忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「黒い十人の女」観ました

 | サスペンス  com(8) 
Tag:市川崑 日本 

黒い十人の女
どこかモダンな雰囲気のある映画だった。
製作:日本’61
監督:市川崑
ジャンル:★サスペンス/コメディ

【あらすじ】9人もの愛人を持つTVプロデューサーの風松吉。そんな夫に愛想を尽かしレストラン経営で気を紛らわす双葉だったが、夫を完全に無視することが出来ないでいた。彼女と同じ気持ちでいた愛人たちは、いつしか”彼が死ねばいい”とこぼし始める。それを知った風は、何故自分を殺したがるのか双葉に直接聞き…。

古い映画のわりに映像が綺麗で、モノクロだという感じがしませんでした。
オープニングのいかにも”サスペンス”という音楽も素敵で、若かりし頃の麗しい女優さんたちが”ニコリ”と怪しげに微笑みながら入れ替わる映像にピッタリ合ってます。
ストーリーはテレビドラマ版を一度観ていたので大体知ってたんですが、こっちで受けたインパクトの方が強すぎて同じ物語(多少変えてたみたいですが)とは思えませんでした。
どうしようもないダメ男に執着してしまう十人の女たちのリアルな心情。そして「じゃあ皆で殺してしまおうか」なんてことをさらりと言ってしまう突拍子も無さ。ましてや、それを知った夫が「オレを殺す相談をしてるって本当か?」と奥さんに聞いてしまうなんて、普通では考えられないですよね。
そうゆうリアルさとシュールさのバランスが絶妙で、まるで初めて観たみたいに楽しめたんだと思います。

今観ても”斬新”に感じる作品だと思うので、古い映画は苦手という人でも楽しめるんじゃないでしょうか。
とにかく彼らの会話が楽しいので未見の方はぜひ。

<追記感想:2015/12/12>ネタバレあり
やっぱり面白いですね。今回は何を考えているかわからない風さんに注目して見たんだけど、一夫多妻制の国に生まれてれば幸せだったかもと思いました。ちゃんと稼いでるし、基本的には女性に優しい男なので、一夫多妻が普通の国なら円満だったような気がする…。でも、手当たり次第に流れで女性と関係を持ってしまう男だから、女性が働きにくい国では経済的に厳しくなるかな?
結局最後まで何を考えてるかわからない男だったけど、空砲と知らないはずの奥さんが本気で自分を殺そうとしているのかもと慌てるくだりや、離婚したがってるなんてそんなはずはない…と虚ろな表情でつぶやく様子を見てると、妻を母親と勘違いしてるタイプの潜在的マザコン男だったのかなと思えました。愛情は持ってるんだろうけど、妻に向ける愛とは違うもんねぇ。
あと、岸田京子演じる後藤五夜子(なんて読むの?)が何気に怖かったです。一見あの女性たちの中で一番優しく穏やかに見えるものの、息子よりも男を追って死んでしまうところや、幽霊になってからも彼のことしか頭にないところが…。風を閉じ込めてしまう女優と同じか、それ以上の執着を持っていそう。
ラスト、炎上する事故車を横目に車を走らせるシーンで終わるのが、この先もう一波乱ありそうで気になります。
これは始まりに過ぎなかった…ということだったりして(汗)

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■ Comment

おはようございます。
この映画、私も好きです。

最初のわらわらと女性たちが
でてくるところは下手なホラーよりも怖いと思います。

山本富士子や岸恵子。
中村玉緒の若い頃もびっくりします。

船越英二のなんとも煮え切らないどうしようもない男な感じも
いい味だしてます。
2008/07/30 (Wed) 06:26  きみやす  

コメントありがとうございます。

本当にみんな若いですよね。
仲村玉緒さんの可憐さには、わたしも驚きました。

船越英二さんは初めて見たんですが、
英一郎さんとおんなじしゃべり方なんですね(笑)
でも、なんとなく”モテるオーラ”が出ててたりして
ハマリ役だったと思います。
2008/07/30 (Wed) 14:13  宵乃からす  

観たいですね

この作品は「市川崑物語」でも映像と共に紹介されていて、興味をそそられた映画でした。

>リアルさとシュールさのバランスが絶妙で、まるで初めて観たみたいに楽しめたんだと思います。今観ても”斬新”に感じる作品だと思うので、古い映画は苦手という人でも楽しめるんじゃないでしょうか

リアルさとシュールさのバランスが絶妙ー、このあたりは和田夏十さんの味付けとなっていそうですね。
彼女は映画化に渋る作家さんたちを落すために、莫大な金を支払うなどそのエネルギーは多大な物が伺えました。「8人の女」は、家から映画館まで暑い日中に2時間ほど歩いて行って観たため、途中で寝てしまったのですが(後にも先にも映画館で寝たのは初めて!)それにも影響を与えている作品では???と最後まで観もしないのに勝手に思っています。

2011/08/23 (Tue) 09:38  bamboo〔編集〕  

>bambooさん

いらっしゃいませ~。
お、この作品が映画内で紹介されてたんですか。やっぱり面白いですしね♪

> リアルさとシュールさのバランスが絶妙ー、このあたりは和田夏十さんの味付けとなっていそうですね。
> 彼女は映画化に渋る作家さんたちを落すために、莫大な金を支払うなどそのエネルギーは多大な物が伺えました。

莫大な金・・・どれくらいだろう?
和田夏十さんは脚本家で市川監督の奥さんなんですね、今調べてみるまで知りませんでした。夫婦で映画に情熱を燃やしていたとは、さすがです。

> 「8人の女」は、家から映画館まで暑い日中に2時間ほど歩いて行って観たため、途中で寝てしまったのですが(後にも先にも映画館で寝たのは初めて!)それにも影響を与えている作品では???と最後まで観もしないのに勝手に思っています。

「8人の女たち」のことでしょうか。確かに女たち全員に動機があって、不穏なのに妙に軽い雰囲気があるところなんか似てるかもしれません。映画館で寝てしまった唯一の作品だったとは(笑)
いつか再挑戦してくださいね!
2011/08/23 (Tue) 11:59  宵乃  

こんにちは☆

日本映画専門チャンネルでオンエアがあり、見ました。
イラスト、良いですよ~♪
ピンクが効いています☆

>古い映画のわりに映像が綺麗で、モノクロだという感じがしませんでした。

私はしょっちゅう白黒映画を見ますが、これはスッキリとして
見やすかったです。
そうですね、カラーが浮かぶ感じもしました☆

>オープニンのいかにも”サスペンス”という音楽も素敵で、若かりし頃の麗しい女優さんたちが”ニコリ”と怪しげに微笑みながら入れ替わる映像にピッタリ合ってます。

こえー!こえーよー!!!

>ストーリーはテレビドラマ版を一度観ていたので大体知ってたんですが、こっちで受けたインパクトの方が強すぎて同じ物語(多少変えてたみたいですが)とは思えませんでした。

私はそのドラマを知らないのですが、今回、面子を見たら、迫力が違いますよね。
やっぱ 山本富士子 対 岸恵子 だなんて、ちょっとフツーではない。

>どうしようもないダメ男に執着してしまう十人の女たちのリアルな心情・・・普通では考えられないですよね。
>そうゆうリアルさとシュールさのバランスが絶妙で、まるで初めて観たみたいに楽しめたんだと思います。

ココまで行くと、さすがの倫理観の宵乃さんでも、そうなりますよね~(笑)。
私は、なんというか、テレビ局の偉い人なんて、今でもこんな感じなのかな~?
女優から「ドラマに出して」と言われては・・・と、想像してしまいました。

>今観ても”斬新”に感じる作品だと思うので、古い映画は苦手という人でも楽しめるんじゃないでしょうか。
>とにかく彼らの会話が楽しいので、時間のある方は観てみてくださいね。

そうですね、良い作品で、たしかに今でも斬新です。私と同年齢とは思えません(爆)。
・・・と、ココまで来て思ったのは、
監督のそういう癖を心配した奥さんが、あんたいい加減にしないと殺すわよ、と
脚本を書いたのではないでしょうか???(大爆)
2012/07/03 (Tue) 17:05  miri〔編集〕  

>miriさん

お、この作品をご覧になったんですか~。
モノクロ作品なのに、どこかモダンでイラストもピンクに!
オープニングから強烈なインパクトがありますよね。

> 私はそのドラマを知らないのですが、今回、面子を見たら、迫力が違いますよね。
> やっぱ 山本富士子 対 岸恵子 だなんて、ちょっとフツーではない。

そうそう!怪獣大決戦みたいな迫力でした(笑)
2002年にフジテレビでやってたドラマは、鈴木京香とか深田恭子、小泉今日子、浅野ゆう子などが出てました。まあ悪くはなかったと思いますが、これを観た後では「違う!」って思っちゃうだろうなぁ。

> 私は、なんというか、テレビ局の偉い人なんて、今でもこんな感じなのかな~?
> 女優から「ドラマに出して」と言われては・・・と、想像してしまいました。

完全にフィクションとして現実と切り離して観られました。あまりにも私の世界とは違いすぎます。でもまあ、こういう現実が普通にある場所もあるんでしょうね~。怖い!

> 監督のそういう癖を心配した奥さんが、あんたいい加減にしないと殺すわよ、と
> 脚本を書いたのではないでしょうか???(大爆)

あっはは!それいいですね~。
監督はこの脚本を読んで「ぞっ!」としつつ、「でも、面白い!」って思ったのかな。いいコンビです。

あと、映画鑑賞の記録のトップ見ましたよ~、さっそく試してみたんですね♪
上手く画像が切り替わってよかったです。遊び心がある仕掛けで、最初に考えた人に感謝です。また何か新しい技を見つけたらお知らせしま~す!
2012/07/04 (Wed) 07:34  宵乃〔編集〕  

No title

やっぱり、面白いですよね。
不誠実というよりも、本当にフワフワしている感じが登場人物の名前にも表れてますよね。

浮気していた友人が、浮気相手が本気になった時が
本当に怖いぞ。と言っていたのですが。
(遊び相手が本気になると迷惑という意味でしたが)
この作品を観ていたので、
いやいや、本妻もやっぱり、怖いよなぁと思った次第です。

・・・まぁ、嘘つくと、鼻が膨らむ自分には全く縁のない話ですが(笑)
2015/12/14 (Mon) 00:07  きみやす  

>きみやすさん

> 不誠実というよりも、本当にフワフワしている感じが登場人物の名前にも表れてますよね。

そうですね、風というか風に揺られて漂う風船って感じかもしれないけど。
…はっ、船越さんが演じる風ってことは!?(笑)

友人さんは、すでに怖い目にあったんですね~。
ホント、本妻も怖いし、本妻と愛人が手を組んだら最強です!

> ・・・まぁ、嘘つくと、鼻が膨らむ自分には全く縁のない話ですが(笑)

あはは、嘘が吐けるひとより、そっちの方が平和で良さそうです。
私も気付いてないだけで、癖みたいなのがあるのかも。
コメントありがとうございました!
2015/12/14 (Mon) 13:34  宵乃〔編集〕  
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