忘却エンドロール

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映画「怒りの葡萄」観ました

 | 社会派  com(4) 
Tag:ジョン・フォード 

怒りの葡萄
製作:アメリカ’40
原題:THE GRAPES OF WRATH
監督:ジョン・フォード
原作:ジョン・スタインベック
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】仮釈放で4年ぶりにオクラホマの農場へ帰ったトムは、砂嵐と農場主による立ち退き命令で家族とカリフォルニアへ旅立つ。やっとの事で仕事を見つけるトムたちだったが、賃金カット反対ストの首謀者ケイシーが殺され…。

全体的に暗い雰囲気が付き纏うものの、仮釈放のトムを温かく迎える家族にホッとさせられます。仮釈放だと何度も言っているのに、脱獄だと信じて誇ってさえいるのにはちょっと笑えました。この家族が特別仲良しなのか、時代による違いなのかはわかりませんが、現代の日本だったらこの反応はありえないだろうな~という感じです。
その仲良し家族が、土壇場で残ると言い出した祖父を咳止めシロップで眠らせ(眠り薬にもなるの!?)、ぼろいトラックに大荷物と大家族を乗せて故郷を捨てるシーンも、なぜか絶望は感じないんですよね。この家族なら大丈夫だろうと思える力強さがあります。
しかし、十数人いた大家族が、ひとり、またひとりといなくなり、トラックの荷台が広くなっていくのは切なかったです。おそらく先に故郷を旅立った他の家族たちも、彼らと同じ様に辛い別れを経験しているんでしょうね…。
こんな辛い旅のなかで印象に残っているのは、ウエイトレスが1個5セントの飴を2個で1セントと言って売り、それを見ていた客がお釣りを受け取らず去っていくシーンです。ちょっとした優しさなんですが、彼らの苦難を見てきたらその”ちょっと”のありがたさが身に染みます。
ハッピーエンドというわけではない終り方も、家族の強い絆や人々の見せた優しさのおかげで希望を持つことができたと思います。

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■ Comment

雇用問題

古今東西、一緒なんですね。仕事が無い苦しみ。ちょっと前、27歳同士の結婚式の二次会に出席したら、最後に新郎の挨拶で「二人とも無職ですが、頑張りますので・・・・。」と言う言葉に腰が抜けそうになりましたが・・・・・・。

オンボロトラックでたくさんの人と荷物を乗せて走る2000マイルの旅。途中でお祖父さんとお祖母さんが死去。辛い旅。

>ウエイトレスが1個5セントの飴を2個で1セントと言って売り、それを見ていた客がお釣りを受け取らず去っていくシーン

僕もあの場面は好きです。温かみを感じました。
いろいろな人物が描かれます。説教師を演じたジョン・キャラダインはデヴィッド・キャラダインの父。印象に残る演技です。
そして肝っ玉母さんを演じたジェーン・ダーウェル。さすがアカデミー助演女優賞を獲っただけあります!

豆知識:妹(まだ子供)を演じたシャーリー・ミルズは今年3月31日死去。 恐らく出演者の中で一番最後に天国に旅立った人でしょうね。この映画の事を思い出しながら天国に行ったのでしょうか?

宵乃さんの絵、この映画の雰囲気が良く出てますよ。
2010/12/01 (Wed) 07:12  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

> 古今東西、一緒なんですね。仕事が無い苦しみ。

そうですね、きっと人間がいる限りなくならない問題なんでしょうけど、彼らのように結束して辛い時期を乗り越えていくことだってできるんですよね。ルキノ・ヴィスコンティの「揺れる大地」が思い出されます。

> いろいろな人物が描かれます。説教師を演じたジョン・キャラダインはデヴィッド・キャラダインの父。印象に残る演技です。
> そして肝っ玉母さんを演じたジェーン・ダーウェル。さすがアカデミー助演女優賞を獲っただけあります!

説教師はちょっと思い出せないけれど、お母さんはほんとよかったですね~。
彼女のような母親があって、あの家族がある。・・・逞しい!

> 豆知識:妹(まだ子供)を演じたシャーリー・ミルズは今年3月31日死去。 恐らく出演者の中で一番最後に天国に旅立った人でしょうね。この映画の事を思い出しながら天国に行ったのでしょうか?

そうでしたか・・・いまごろ天国で仲間と再会し、昔話に花を咲かせているでしょうね。
この作品に励まされるひとたちの想いもきっと彼らに伝わると思います。

> 宵乃さんの絵、この映画の雰囲気が良く出てますよ。

ちょっと手抜きで白黒ですが、そう言って頂けて嬉しいです。
いつもやさしいお言葉ありがとうございます!
2010/12/01 (Wed) 12:06  宵乃  

故郷を捨てる

宵乃さん、こんにちは。
思い出にあふれた家がなくなるっていうのは
とっても寂しくつらい事ですよね。
あのお母さんがいれば、どこかでまた
新しい家を築く事はできるだろうけれど・・・。

私もあのドライブイン(?)のエピソードは
心に残っています。
みんなが苦しい時に見せてくれる
ほんのちょっとの温かさは
暗闇の中でのろうそくの灯火のように
安心できるし、ほっこりとさせてくれますね。
そういう優しさをもった人間になりたいです。
2010/12/02 (Thu) 06:11  マミイ編集〕  

>マミイさん

マミイさんこんにちは!コメントありがとうございます。
一生懸命あの地で頑張ってきた家族だから、よりいっそう旅立ちが切なかったですよね。
でも、あのお母さん自体”あったかい家”というイメージがあって、また彼らが安らげる日がやってくると信じられます。

> 私もあのドライブイン(?)のエピソードは心に残っています。
> そういう優しさをもった人間になりたいです。

ほんの数分の出来事なのに、心洗われました。ただお客の対応をしているんじゃなく、人と人との交流を大切にしているんだと感じます。現代、失われつつあるものかもしれませんね。
わたしも彼らを見習いたいです。
2010/12/02 (Thu) 12:15  宵乃  
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