忘却エンドロール

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映画「レッドクリフ Part I」観た

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Tag:中国 日本 台湾 韓国 

レッドクリフ Part I
製作:アメリカ・中国・日本・台湾・韓国’08
原題:赤壁
監督:ジョン・ウー
ジャンル:★歴史劇/アクション/ドラマ

【あらすじ】西暦208年、漢王朝が衰退した乱世の時代。朝廷を支配し、劉備・孫権両軍の討伐に乗り出した曹操。わずか2万の劉備軍とそれを慕う民たちは、かろうじて曹操軍から逃げ延びた。軍師孔明は孫権との同盟を進言し、自ら説得に向かう。

ちょうど3~4ヶ月前から初めて三国志(吉川英治著)を読み始め、趙雲が甘夫人を助けたところまで(この本では助かってました)読んでいたので、偶然にも映画の始まりとぴったり合致して感情移入MAXで観れました。
趙雲の戦いぶりに惚れ惚れし、ビ夫人(漢字変換できん!)の悲壮な覚悟に涙し、八卦の陣のわけわからなさに笑い、関羽先生の渋さに痺れました。
なんかもう、私の想像力で補いきれなかったビジュアルとアクションを、この映画で完璧に補完してくれたような気がします。
なので、今回の★も当てになりません。本を読んでなかったら違う感想だったかも。

余談ですが、映画を観たあとに本の続きを読んでみたら、玄徳が我が子を草むらに投げ捨ててました。彼が人肉を食べさせられて感激した時から不信感いっぱいだったんですが、やっぱりこの人訳分からん…。

■ Comment

ジョン・う~ん?というカンジ。

 こんにちは~三国志面白いですよね~。私は小学校の頃、『人形劇三国志』を楽しみに見てまして、並行して吉川英治版を読んでいました。それから元ネタの立間祥介翻訳版『三国志演義』に手を出したら、難しくて断念したという辛い経験を持っています。また、『人形劇三国志』では、玄徳の声優をやられていた谷隼人さんのファンでしたが、その後『風雲たけし城』の司会っぷりを見て幻滅してしまったという苦い経験も持っています。そんなわけで、私は事前情報を知っていて、結構期待して観たので、あれ?っというカンジでしたね~。

 まず、「友情・信頼」というような空気がそこはかとなく映画中に表されていましたが、私の知る限り、孫権・周瑜 対 孔明は敵対関係にあったような…。呉側では辛うじて魯粛が仲を取り持っていた認識でした。そして、お互いをけん制しながら、孔明の常人を超える策略で難所を乗り切っていく。
 周瑜は映画では二枚目という立場でしたが、人形劇版でも吉川版でも孔明に何度も一杯食わされるという役回りだったように記憶しています。なので、「皆で魏を倒そう」というよりは、「どのように呉をその気にさせて魏を倒すか…」と言うところにテーマが置かれていたような気がします。
 だからこそ、「曹操が小喬・大喬姉妹を狙ってやすぜ」という孔明の作戦も、出来るならやってみろというような十万本の矢のエピソードも、蜀の内情を探らせようと男勝りな孫権の妹を玄徳の嫁にする、というエピソードも生きてくる。その前提が狂っていたように感じたため、ストーリー的に破綻しているような感覚を持ちました。

 そして、全体的にアクションが長くないですか。。。監督がジョン・ウーだからしょうがないといえばしょうがないのかもしれないんですが、無用なアクションが多かったような…イエ、良いんですヨ、個人差がありますから。ただ、特に後半私は「う~ん。。。」と首をひねってしまいました。
 三国志って話が長いし、登場人物が次々出てきては次々いなくなっていく。そこが面白いところでもあるんでしょうが、映像化にしたときに、ストーリーの方向性がバラバラになる恐れがある。さらに、今回は脚本を原作から変更しているために、前述したようにストーリーとして破綻する可能性大。となると、どこでまとまめるか→アクションで補っちゃおうか~というカンジなのかなぁ~…と打算的に考えてしまいました。
 もしそうだったら、私はエピソードを削ってでもストーリーを充実させて、アクションを短くした方がよかったんじゃないかな~と思います。例えば、劉備玄徳ってこのストーリーでいったら、必要ですか?人間が観るに耐えられる映画の時間を考えると、劉備玄徳の誠実さとか一途さを「赤壁の戦い」と共に描くっていうのは土台無理があると思うんですね。
 だったら、いっそのことパートⅠは出ないで孔明の説明に任せる。「主君はこういう人で、素晴らしい人だ」というように。で、パートⅡで出演させて、その空いた時間を心理戦に使えば良かったんじゃないかなぁなんて。。。
 だって、玄徳の誠実と一途さが垣間見れるのは、最初の行列のシーンと草鞋編みのシーンぐらいじゃなかったですか?あれだけじゃ、厳しいように思います。例えば、原作では関羽が曹操に捕らえられて「仲間にならんか」と誘惑されるところがありますよね。あれは、まだ玄徳が徐州に居る頃だったように記憶してますが、このエピソードを盛り込むと玄徳の人となりが見えてくるし、「赤壁の戦い」後に曹操を追い詰め、関羽がその頃の恩を感じて曹操を逃がしてしまうわけですから、全くつながりのないエピソードでもないわけです。
 でもこれを映像化すると、何故曹操が徐州を攻めることになったのかとか、その後の荊州でのエピソードも描かなければならない。そもそも孔明も仲間じゃなかった…。これは膨大な時間を要しますよォ。これだけで最低でも6時間35分はかかるんじゃないですか?これぐらいのことをしないと、劉備玄徳の人柄は掴めない。だったら、劉備玄徳という人は、「聞く限りナカナカいい人なんだな」で終わった方がよかったのかなと。
 まだツッコミ所は色々あったように思います(何故小喬がこんなに?大喬は?とか、白い鳩は必要か?とか、中村獅童って…?とか、諸葛瑾を出せば良かったのに、とか) 。色々ありますが、説明している内に自分が嫌いになってしまいそうになるのでやめようと思います。

 という風にですね、私には消化不良なことの多い映画でした。ただ、映画は好き好きで、色々な観方ができますから、好きだという感情を持てばそれは宝石のようなもの。その感覚は他人にどうこう言われて揺らぐものでもありません。私自身「ザ・大作」というのが好きじゃないということが基本としてあるので、否定的な意見が次々飛び出してしまうんだと思います。でも、この映画、興行収入よさそうですねェ~。
 因みに、私が個人的に好きな三国志の話では、単福(徐庶)が玄徳の軍師として敏腕を振るうが「臥龍先生を訪ねよ」と言い置き、玄徳の元を離れてしまう。そして、孔明を「三顧の礼」で得るというところまでが異常に好きですね。『人形劇三国志』では涙なしでは見られませんでした。個人的に好きな英雄は司馬懿仲達なのですが。。。

 からすさんの最後の一文…私カナリ昔に読んだので記憶があいまいなんですが、人肉を食べるというエピソードは曹操にもあったような気がします。確か、曹操のケースではからすさんの書いてあるようなカンジで、玄徳のケースでは、事実を知った玄徳は、「なんてことを…」とそれを憂いて主人を叱咤したような記憶がありますが、違いましたか?
2009/09/29 (Tue) 09:37  期待マン  

Re: ジョン・う~ん?というカンジ。

期待マンさん、コメントいつもありがとうございます。
三国志は、ほんとうに面白いですよね。実はわたしは読むのが極端に遅くて、未だに最終巻の真ん中くらいまでしか読めてません(恥)
NHKの人形劇三国志もちらほらしか観ていなかったので(14年ぶりに人形劇が復活するそうです。「新・三銃士」楽しみ♪)、変なことを言ってしまうかもしれませんがご勘弁ください。

>  まず、「友情・信頼」というような空気がそこはかとなく映画中に表されていましたが、私の知る限り、孫権・周瑜 対 孔明は敵対関係にあったような…。

そうですよね~、私も「あれ?」とは思ったんですが、単純明快がモットーなのかなと。ハハハ。
これで三国志を好きになって原作を読めば「あれ、映画より奥が深いかも!?」となって万々歳だけれど(あぁでも、孔明と周瑜の琴演奏シーンに惚れたひとは原作でがっかりかも。)、原作ファンには肩透かしだったと思います。

>  だからこそ、「曹操が小喬・大喬姉妹を狙ってやすぜ」という孔明の作戦も、出来るならやってみろというような十万本の矢のエピソードも、蜀の内情を探らせようと男勝りな孫権の妹を玄徳の嫁にする、というエピソードも生きてくる。その前提が狂っていたように感じたため、ストーリー的に破綻しているような感覚を持ちました。

同感です。緊張感のある腹のさぐり合いが、あそこら辺の面白さだったと思うんですよ。
でも、それをスッパリ切ってストーリーを変更し、自分の得意なアクションで魅せようとした・・・というのもある意味すごいなと思いました。
これで、三国志大好きな監督さんとかが対抗心を燃やして、原作ファンの鑑賞に耐えうる作品をつくってくれればもっと嬉しいんですが。

>  劉備玄徳の誠実さとか一途さを「赤壁の戦い」と共に描くっていうのは土台無理があると思うんですね。
>  だったら、いっそのことパートⅠは出ないで孔明の説明に任せる。「主君はこういう人で、素晴らしい人だ」というように。で、パートⅡで出演させて、その空いた時間を心理戦に使えば良かったんじゃないかなぁなんて。。。

うんうん、それいいですね。玄徳に不信感をもっている私ですら、この玄徳は偽者だと感じました。こんな中途半端な姿を見せるくらいなら、彼を慕うひとの口から説明があった方がイメージも掴みやすかったと思います。
まあ、わたし的には趙雲と関羽さえしっかり描いてくれればそれで良いんですが(二人とも大好き!)
因みに好きなエピソードは、二人のを除けば呂布が娘を抱えて戦場を抜けようとするところ。わかりやすいくらい家族愛に弱いです(笑)

>  人肉を食べるというエピソードは曹操にもあったような気がします。確か、曹操のケースではからすさんの書いてあるようなカンジで、玄徳のケースでは、事実を知った玄徳は、「なんてことを…」とそれを憂いて主人を叱咤したような記憶がありますが、違いましたか?

これはかなり強烈だったので、著者も物語を中断してフォローを入れているんですよ(笑)
一部抜粋すると、『読者へ。作家として、一言ここにさし挟むの異例をゆるされたい。劉安が妻の肉を煮て玄徳に饗したという項は、日本人のもつ古来の情愛や道徳ではそのまま理解しにくいことである~中略~原書は劉安の行為を、非常な美学として扱っているのである。そこに中古支那の道義観や民情も窺われるし、そういう彼我の相違を読み知ることも、三国志の持つ一つの意義である・・・~』
このエピソードで、感激した玄徳が劉安の息子・劉封を養子に迎えてました。
それにしても、曹操も人肉食べてたんですね~。三国志、というか中国では結構食べられいたみたいで。怖い怖い・・・。
2009/09/29 (Tue) 12:04  宵乃  
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