忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ガス燈(1944)」観ました

ガス燈
製作:アメリカ’44
原題:GASLIGHT
監督:ジョージ・キューカー
原作:パトリック・ハミルトン
ジャンル:★サスペンス

【あらすじ】スター歌手で母親代わりの叔母を殺され、別の土地で声楽を学んでいたポーラ。やがて、ピアノ弾きグレゴリーと恋に落ちた彼女は、結婚して再びあの家で暮らし始める。しかし、ある手紙を見つけてからガス燈のちらつきや足音に悩まされ…。

<ネタばれ注意!>
ポーラが追い詰められ、正気を失っていく過程が細やかに描かれてました。自分の記憶がもう信じられないという衝撃、知らぬ間に何かしてしまうかもしれない不安。崩れるように壁にもたれかかる彼女の表情が印象的です。
対する犯人は結構あからさまに悪い顔をするので、傍から見てると何で騙されるのかとイライラすることも(冷酷さはよく表れてるけど)。
でも、物忘れの激しい人と話したことがある人ならわかると思いますが、物を置き忘れた時などにそのことを忘れ、「自分は絶対さわってない、お前はどうなんだ」と自信ありげに言い切られると、私が使ったのはいつだったろう…とだんだん不安になってくる事ってありますよね…。
それと同じように、お前の仕業だという眼差し・言い方をされたうえ、用意周到に証拠を見せられ、しかも複数の人間に自分の記憶を否定されたりしたら…誰でも自分がおかしくなったと思ってしまうんじゃないでしょうか。
こんなに簡単に人を狂わせることができる、そう考えると怖くなってきます。
それにしても、彼にとってこれは予定外の事だったはずなのに、一体どうしてこんなテクニックを持ってたんですかね。前回の失敗を反省して、詐欺の勉強でもしてきたんでしょうか…謎です。

<追記感想:2016/3/3>
記憶が薄れ掛けているので再見してみました。今度はヒロインではなく、犯人と野次馬なオバサンに注目。
イングリッド・バーグマンも素晴らしかったけど、犯人を演じるシャルル・ボワイエの演技も負けてませんでした。ポーラを毒牙にかける時の優しそうな表情と、ポーラの正気を失わせようとする時の冷たい眼差し…。まるで別人というか、悪魔が本性を表したみたいな。
それでいて、宝石の輝きに目を奪われている時は、まるで一生に一度の恋をしているかのような表情をするんですよ。悪魔に取り憑かれるとはこういうことを言うんでしょうね。

一方、殺人事件が大好きで、知らずにポーラの心の傷を抉った野次馬オバサンも大概でした(笑)
自分の話を聞いたポーラがどんな様子なのかさえ気付いていれば、あの家で起こった事件が彼女の身近な人を奪っただろうことぐらい想像できるはずなのに、好きなものに夢中になりすぎて周りが全く見えてません。
この人が事件解決に少しでも役に立つのかと思いきや、いちおうポーラが家から出てこないという情報を刑事さんに提供したものの、別にこの人ほど好奇心旺盛じゃなくても近所の人ならわかったような…。
でも、ラストは刑事さんといい雰囲気になってるポーラを目撃して「あら、まあ♪」と満足した様子。
張り詰めた空気が一気に緩む良いシーンでした。

あと、ポーラの家のメイドさんは、耳は遠くても頭の回転が速くて素敵です。終盤ナイスフォロー!
もう一人の派手な若いメイドは、ジェシカおばさんを演じたアンジェラ・ランズベリーでびっくり。初見時は気付いてなかったっぽいし、再見してよかったです♪

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■ Comment

見つけちゃったよ~☆

あぁ何であの時教えて下さらなかったの~?
このイラストはポーラの不安顔とガス燈の感じがよく出ていて素晴らしいです!!!

(あ、さっき書き忘れましたが、あの向日葵はとても凛々しくて素敵でした!)

>物を置き忘れた時などにそのことを忘れ、「自分は絶対さわってない、お前はどうなんだ」と自信ありげに言い切られると、私が使ったのはいつだったろう・・・とだんだん不安になってくる事ってありますよね。(分かりにくい例え)

この件は、よく分かります。そして反省しました。
私はいつも常に絶対に「追い詰める側」なので・・・。ゴメンなさい。

>それにしても、彼にとってこれは予定外の事だったはずなのに、一体どうしてこんなテクニックを持ってたんですかね。前回の失敗を反省して、詐欺の勉強でもしてきたんでしょうか・・・謎です。

前回の失敗とは・・・ちょっと分からないので、教えてくださいませ~。

この映画はヒッチばりでしたね~!
「マイ・フェア・レディ」だけじゃないんだもん!って、監督が鼻高くしているよな気がしました。
2010/12/05 (Sun) 14:18  miri〔編集〕  

>miriさん

こちらにもコメントありがとうございます!
あらら、TB送り忘れてましたか~、すみません。今更かもしれませんが送らせていただきますね。

> このイラストはポーラの不安顔とガス燈の感じがよく出ていて素晴らしいです!!!
> (あ、さっき書き忘れましたが、あの向日葵はとても凛々しくて素敵でした!)

ありがと~。どちらも古い絵ですが、気に入って頂けて嬉しいです。
これからも頑張ります!

> この件は、よく分かります。そして反省しました。
> 私はいつも常に絶対に「追い詰める側」なので・・・。ゴメンなさい。

わたしもこんなこと書いておいて、気付かないうちに相手を追い詰めていることが多々あります。記憶違いって怖いですよね~。こういう時は潔く謝るに限ります。

> 前回の失敗とは・・・ちょっと分からないので、教えてくださいませ~。

え~と、確か犯人は前に起こした事件では目的を達してませんでしたよね?
何かを手に入れる前に気付かれて殺してしまった・・・という感じだったと思うので、その失敗をふまえて今回はまず邪魔者を排除してゆっくり探そうとしたんだと思いました。

> この映画はヒッチばりでしたね~!
> 「マイ・フェア・レディ」だけじゃないんだもん!って、監督が鼻高くしているよな気がしました。

あはは、そうですね~。おしゃべりなオバサンなんかもいい味だしてました。
彼の作品は3つしか知らないけれど、他に有名なのはないのかな?
機会があれば観てみたいです。
2010/12/05 (Sun) 15:17  宵乃  

あれれ

もしかしてTB送り忘れじゃなくて、gooブログだったから別の記事にコメントしたんでしたっけ?
じゃあただの言い忘れですね、あはは。ごめんね~!
2010/12/05 (Sun) 15:29  宵乃  

こんばんは☆

TB有難うございます☆
そうなんです~gooだったので、コメントのみで、後日、fc2に写しました。今回送って頂き、本当に嬉しかったです♪

>こういう時は潔く謝るに限ります。

そうなんですけど、それが出来る時と、なかなか出来ずに引きずってしまう時があって、本当に反省です・・・。

>何かを手に入れる前に気付かれて殺してしまった・・・という感じだったと思うので、その失敗をふまえて今回はまず邪魔者を排除してゆっくり探そうとしたんだと思いました。

あぁ~分かりました!
どうもすみません、よく分かりました。
前回は、気付かれたというよりも、何というか、話し合いが成立しなかった(優しい言い方)という感じだったような気がしますが、同じ事だと思います。

>あはは、そうですね~。おしゃべりなオバサンなんかもいい味だしてました。

この人は、よかったです♪特にラスト。

>彼の作品は3つしか知らないけれど、他に有名なのはないのかな?
>機会があれば観てみたいです。

私もそんなに沢山は知りませんが、ウイッキで見たら「オズの魔法使い」も「GWTW」も、ビクター・フレミングになっているけど、実は両作共に、最初はこの人が手がけていたと書いてあって、心底ビックリしました☆
申し訳なかったです、すごい監督さんだったのよね~。

いつも色々と有難う~♪
では、今週もお互い良きシネマ・ライフを☆
(評決、録画したままです、きっと年越します・・・)
2010/12/05 (Sun) 19:39  miri〔編集〕  

>miriさん

> 前回は、気付かれたというよりも、何というか、話し合いが成立しなかった(優しい言い方)という感じだったような気がしますが、同じ事だと思います。

そうでしたか、miriさんと話していて”おしゃべりなオバサン”の事は思い出してきたんだけれど、男性陣がいまいち思い出せません。再見したいなぁ!

> 私もそんなに沢山は知りませんが、ウイッキで見たら「オズの魔法使い」も「GWTW」も、ビクター・フレミングになっているけど、実は両作共に、最初はこの人が手がけていたと書いてあって、心底ビックリしました☆
> 申し訳なかったです、すごい監督さんだったのよね~。

おお、「オズの魔法使い」と「GWTW」とは、大作を任されていたんですね。「GWTW」はまだ再見する気にならず今回のオンエアではスルーしてしまいましたが、いつかまた観てみたい作品です。

> (評決、録画したままです、きっと年越します・・・)

正統派の法廷モノという感じでした。
時間のある時にゆっくり楽しんでください~♪
2010/12/06 (Mon) 10:42  宵乃  

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011/01/18 (Tue) 12:00    

30年以上前

新聞にシャルル・ボワイエと言う名優が亡くなった記事が出ていたのを覚えています。
ところが、それからずっと彼が出ている映画は一度も見ないままでした。
そして、今日の早朝。初めて見ました!
素晴らしかったです!ダンディな役者ですね。
そしてイングリッド・バーグマンの美しさ!
見終えて、猪俣勝人氏と双葉十三郎氏の著作を読んで、この作品の復習をしました。
ポーラがどんどん追い詰められていく。やはり怖かったですね。
そして白黒の画面が優雅です。
衣装。豪邸の中。音楽会。
映画史に残る名画です!
2012/05/28 (Mon) 19:08  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
彼の事は良く知りませんが、いい役者さんでしたね。イングリッド・バーグマンとともに、サスペンスを盛り上げてました。モノクロ映像の美しさも際立ちます。

> 見終えて、猪俣勝人氏と双葉十三郎氏の著作を読んで、この作品の復習をしました。
> ポーラがどんどん追い詰められていく。やはり怖かったですね。

復習ですか~。やはり自分で観ただけでなく、他の人(しかもプロの)の意見もあわせると、より理解が深まりますよね。名作でした!
2012/05/29 (Tue) 10:32  宵乃〔編集〕  

ジョゼフ・コットン

彼もまた良い役者さんです!
この映画で大事な存在です。
ポーラの叔母のファンだった男。

彼はオーソン・ウェルズの「市民ケーン」「第三の男」でも素晴らしい演技を見せてくれました。

>モノクロ映像の美しさも際立ちます。

モノクロだからこそ成功したのでしょうね!
2012/06/02 (Sat) 19:30  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

そうですよね~。わたしの感想にはまったく書かれてないですが(笑)、グレゴリーの悪い顔にはらはらしていた所に登場したヒーローという感じで、ほっとできました。
いろんな作品で素晴らしい演技を見せているんですね~。

> モノクロだからこそ成功したのでしょうね!

カラーばかり観ているひとにも、モノクロの美しさを知ってもらいたいです!
2012/06/03 (Sun) 10:04  宵乃〔編集〕  

ガス燈

>ラストは刑事さんといい雰囲気になってるポーラを目撃して「あら、まあ♪」と満足した様子。

いい場面ですよね。宵乃さん。再見して良かったですね!

>もう一人の派手な若いメイドは、ジェシカおばさんを演じたアンジェラ・ランズベリーでびっくり。

今Google画像検索して見ました。若い!
2016/03/17 (Thu) 07:26  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

> いい場面ですよね。宵乃さん。再見して良かったですね!

そうなんですよ、このおばちゃんについては忘れていたので、再見できて良かったです。

> 今Google画像検索して見ました。若い!

ジェシカおばさんの時は、あのほっぺが特徴的だから、若い頃の映像を見ても全く気付きませんでした(笑)
映画にもたくさん出演している方なんですね~。
2016/03/18 (Fri) 07:58  宵乃〔編集〕  
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2010年11月4日の記事 タイトル 「解けない疑問」 GASLIGHT (ガス燈) 1944年・アメリカ製作作品を見ました。 11月3日(水) 昔BS2を録画したDVDを見ました。 監...
映画鑑賞の記録|2010-12-05 19:26
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