敵わないと知っているのに、一歩も引かないんですよね。
ハッキリ言って、この作品で描かれる復讐劇は甘っちょろくて、おそらくアニメ版の方が原作にかなり忠実だったと思うんですが、ヤコボが素敵なのでこの作品はこれでいいと思います。(復讐劇はあんまり好きじゃないし…)

あと、フェルナンの動機が、恋というよりクソ貴族のプライドからというのも良くて、メルセデスの彼への仕打ちもクソ野郎だとわかっててやったんだからまあいいかと思えました。何も知らない善良な誰かを利用するよりかはマシ。
ただラストはさすがにね~、原作とは違うというだけじゃなく、このメルセデスに魅力を感じるか?と疑問に思いました。息子にほだされたのかな…。ここら辺はアニメの方が好みかも。
思いの外楽しめたので、いつか別の「巌窟王」も観てみたいです!

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「三銃士(1993)」観た

名探偵ポワロ「エンドハウスの怪事件」観ました

名探偵ポワロ「エンドハウスの怪事件」
原題:Peril at End House
製作:イギリス'90 103分
監督:レニー・ライ
原作:アガサ・クリスティー
ジャンル:★ミステリー

【あらすじ】海辺の町セントルーにやって来たポワロは、若い女性ニックが命を狙われる事件に遭遇する。彼女は岬に建つ古い館エンドハウスの主人で、最近三度も事故に遭っているという。彼女の警護を始めるポワロだったが、花火大会の夜、ニックのケープを身につけていた従姉妹マギーが、何者かに殺され…。

今回は長編ということもあって犯人との駆け引きは見応えあったし、ポワロさんたちのユーモア溢れる描写もたくさんあって楽しめました。
冒頭では、畑が広がる様子をパッチワークのようだと表現するヘイスに対し、ポワロさんが「ノン!」と頑なに目を瞑っていて飛行機恐怖症だと発覚。レストランで「この卵は不揃いすぎる」と食べるのを拒否してしまうところは、いかにも自分なりのルールを持ってるポワロさんらしいです。
それに、田舎で名声が届いてなくて、ヘイスに紹介させるも素っ気無いのが気に入らず、自分で美辞麗句を並べ立ててしまうシーンも思わず笑っちゃいました。

一方、ポワロさんに「的外れ」だのなんだの言われて拗ねるヘイスも可愛いかったですね(笑)
殺人事件の捜査中にこっそりゴルフしに行こうとして見咎められてしまうくだりは小学生か!と思ったり。
…まあ、ポワロさんと旅行するたびに事件に遭遇してるから、少しでも遊んでおきたいという気持ちもわかるけど…(これも名探偵の宿命か)
それに、今回はミス・レモンとジャップ警部も応援に駆けつけてくれました。
あいかわらずオシャレだし(ポワロさんもブローチが薔薇だったね)、終盤にはポワロさんの無茶振りで交霊術師に成りすますミス・レモン。結構ノリノリで演じてるところがさすが!

事件の方は後味の悪いもので、犯人の豹変振りには嫌悪感をおぼえました。犯人をわかっていて見直すと、性格の悪さが言動や表情に表れてるのがわかります。
トリックは無理があるかもしれないけど、別のところで気持ちよく騙されたのと、いつものメンバーの仲良しっぷりを見られたので大満足でした。

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TVアニメ「スノーマンとスノードッグ」観ました

スノーマンとスノードッグ
原題:THE SNOWMAN AND THE SNOWDOG
製作:インドネシア/イギリス/フィンランド’2012 23分
監督:ヒラリー・オーデュス
原作:レイモンド・ブリッグス、ヒラリー・オーデュス、ジョアンナ・ハリソン
ジャンル:★ファンタジー/ファミリー

【あらすじ】秋も深まった頃、老いた愛犬と新しい家に引っ越してきた少年ビリー。だが、間もなく愛犬が亡くなり、寂しさからサンタクロースへの手紙に犬の絵を描くのだった。そんな時、たまたま床下から前の住人の思い出の品を見つける。それは、かつてスノーマンと冒険した少年の写真と、彼のスノーマンのパーツで…。

本当はこの前にもう1本記事を仕上げるつもりだったんですが、描く気が起きなかったので先にこちらを。
有名な「スノーマン」の続編ですね。前は躍動感あふれるアニメーションがすべて手描きだったんですが、今回は飛行機とか結構CGも使ってるようでした。もしかしたら、CGに手描きの絵を貼り付けてるところもあるかも?
でも、基本的には色鉛筆のやさしいタッチは変わらず、前作との違いは(テーマ曲以外は)気にならなかったです。スタッフさんは同じみたいだし。
ストーリーも素晴らしくって、私がクリスマスに観たかったのはこういう作品なのよ!と嬉しくなりました。元気出そうと思って観た青春作品で大ダメージくらった後だったので、やっと心が浄化されてきたよほんともうスノードッグ可愛い!!!

どこぞの作品紹介ではあらすじが間違ってるんですが、この作品で一番泣けるのは、少年がスノードッグを亡くなった愛犬の代わりにしなかったところなんですよ。
一番良く知る愛犬と似たような形にしたのは仕方ないとして、ちょっと悩んでから手袋でブチ模様をつくります。愛犬は模様のない茶色い犬で、このスノードッグは少年がサンタさんへの手紙に描いた犬でした。
もちろん愛犬の思い出を今でも大切にしていて、自分の部屋には愛犬の写真がベッドから眺められる位置にあるくらいです。その上で、前向きに新しい友達と歩き出そうと思ってるんですよね。
台詞はないけど、そんな少年の気持ちがひしひしと伝わってくるから、スノーマンとスノードッグが動き出してからはもうウルウルきちゃって…(涙)
ファンタジックな冒険の様子は、たぶん前作とそう違わないのに、わんこが一緒にいるだけでひときわ楽しそうに見えました。

ラストも本当に良かったね。エンドロールはやたらとしんみりしていたものの、前作を踏襲しているというか、あんな冒険のあとなら仕方ないというか。でも、テーマ曲はやっぱり前作には敵わなかったかなぁ。
短いながら心に染みるアニメーションでした。

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「風が吹くとき」観ました(同原作者)

映画「悲しみよこんにちは」観た

悲しみよこんにちは
原題:BONJOUR TRISTESSE
製作:イギリス・アメリカ’57
監督:オットー・プレミンジャー
原作:フランソワーズ・サガン
ジャンル:ドラマ/ロマンス

【あらすじ】何をしていても晴れることのない悲しみの中にいた少女セシルは、1年前、17歳の夏に想いを馳せる。彼女と父レイモン、そして若い恋人エルザの3人で過ごす楽しい時間に、突如割り込んできた亡き母の親友アンヌ。彼女が母親となる現実を受け入れられず、セシルはある計画を思いつくが…。

ヒロインが気持ち悪いくらいファザコンなんですが、何を着ても可愛くてファッションショーを見てるようでした。ベリーショートの女の子って好きなんですよね。
セピアカラーで始まって、物憂げな表情で太陽と青空がまぶしい去年の夏を思い返すという構成。この時に聞き入ってる曲の歌詞が良かったです。メモでも取ればよかった…観てから感想を書くまで間が空いてしまったので、もうすっかり忘れてます。割と楽しめたのに感想も淡白になってます。
ストーリーは、子供の出来心で済んだはずのものが、周囲にろくな大人がいなかったせいで最悪の事態になったというところでしょうか。
終盤の復讐ともとれる行動にスッキリしちゃった私は性質が悪いかも(笑)
セシルは「~を書かなかったのは私たちに対する優しさ」みたいな解釈をしてたけど、彼女に家族がいれば”家族のため”と解釈するだろうし、彼女には親兄弟はいなかったということかな。
もしそうなら、優しさというよりレイモンの罪悪感を増すためだったのでは。彼女がいい人であるほど効果的な方法ですし。もしくは、衝動に任せただけ?
まあ、この作品はストーリーよりセシルの可愛さを堪能する作品でしょう。読んだ事はありませんが、サガンを一躍有名にしたという原作と同じとは思わない方がいい気がします。

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「帰らざる河」観ました
「さよならをもう一度」観た(同原作者)

映画「フローズン・タイム」観た

 | 青春  com(4) 
Tag:イギリス 

フローズン・タイム
原題:CASHBACK
製作:イギリス’06
監督:ショーン・エリス
ジャンル:★青春ロマンス/ファンタジー

【あらすじ】失恋の痛手から不眠症となった画家志望の青年ベン。おかげで毎日8時間の暇ができ、スーパーマーケットで夜間スタッフのバイトを始め”キャッシュバック”することに。やがて、ベンの不眠症が限界に達した時、彼は周囲の時間を止められるようになり…。

失恋のショックで不眠症に陥り、時間を止める力を手に入れた青年ベンの青春ロマンス。
画家志望の彼が時間を止めて何をするかというと、なんと美しい女性たちを脱がせて一心不乱にデッサンすることなんですね~。…これほどまでに時間操作能力を有意義に使っている作品があっただろうか!?
監督がファッション・フォトグラファーなのもあって、美しい女性の裸体がたくさん見られます。とくに、ベンが美に目覚めたきっかけであるグラマーなスウェーデン人のお姉さんはインパクト大。子役の少年は役得ですね(笑)
でも、好きな女性シャロンに対しては触れるのすら躊躇し、子供時代には好きな子とのファーストキスを逃してしまうような、すごく奥手でピュアな主人公なのでエロくなりません。
しかも、時間をとめる能力があるのにワクワクするような展開もないんですよ。せいぜい、おバカな同僚や上司をからかう程度で。…時間を止めたまま年老いて死んだら、時間の狭間で消えるんだろうか、なんてアンニュイな事を考えてるほど。
シャロンに惹かれ始めた自分に戸惑っていて、不器用に恋をするので精一杯なところが彼の持ち味だったと思います。

以下、ネタバレですが…
実は、この能力の事はぜんぶ彼の夢か妄想なのではないかと思わせるところもありました。
そもそも寂れた夜のスーパーマーケットに、あんなプロポーションの良い若い女性ばかり来るわけないし、不眠症で仕事中は時間が過ぎるのを淡々とやり過ごすだけの毎日じゃ、アレくらいの妄想をしてもおかしくありません。
途中、止まった時間の中で誰かが逃げていっても、追うでもなく調べるでもなく投げっぱなしで、手をボキボキっと鳴らすと時間が動き出すというのも適当(笑)
大量のデッサンだって、地道に絵の才能を磨いてきた彼なら記憶だけでも描けそうです。
そんな彼の危うさが「恋愛睡眠のすすめ」と被って、余計に惹かれたんだと思います。

雰囲気映画に近いものがあるかもしれませんが、映像が美しく(とくに雪の舞うラスト!)、ロマンティックでユーモア溢れる作品でした。
彼女のキスで呪縛(不眠症)から解放されるくだりや、彼の想いのすべてが込められた絵が転機になる展開が素敵♪
ちなみに原題はキャッシュバックで、彼が余った時間をバイトでお金に換えることを示してます。邦題の「フローズン・タイム」の方が、時間と彼の心の二つにかかっているようで、この作品の雰囲気をあらわしているかも。
でも、主人公の台詞に「フローズン・セカンド」という言葉があるので、どうせならそっちで良かった気がします。

映画「マリス・イン・ワンダーランド」観た

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Tag:イギリス 

マリス・イン・ワンダーランド
原題:MALICE IN WONDERLAND
製作:イギリス’09
監督:サイモン・フェローズ
ジャンル:ファンタジー/ドラマ/ロマンス

【あらすじ】夜のロンドン。追われていたアリスは走り出したタクシーと衝突する。ボスの誕生パーティに急いで行かなければいけない運転手ホワイティーは、気を失った彼女をとりあえずタクシーに乗せて走り出してしまう。気が付いた彼女は記憶を失っており…。

GyaOで鑑賞。舞台を現代のロンドンに置き換えた、ドラッグと欲望にまみれた街のちょっとブラックな「不思議の国のアリス」です。アリスを演じる女優さんはキレイだし、ブラックなアリスの世界がとても興味深い作品でした。
ただし、英語がわからないと面白みはあまりないというか、伝わってこないかも。どうやらスラングだらけで韻を踏んだ台詞が多く、字幕じゃよくわからないんですよね。
でも、アリスの世界のキャラクターがことごとく大人の世界の住人になっていて、なおかつそれが結構嵌ってて、その変貌ぶりを見るだけでもなかなか楽しかったです。
何者かに追われる記憶喪失のアリスや、腕時計を2本つけたタクシー運転手、紅茶が大好きな売春宿の女主人、ちょっとおバカな双子のガードマン、常に煙を漂わせてるジャンキー、血の色が大好きなゲイの麻薬組織のボスなどなど。
裁判の下りはむしろこっちの方がしっくりくるかも(笑)

人間の生首を飾ったりとブラックな作品ですが終盤はかなりファンタジーしていて、しかも恋愛や情愛などloveな展開で終わるのが意外。二本の腕時計が二人を結びつけるところはロマンティックだし、アリスの秘密にも驚かされつつ、胸が温かくなるような笑顔でほっこり。
現実のイギリスなどで社会問題になっている事が盛り込まれていて、おふざけもあるけど最後まで大人向けでした。
ちなみにタイトルは原題通りで、maliceには”悪意”という意味があるので「不思議の国の悪意」って事ですね…わかるようなわからないような?

映画「ジェイン・エア(1996)」観ました

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Tag:イギリス 

ジェイン・エア(1996)
原題:JANE EYRE
製作:イギリス’96
監督:フランコ・ゼフィレッリ
原作:シャーロット・ブロンテ
ジャンル:★文芸ドラマ/ロマンス

【あらすじ】幼い頃に両親を亡くし、自分を嫌う叔母の家や、過酷な環境の寄宿学校で子供時代を過ごしたジェイン。強く賢い女性に成長した彼女は、貴族フェアファックス・ロチェスターが引き取った少女アデールのガヴァネス(女性家庭教師)となるが…。

久しぶりに良い文芸ドラマを観たなぁという感じです。
内容は王道で、身分差ロマンスからの実は…な展開なんですが、ヒロインは当時にしては珍しい器量が良くないという設定。まあ、私から見たら十分美人でしたが。
静謐でしっとりした空気が感じられる映像と、雰囲気ピッタリの女優さんたち、イギリスの貴族社会を感じさせてくれる美術や衣装なんかが上手く調和して、見ごたえある作品になってました。
名前は出てこないけど見たことある俳優さんが多いなぁと思っていたら、成長したジェインを演じていたのはシャルロット・ゲンズブールだったんですね。「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール」と「恋愛睡眠のすすめ」以来だなぁ。
原作は知らない(「ブロンテ姉妹」が作者か!)けども、ジェイン・エアという女性が今ここにいると思わせるくらいしっくりきて、聡い瞳をした子供時代からそのまま成長しましたように見えました。子役も良かった♪
意地悪な叔母もブレなくて良かったですね~。終盤でジェインに謝るものの、それは地獄に落ちるのが怖いからで悪いとは全く思っていないところとか。

あと、妙に印象に残るのが病人が本当に病人に見えることですね。青白くて細くて今にも倒れそうな感じ。ヘレンとかとくに。中には病人じゃないのにそう見える人も…(汗)
過酷な子供時代の描写もインパクトあって、洗面器の水が凍るような部屋で寝てて凍死しないのかと心配になったけど、これが実際に作者が通っていた学校をモデルにしたと後から知って更にビックリ。
ヘレンはその学校で亡くなったお姉さんがモデルのようで、この作品によって学校を告発して改善したんだとか。まるでジェインはシャーロット・ブロンテの分身のようです。
終盤は急展開すぎて物足りなかったけども(牧師さんと三角関係になるのかと思った)、それを差し引いても楽しめました。彼女とロチェスターの抑えた感情が繊細に描かれていてやきもきさせられたし、謎のうめき声とかミステリアスな展開も面白かったです。

「ジェイン・エア」は他にも映像化作品がたくさんあるようで、他の作品を観たらまた印象が変わるかもしれませんが、とりあえずゲンズブールのジェインを観られてよかったです。
機会があったら他のも見たい♪

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