忘却エンドロール

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映画「赤ひげ(1965)」観ました

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Tag:日本 黒澤明 山本周五郎 

赤ひげ(1965)
製作:日本’65
監督:黒澤明
原作:山本周五郎
ジャンル:★時代劇/ドラマ

【あらすじ】江戸時代、長崎でオランダ医学を学んだ保本が、小石川療養所に見習いとして入る。何も知らずに来た彼は、汚い療養所を嫌い所長”赤ひげ”にも反抗的だ。しかし、彼の医者として人間としての器の大きさに、しだいに心を動かされてゆく。

始めは思いのほか暗い内容で3時間以上観てられるか不安だったんですが、虐待されていた女の子”おとよ”を優しく見守る赤ひげや、保本との心の交流を通して彼女に感情の片鱗が見え始めるのをみていくうちに希望のひかりが見えてきました。
貧しさによって人の心はすさみ、病がはびこり、そしてさらに貧しくなる…。そんな悪循環を赤ひげは断ち切り、優しいこころでもって貧しい人々を救い、人間が本来持っている”優しさ”を呼び覚ましていきます。そして、”優しさ”に目覚めた保本や”おとよ”やおばちゃん達が、また誰かに手を差し伸べていくという新しい循環を生みだしていくんですよね。
それが映画内にとどまらず、多くの若者がこの作品を観て医者を目指したというのもうなずけます。
医者が不足している今こそ広く観てもらいたい作品です。

<追記:2015/4/28>
春の感涙祭で再見しました。泣けはしなかったものの、おとよと長坊の会話2回と、井戸に名前を叫ぶくだりでジワリときましたよ~。よかった♪
見直すと、赤ひげ先生よりも市井の貧しい人々が主役という感じで、とくにおとよは存在感ありました。演技も一番上手かったかも!
初見で暗いと感じたのは、最初の方で死にゆく患者にまつわるエピソードが長々入るからでしょうね。シリーズもののドラマ5本立てみたいな印象。
奇妙な声にならない声をあげる患者を目の前に、何もわからず恐怖と居たたまれなさに萎縮していた保本が、彼の人生を知ってその姿を赤ひげの言うように”荘厳”だと感じたり、赤ひげがゆすりまがいのことまでして患者たちに尽くしてると知って、一気に好きになってしまったり、エピソードを重ねるごとに保本が成長し、信頼関係が深まっていくのが伝わってきました。
面白かったのが、バキッ!ボキィ!→手当てしてやりなさい→おとよが倒れる→保本が抱えて帰る→負傷者放置!(爆)
あと、療養所に来たばかりの頃の自分を思い返してうなだれる保本のポーズが、まさにorzそのものでウケた。意外とクスクス笑えるシーンが多かった気がします。
ラストは晴れやかだし、やはり名作ですね。

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■ Comment

こんばんは♪

これはヒューマンドラマの傑作だと(勝手に)思ってます(^^)

保本が次第に不器用ながら大きな愛を持つ天才医師「赤ひげ」に出会い、
人間として成長していく物語ですが、それだけではなく
それぞれの市井の人々のエピソードが非常に良くできているんですね

影の使い方は相変わらず巧みで、
三船敏郎さん演じる赤ひげがまたとても格好良い。
心が病んだ少女が次第に心を開いていく様も不自然なく描かれていて、
3時間全く退屈せずに観ることが出来ました
また「わしは医者だ、病人のいる限り来る」この台詞がいいんです。

偏屈ながらも赤ひげのもっている大きな優しさが循環していくというのがいいですよね。ラストも変わらず偏屈な赤ひげ先生に、なぜか晴れがましい気持ちになりました
2011/12/18 (Sun) 18:41  maki編集〕  

>makiさん

いらっしゃいませ、古い記事にコメントありがとうございます♪
これは傑作ですよね。今でも内容を結構覚えてます。
細部まで丁寧に描かれていて、出てくる人みんな、そこで生きてるんだなぁと思えました。

> 三船敏郎さん演じる赤ひげがまたとても格好良い。
> また「わしは医者だ、病人のいる限り来る」この台詞がいいんです。

渋いし信頼できる男って感じですよね!
彼の魅力を最大限に引き出す力強い映像でした。
3時間という事を忘れて、最後まで惹きつけられる名作だと思います。
2011/12/19 (Mon) 11:50  宵乃  

今日も、大分前にご覧になった作品でスイマセン

 宵乃さん、こんばんは!

イラストのシーンいいですよね。
このシーンで「赤ひげ」の大きさ、優しさが観てる人に一発で解る、名シーンだったと思います。

二つある雪のシーンが、本当に雪が降ってる感じで、どちらも大好きで心に残るシーンでした。

TBさせて下さいね。
2012/11/03 (Sat) 22:11  鉦鼓亭編集〕  

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ!
過去記事へのコメントは大歓迎ですよ~、いつもありがとうございます。

> このシーンで「赤ひげ」の大きさ、優しさが観てる人に一発で解る、名シーンだったと思います。

ホント、優しい目が素敵でした。あんなひとに看病されたら、とても安心できそうです。

> 二つある雪のシーンが、本当に雪が降ってる感じで、どちらも大好きで心に残るシーンでした。

うわぁ、そこは覚えてないです…。ずいぶんと大掛かりな方法で撮影したみたいで、こだわりのあるシーンなんですね。次に再見する時は、しっかり目に焼き付けたいです!
2012/11/04 (Sun) 11:47  宵乃〔編集〕  

No title

 宵乃さん、こんばんは

”荘厳”>あの臨終のシーン。
初見(40年近く前)の時、殆ど気に留まらなかった。
それがビデオ、DVDで見返す内に藤原釜足さんの名演技と思えてきました。
一言の台詞もない中、息遣いだけで臨終を見せる、上手いなァと。
(あのシーン、シドニー・ポワチエが撮影見学してたそうですが、座ってたのが立ち上がり、直立不動になって、その身体は小刻みに震えてたそうです(感動で))

バキッ!ボキィ!→手当てしてやりなさい→おとよが倒れる→保本が抱えて帰る→負傷者放置!
>バキッ!ボキィ!→手当てしてやりなさい→おとよが倒れる→(娼家に赤ひげが運び込み応急手当してる間、保本が赤ひげに代わって地回り達の手当てをする)→保本が抱えて帰る。
だと思いますよ、(  )部分は省略したんだと。
あの最後に顎を外される地回り役の人が10年後、僕と一緒にバイトしてた広瀬さんです。
黒澤さんは、必ずユーモアを入れて緩急を付けるんですよね、それが上手い、そんな所が好きな点の一つです。

HACHI>米で「お蔵入り」になったのは、やはりリードの件が大きかったとか。
後、向こうでは動物が主役を張るというのは余り受け入れられないとも、誰かが書いていました。
教授が倒れるシークエンスは全部要らないですよね。
ハチが駅で見送る、FO、FI、帰らない教授を待ち続けるハチ、墓地のシーンで充分解ると思います。

2015/04/30 (Thu) 23:09  鉦鼓亭〔編集〕  

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ、追記を見つけて下さってありがとうございます!
仰るとおり、あの臨終シーンは素晴らしかったですよね。
私も再見するまで気付かなかったけど、まさに”荘厳”と呼ぶにふさわしいものでした。ホント、息遣いだけでここまで表現できる俳優さんは他にいないかも。

> (あのシーン、シドニー・ポワチエが撮影見学してたそうですが、座ってたのが立ち上がり、直立不動になって、その身体は小刻みに震えてたそうです(感動で))

お~、ポワチエさんが感動するほどの名演技でしたか。そんな素晴らしい俳優さんだというのに、藤原釜足さんのことをぜんぜん知りませんでした…。出演作には結構見てる作品があるのになぁ。

> 娼家に赤ひげが運び込み応急手当してる間、保本が赤ひげに代わって地回り達の手当てをする

あはは、そうかなぁとは思ったんですけどね。
おとよの様子を見たら一刻も早く連れて帰りたいと誰でも考えるはずと思ったら、見捨てたとも取れるように省略したような気がして(笑)

> あの最後に顎を外される地回り役の人が10年後、僕と一緒にバイトしてた広瀬さんです。
> 黒澤さんは、必ずユーモアを入れて緩急を付けるんですよね、それが上手い、そんな所が好きな点の一つです。

あの方が広瀬さんでしたか。
そうそう、戦いの中で顎を外されるというのが笑えて、あのくだりで一番印象に残ってた人です。私も黒澤監督のこういうところが好きですね♪

> HACHI>米で「お蔵入り」になったのは、やはりリードの件が大きかったとか。

あ~、やっぱり。ほぼ現代が舞台だったし、無理ありますよね。ふつうに戦時中にしておけば違和感もなかったでしょうに…。
でも、「動物が主役を張るのが~」というのは納得いかないです。動物映画と言えばディズニー(実写)というイメージがあるので。

> ハチが駅で見送る、FO、FI、帰らない教授を待ち続けるハチ、墓地のシーンで充分解ると思います。

ですね~。というか、教授の俳優を別の人にして、全部ハチ視点にした方が私的にはよかったかも。演技はともかく、ギアさんはギアさんにしか見えないので、途中で彼が亡くなる展開がしっくりこない(笑)
あと、鉦鼓亭さんが「サイダーハウス・ルール」の返信で書かれていたように、人間の描写がまったく中途半端でしたよね。愛情とか苦悩がまったく見えてきませんでした。
脚本家さんは長編映画はHACHIしか書いてないようで、確かにひどい脚本だったと思います。スタッフたちの日本やハチ公へのリスペクトは感じられた分、余計に残念です…。
2015/05/01 (Fri) 08:13  宵乃〔編集〕  

コメントを有難うございます☆

>始めは思いのほか暗い内容で3時間以上観てられるか不安だったんですが、

この映画は先に大人編で真っ暗にして
後で子供編で明るくしてゆくという分かりやすい構図ですよね~。

今回のオンエアではインターミッションがあったので
ハッキリとして良かったです♪

>それが映画内にとどまらず、多くの若者がこの作品を観て医者を目指した

えええええ~っ!
にゃんともいえにゃい。

>市井の貧しい人々が主役という感じで、とくにおとよは存在感ありました。演技も一番上手かったかも!

「二木てるみ、ここに誕生す」って感じでしたね(笑)。

>面白かったのが、バキッ!ボキィ!→手当てしてやりなさい→おとよが倒れる→保本が抱えて帰る→負傷者放置!(爆)

これはその前に一緒にきていた雑役おじさんに板切れを10枚ばかり拾ってこいと言っていたので、治療後に帰ったという省略だと思いますよ。

>意外とクスクス笑えるシーンが多かった気がします。
>ラストは晴れやかだし、やはり名作ですね。

そういう映画だと思いました。
バカ女のこと以外はまあキレイにしていても良く受け止められました。

感涙祭という良い機会をありがとうございました。


.
2017/04/18 (Tue) 19:35  miri〔編集〕  

>miriさん

> この映画は先に大人編で真っ暗にして
> 後で子供編で明るくしてゆくという分かりやすい構図ですよね~。

やはり、どんな作品でもわかりやすさって大切ですよね。楽しんでもらったり、メッセージを伝えるためにも必要ですし、見る方も心の準備というか心にゆとりが生まれてリラックスして見られます。インターミッションは最近の長い作品にも導入してほしい!

> えええええ~っ!
> にゃんともいえにゃい。

あはは。この映画で素晴らしい人格者なお医者さんが誕生したことを願います。

> 「二木てるみ、ここに誕生す」って感じでしたね(笑)。

他の役は知らないけども、この作品で一番輝いてました♪

> これはその前に一緒にきていた雑役おじさんに板切れを10枚ばかり拾ってこいと言っていたので、治療後に帰ったという省略だと思いますよ。

たぶんそれが添え木だと思って、使うシーンを見せないままおとよが倒れたので「治療する暇ないじゃん」と思ったのかと。

> バカ女のこと以外はまあキレイにしていても良く受け止められました。

返信を読んでもその女性の事がまったく思い出せないままですが(汗)、とりあえずそれ以外は割と好感だったようで良かったです。
これからも企画をご活用下さい♪
2017/04/19 (Wed) 11:23  宵乃〔編集〕  
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「赤ひげ」
 「赤ひげ」(1965年・日本)    監督 黒澤明    脚色 小国英雄 菊島隆三 黒澤明 井出雅人    原作 山本周五郎    音楽 佐藤勝    撮影 中井朝一 斉藤
セピア色の映画手帳|2012-11-03 22:14
赤ひげ
なにこれヒューマンドラマの傑作だよ!!この作品には単純に「感動した、泣けた」それだけじゃない心の琴線にふれる何かがあります。これを観ないで邦画好きですなんていっちゃいけないよね ストーリーとしてはわかりやすい。エリート街道まっしぐらの青年医師・保本が、...
いやいやえん|2011-12-18 18:41
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