2012年12月に観たお薦め映画

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「月世界旅行」観た

 | SF  com(10) 
Tag:フランス 

月世界旅行
この後、ロケットがお月様の目に突き刺さります(グロ!)
原題:LE VOYAGE DANS LA LUNE
製作:フランス'1902
監督:ジョルジュ・メリエス
原作:ジュール・ヴェルヌ、H・G・ウェルズ
ジャンル:★SF/アドベンチャー/コメディ

【あらすじ】天文学者学会で月世界探検計画が提案され、一部の反対を受けるが可決される。その計画とは弾丸型飛行船を巨大な大砲で月に撃ち込むというものであった。やがてそれは完成し、会長以下6人の探検隊が船に乗り込む。多くの人に見送られ、船は月に発射されるのだった。

今年最後の記事という事で、そうそう観ないような作品に挑戦!
とにかく古いです。史上初のSFであり、劇的構成を持った初の映画だそうです。
ハッキリ言って、そんなに古い映画ってどんなもんよ?という好奇心くらいしか持ってなかったんですが、観てみたら意外とツボでした。
今よりずっと月が神秘的だった頃の発想と、ジョルジュ・メリエスの描いた世界観が見事マッチしていて、”初の~”という驚き以上の魅力があります。
まず、とんがり帽子を被った天文学者たちがいいんですよ~。あの姿に白いおひげ、そして金ぴかの望遠鏡!
魔法使いにしか見えない彼らがいる場所も、石造りの建物に積み上げられた本、そして空には黄色い顔で見守るお月様にお星様がいるという、まさにファンタジーな世界そのもの。
それらが私の好きなゲーム「ポポロクロイス」のイメージと似ていて、それだけでテンション上がってしまいました。
微妙にグロいかと思えば、月人がショッカーみたいに爆発するあっけらかんとした描写もあり、でも傘がきのこになって成長するファンタジックな表現もあったりで、先が読めないとこもいい。何気に天文学者がアグレッシブなのには笑ってしまいました。
たった16分の作品ですが、思いっきり濃厚です。

一緒に、メリエスの短編「天文学者の夢」と「日蝕と満月」が収録されており、そちらは不気味さアップでちょっと怖かったり。もう一つ、2011年に製作されたドキュメンタリー「メリエスの素晴らしき映画魔術」は一見の価値あり!
元奇術師で初の映画監督であるメリエスの映像を使ったトリックショー(これがホントに楽しい!)や、撮影風景の再現映像、フィルムに直接彩色する方法、そして残されたフィルムの途方も無い復元作業など、映画好きなら楽しめる内容でした。おススメです!

というわけで、今年もこれで終りですね。
いつも来てくださる方、コメントしてくださる方、企画に参加してくださる方、本年も御贔屓いただき、誠にありがとうございました。
来年も宜しくお願いいたします!

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まとめて映画感想

 | まとめ感想  com(19) 
Tag:日本 

2013/4/4「お買いもの中毒な私!」を単独記事に直しました

『映画 けいおん!』

(2011年日本、山田尚子監督)
一期しか見てなかった私でも余裕でついていけるのがさすが。劇場版のノリではなかったけど、TVシリーズでこれをやっても観なかっただろうし、私みたいに中途半端に観ていた人でも完結できたという事で、映画化の価値はあったと思います。
ラストは意外にもホロリ。あの唯が必死になって後輩に贈る曲の歌詞を考える姿にジーンときました。青春ですね~。

『12人の優しい日本人』

(1991年日本、中原俊監督)
あのこじつけ論を断定口調で語る胡散臭いめがね男がね~。本家を先に観ていれば、どの役にあたるのかすぐにわかるし、何よりまったく殺意を証明できてないのに流される人が現れるのが…。あの場の空気なんでしょうけど、間違った方向に流れていくのを黙ってみているのが辛い!
「そんなひねくれた見方しかできないなんて、あなたの心は捻じ曲がっている」というおばさんのセリフはとても良かったです。
後半は当たり前の事をやっと指摘してくれて、納得できる推理(&できない推理)が展開されて痛快だったけども、それまでが長かった上に笑のツボが合わず、映画の印象としてはよくなかった。…せめてこちらを先に観てればな~。

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『おっぱいバレー』

(2008年日本、羽住英一郎監督)
おっぱいで頭がいっぱいな少年たちはアホで結構なんですが、教師まで馬鹿なのはちょっと。「先生なんでもするから!」なんて安請け合い、過去回想を見たら懲りてないのが丸わかりで、これからも繰り返すんだろうなぁと思ってしまいました。
時代設定がBGMのためだけっぽくて、それ以外はほとんど現代の田舎町くらいにしか思えなかったのも中途半端。
でもまあ、恩師の本に昔の落書きを見つけるシーンとかウルっときたし、深く突っ込まなければおバカ青春モノとして予想以上に楽しめたと思います。

映画「お買いもの中毒な私!」感想

 | ラブコメ/ロマコメ  com(5) 

お買いもの中毒な私!
この動くマネキンが描きたかった!ヒロインの虚ろな瞳も再現(笑)(2013/4/4イラスト追加&単独記事に直しました。この作品へのコメント等は過去記事に残ってます)
原題:CONFESSIONS OF A SHOPAHOLIC
製作:アメリカ’09
監督:P・J・ホーガン
原作:ソフィー・キンセラ
ジャンル:コメディ/ロマンス

【あらすじ】ニューヨーク。編集部で働く25歳のレベッカは、ブランド物の衝動買いが止まらずカード無効になった上、運悪く廃刊で会社をクビに。憧れのファッション誌の編集部に就職しようとするが、何の間違いかおカタい経済誌に決まり…。

買い物の後に罪悪感に襲われた表情をちらりとでも見せていれば、コミカルなだけでなく結構考えさせる作品になったと思うんだけど…。
依存症は怖いですよ。どんなに自己嫌悪していてもやめられないんだから。
金遣い荒いひとか依存症かの境界線は、やめたいのにやめられない、もしくはそれが原因で生活に支障をきたすなどの問題があるかどうかで決まるはずなので、借金まみれの彼女は完全に依存症。嘘をつきまくるのも「依存症とはそういうものだから」と思えます。
でも、自助会での言動やラストの借金取りへの仕返しを見ると、依存症以前に彼女の人間性に問題があるんですよね~。なので、ぜんぜん感情移入できないし、笑えもしませんでした。
最後はちょっと感動したけど、それは受付の男性や自助会の先生、上司や親友、両親の優しさと心の広さにかなぁ。
ウィンドウに並ぶマネキンが動いて主人公を誘惑するという表現だけは、とても素敵でした。

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第35回ブログDEロードショー「七人の侍」

製作:1954年、日本
監督:黒澤明
開催期間:2013/1/4~1/6
七人の侍
戦国時代を舞台に、野武士の略奪に苦しむ百姓に雇われ、身分差による軋轢を乗り越えながら協力して戦う七人の侍の物語です。
匿名の方からリクエスト頂きました。
企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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拍手ログ 不思議の国のアリスシリーズ 9~11

 | イラスト関係  com(1) 
Tag:にゃんこ 

不思議の国のアリス/きちがいのお茶会
『きちがいのお茶会』
チェシャ猫の言っていた三月うさぎのおうちにたどりついたアリス。
そこでは、三月うさぎと帽子屋とヤマネがお茶会をしていて、テーブルにはたくさんのティーカップが並んでいました。
帽子屋が”時間”とけんかしたため、ここはいつまでも6時のままなのです。
しばらく彼らと話していたアリスでしたが、あまりにばかばかしくて、ついには怒って立ち去るのでした。
不思議の国のアリス/ハートの女王
『ハートの女王』
三月うさぎのおうちを去り、ついにあのきれいなお庭にたどりついたアリス。
そこでは、庭師が白バラを赤いペンキでぬっていましたが、白がきらいな女王さまにみつかってしまいました。
「こやつらの首をはねろ!」
アリスは女王さまの目をぬすんで彼らを花びんに隠します。
「よろしい!おまえクロケーはできる?」
アリスは元気に「ええ!」と答えました。
不思議の国のアリス/アリスとクロケー
『アリスとクロケー』
クロケーをはじめたものの、女王さまは「首をはねよ!」といってばかり。
にげだしたくなっていたアリスのもとに、チェシャ猫が首だけになってあらわれます。
よろこぶアリスでしたが、チェシャ猫は女王さまを怒らせてしまうのでした。
兵士たちは、チェシャ猫の首をはねるため、クロケー場を走りまわります…。

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映画「キッド(1921)」観ました

キッド(1921)
原題:THE KID
製作:アメリカ’21
監督:チャールズ・チャップリン
ジャンル:★ドラマ/コメディ

【あらすじ】街頭に捨てられた赤ん坊を拾い、成り行きから育てる事になったチャーリー。それから5年後、その子はチャーリーの仕事を手伝う程成長し、2人は貧しいながらも幸せに暮らしていた。だが、熱が出て医者に診せた事から、強制的に孤児収容所に送られそうになり…。

期待が高まりすぎたせいか感動はなかったんですが、ほのぼのした雰囲気やコミカルな描写がとても良くって、すぐに引き込まれました。
チャーリーが登場するとパッと画面が明るくなる気がするんですよね。彼が動きだすと音楽がそれに合わせて鳴り出し、観てるわたしたちの笑い声も作品の一部みたいに思えます。
また、彼にも負けない存在感を発揮していた坊やも素晴らしい。可愛くて演技も上手で、つい「チャンプ」を思い出してしまいました。
そんなふたりの食事風景や何気ない日常の描写がまたいいんですよ。血は繋がらなくとも親子というのがしっかり伝わってきます。
ガラス売りの詐欺や、警官との追いかけっこ、筋肉隆々(詰め物で膨らませてるのが 笑)の青年との対決なども、古典的ながら楽しませてくれました。
いつも抜け目なく、ずるい事もして、問題が起きてものらりくらりとかわしてしまうチャーリーには、どんな苦境に立たされても何とかしてしまいそうな頼もしさを感じて、あの境遇で赤ん坊を育て上げるなんて事も、なんとなく納得できてしまったり。
ラストも、これから幸せを掴めると素直に信じられました。母親は坊やを一度は捨てたけど、一時の気の迷いを起こしても仕方がない状況(頼れる唯一の人に捨てられた?)だったみたいだし、すぐに戻ってきたし、悔やみ想い続けていたのが伝わってきます。女優としてここまで成功したのも、有名になれば捜索の可能性も高まるからだろうし、慈善活動だってどこにいるかわからない我が子のため、何かせずにはいられなかったんですよね。
天使のくだりはよくわからなかったけど、夢の中ですら幸せに浸ってられないくらい坊やとの別れがショックだったのかなぁと思ったりしました。
やっと観られてよかったです!

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「Pokemon Radio Show! ロケット団ひみつ帝国」が楽しい!

 | マンガ/アニメ  com(2) 

ロケット団ひみつ帝国
(画像クリックで大きいサイズ)
記事にしようしようと思いつつ、すっかり忘れててもう次回が最終回なラジオ番組の紹介です。
ベストウイッシュでロケット団がクールにイメチェンしたら人気が下がったらしく(笑)、次の第3期(エピソードN)からまた元にもどすためなのか(?)、従来のあっけらかんとしたロケット団のノリでやってました。
アニメのラジオ番組って初めて聴いたけど、ムサシもコジロウもニャースもアニメそのままのキャラを保ってて、本当に彼らがラジオ番組をやってるみたいなんですよね~。
冒頭の謎の小芝居はちょっとシュールだけど、それに続く口上は何度聞いてもテンション上がるし、ポケモン声優を”育て屋”として紹介したり、イントロクイズやポケモンを描くコーナー、ロケット団新兵器開発部の新アイテムを試すコーナーなど、毎回全力で楽しくやってます。
途中で入るCMも、サブウェイマスターの兄弟や、ジョーイとジュンサーがノリノリでやってて、とにかくにぎやかで楽しい♪(webラジオ版ではカット)

次回の最終回はInterFM(76.1Mhz)が12/23(日)19:00 - 19:30、アニメイトTVあにてれなどのWEBラジオでは12/24(月)に更新されるようです。
ふぅ、ぎりぎり間に合った…と言えるのだろうかこのタイミングで…。

映画「勝利への脱出」観た

勝利への脱出
原題:ESCAPE TO VICTORY
製作:アメリカ’80
監督:ジョン・ヒューストン
ジャンル:★スポーツ/アクション/戦争

【あらすじ】1943年、第二次世界大戦最中のドイツ、ゲンズドルフ捕虜収容所。サッカーに興ずる連合国軍捕虜達の姿を見て、ドイツ軍情報将校フォン・シュタイナーは親善試合を思いつく。捕虜のリーダーの一人、コルビー大尉はこの提案を受け入れるが、知らぬ間に事が大きくなり…。

スタローン主演の作品って、彼ありきで作られるものが多い気がしてて、この作品のようにチームの結束やスポーツマンシップ、試合そのものをメインに作られた作品に出てたなんてすっかり忘れてました。いい意味で影が薄いです(笑)
でも、ゴールキーパーしてる姿はキマッてて、サッカーぜんぜんわからないけども、脱走時に見せる周りの状況を把握する能力とか、アメフト好きで体当たりでボールを取りにいくところはゴールキーパーにぴったりだと思えました。
自分が脱走するだけでも命がけなのに、仲間のためにレジスタンスとの連絡役を引き受けたり、収容所に戻ったり脱走を諦めたり…。本当に仲間想いなところも良かったです。
そして、チームを率いるコルビー大尉と似たもの同士っていうのもいい。面倒見が良くて、仲間は絶対に見捨てられない彼と、そんなに話すシーンもないのにしっかり絆が見えるんですよね~。
そんな彼らと、正々堂々戦おうとするシュタイナーがまたカッコいいんですよ。サッカーを愛するもの同士、相手も正々堂々向かってくると信頼しています。本当は上層部の思惑なんて関係ないところで勝負したかっただろうなぁ。
でも、スポーツはそんな外野の声も届かなくしてくれます。
脱走より試合を取った選手たちの満ち足りた表情と、ラストのシュート、歓声で、一気にテンションあがりました。
映画のモデルとなった出来事は悲惨な最後だったようですが、映画はこれでよかったと思います。映画を存分に楽しんで、事実も忘れずにおきたい作品かな。

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映画「八甲田山」観ました

八甲田山
製作:日本’77
監督:森谷司郎
原作:新田次郎
ジャンル:★伝記/ドラマ

【あらすじ】明治34年末、日露戦争を目前にして陸軍は寒地訓練の不足を痛感していた。ロシア軍と戦うためには雪中行軍をし、兵士たちに雪と寒さの厳しさを教えなければならない。そして、生きては帰れぬ冬の八甲田山が訓練地に選ばれ…。

集中して観たかったので先にCMカットをしたら、雪山を歩く映像ばかりで「これ面白いの?」と思いながら観始めたんですが、すごく見ごたえあって最後まで目が離せなかったです。
なんと言っても自然の恐ろしさ、それを舐めている人間(についていく)の恐ろしさがありありと描かれていて、寒い部屋がさらに寒く感じました。
服装同じ上に顔真っ白で見分けつかないよと思っていたら、指揮官が判断を間違う度に状況が悪化していって、後半は一目瞭然っていうのも怖い。しっかりした足取りで迷い無く進んでいく徳島大尉一行と、まるで死神を背負っているかのような虚ろな目で真っ青になって歩き続ける山田少佐一行…。白い地獄とはよく言ったものです。
そんな指揮官の下、このままじゃヤバイとわかっていても何もできない神田大尉のもどかしさが…!
ちょうど前日に見た「しあわせの隠れ場所」でマイケルが死地に向かう兵について「バカでも勇気は持てる。でも誇りがあるから人は頑張れる」というように書いていたんだけど、それを思い出してしまいました。彼も誇りを持って最後まで頑張ってましたよね…。
一方、人間らしい顔色を保つ徳島大尉の”案内人への敬意”が素晴らしかったです。女の子の案内人について歩いていた時、振り返りつつ先導する彼女の微笑みが、天使か女神の加護のように感じたんじゃないかな?
村に入ったとたん「案内人を最後尾に移動させますか?」と部下に言われても、それが軍では当然だっただろうにきっぱり断ったところが素敵。お別れの時の「案内人殿に敬礼!」はマジで痺れました。
しばしば入る、子供の頃の思い出や春うららかな風景の回想なども良かったです。
ラストは戦争の虚しさを感じました…。

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映画「しあわせの隠れ場所」観ました

 | 伝記/自伝/実話  com(7) 

しあわせの隠れ場所
原題:THE BLIND SIDE
製作:アメリカ’09
監督:ジョン・リー・ハンコック
原作:マイケル・ルイス
ジャンル:ドラマ/スポーツ/伝記

【あらすじ】夫と娘、息子の4人で幸せに暮らす裕福な白人家庭の夫人リー・アン。ある真冬の夜、彼女はひとり寂しく歩く巨漢の黒人少年マイケルに目を止め、自宅へ招き入れるのだった。住む場所や学校を転々としていた彼と、しだいに心を通わせていく一家。やがて彼は、アメリカン・フットボールの才能を開花させ…。

実話モノで、不遇な黒人少年がとある出会いで成功していくお話なんだけども、成功する過程より、見ず知らずの他人が家族になっていく過程に重点を置いていました。
経済的な面ではまったく問題がなかったとはいえ、どんな人間かもわからない、無口で体格のいい黒人少年を家に招き入れるのには勇気がいったと思います。今の世の中、物騒な話も多いですし、金持ちな白人というだけで敵意を持たれる事だってあります。しかも、美人な娘さんと幼い息子がいる家庭です。ただの自己満足ではできない、どうしても放っておけなかったという人情からの行動なんですよね。
彼女自身も自問自答している様子で、裕福な奥様たちの茶飲み友達の露骨な反応を見るたびに、自分を振り返って、確認しながらゆっくり距離を縮めていく感じが良かったです。
自己主張の弱い、奥さんのいう事ならなんでも「よろこんで!」とOKしてしまいそうな夫(省略された?)の、「たまねぎのように、皮を一枚づつ剥がしていくしかないさ」というセリフが効いてました。
また、人懐っこい息子との交流も心温まります。大人に不信感を抱いていたマイケルが彼らの優しさを素直に受け入れられたのも、この子の存在があったからでしょう。瞬く間にマイケルと”仲の良い兄弟”になり、ずっと前から一緒にいたみたいに補い合ってるのが素敵。大人顔負けのやり手なところも面白かったです。
お姉さんも頑張ってたし、コーチや教師、家庭教師など、たくさんの人の優しさが描かれてました。
ちなみに、原題には”近づくものが見えない側、死角、盲点”という意味があり、アメフトではマイケルのポジションだった”右サイド”の事を指すようです。邦題はその部分が表せてないのが残念かな。
それにしても、あの母校への強い愛着って一般的なものなんですかね~?

映画「日の名残り」観ました

日の名残り
原題:THE REMAINS OF THE DAY
製作:イギリス’93
監督:ジェームズ・アイヴォリー
原作:カズオ・イシグロ
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】1958年、オックスフォード。ダーリントン卿が亡くなり、アメリカ人の富豪ルイスの手に渡ったダーリントン・ホール。かつては政府要人や外交使節で賑わったが、今は使用人も去り、老執事スティーヴンスの手に余っていた。そんな折、以前屋敷で働いていたミス・ケントンから手紙をもらい…。

印象に残っていたのは後半のケントンとの切ない関係だったんだけども、再見したら、それ以上に父親との関係に目が行ってしまいました。
体調が優れない父親を安心させようと、そっと手に触れるシーン。それが本当に控えめにそっと指の先っぽで触れる程度で、それが彼の精一杯の愛情表現なんですよね。亡くなった時も手の甲でそっと触れただけ。
きっと、父親と触れ合う機会なんて、執事としての仕事を教えられた時くらいで、抱きしめられるどころか手をつないだ事すらなかったのだろうと想像してしまいました。
浮気を知ってから妻への愛情を失ってしまった父親は、執事の誇りがよりどころになり、より仕事に没頭していったのかもしれません。そんな父親を見て育ち、厳格な父親が心から喜んでくれる”完璧な執事”を目指した事が、スティーヴンスの人生をこんなストイックなものにしてしまったのかなぁと…。
ケントンの愛に応えられなかったのは、執事の仕事に誇りを持ってるとか、仕事に忠実すぎたとかそういうことではなく(もちろんどちらも当てはまるのだけど)、この生き方しか知らなかったからだと思います。父親を見て育ったのもあるし、完璧な執事を目指したために余計なものは見ない聞かないを鉄則として生きてきた彼ですから。かろうじて知っていたのは、プライベートな時間に読んだ本の世界の事だけ。
彼は外の世界へ飛び立つ術を知らず、かごの中から出るのを恐れていたのでしょう。
それを後悔して正すために旅立った彼が、結局外へ出る理由を失い元の日々に戻るラストには、やるせなさがこみ上げてきました。
静かで淡々としているのに、心揺さぶられる名作だと思います。

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映画「海と毒薬」観ました

 | 社会派  com(4) 
Tag:日本 

海と毒薬
製作:日本’86
監督:熊井啓
原作:遠藤周作
ジャンル:サスペンス/ドラマ

【あらすじ】毎晩のように米軍機による空襲が繰り返されていた昭和20年5月。医学部の研究生、勝呂と戸田は、物資も薬品も揃わず多くの患者に満足な治療が行えない中、教授たちの派閥争いに組み込まれてゆく。そんなある日、捕虜8名を使った生体解剖実験を手伝えと教授たちに言われ…。

これは疲れました…。
モノクロで生々しさがアップしてるような手術シーン(生きた動物を使ったらしい…)も重苦しい空気に押しつぶされそうになるんだけど、やはり人間的な感覚が麻痺してきている医者たちの言動の方が精神的にきます。
葛藤を抱える勝呂と対照的に描かれる冷淡な戸田は、何も感じなくなってしまった事に疑問を覚えている分、少しは人間味を感じるんですが(実は一番心が弱かったのかも?)、そんなところはとっくに通り過ぎてしまったという感じの教授が…。今から殺そうという若者を前に、ニコニコ笑いながら対応する様子には寒気を覚えました。
看護婦たちも、好きな人のためとか復讐の為とか、生体解剖した遺体の側で平気で話しているのが恐ろしい。殺し屋にも見えた教授ですら、手術室に戻ろうとして逡巡したあげくにやめたのに…。女が一番怖いのか!?
患者を”物”扱いするのは日常茶飯事だし、戦争で死が間近にあるというのも描かれていて、心が休まるのは勝呂が海を眺めるシーンぐらいでした。手術室の床を流れる水の音や、生体解剖実験後に響く赤ん坊の泣き声など、音の使い方も印象的。
良心というものの脆さを見せ付けられた二時間でした。
しかし、ゴーグルなしで手術とか、サンダルみたいな履物とか、滑りやすそうな床とか、血をぬぐったガーゼを床にポイポイ捨てていくのとか…別の意味でも怖い映画です。しかもリアリティを追求して、血液はスタッフから採血したものを使ったとか…。今じゃ考えられないですね。

WiiからWii Uへの引越し完了

 | ゲーム  com(5) 

WiiUお引越し3
わたしは横で見てただけなんだけど、引越しのお手伝いをしてくれたピクミンがあんまりにも健気で可愛かったので激写。
WiiUお引越し
地下鉄の構内風?
WiiUお引越し2
ニンテンドーは子供と大人に夢を与えてくれるね!

しかし、予想以上のでかさで置く場所に困る…。

映画「天使の入江」観ました

天使の入江
原題:LA BAIE DES ANGES
製作:フランス’63
監督:ジャック・ドゥミ
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】パリで銀行員として働くジャンは、同僚に連れられ初めてカジノを訪れる。だが、一晩で年収の半額を手にしたことから、彼はギャンブルの魅力にとり憑かれてしまうのだった。父親に追い出され、南仏でカジノ通いを始めた彼は、ブロンド女性ジャッキーと意気投合し…。

ギャンブルにこうやって嵌っていくんだね…。
一瞬で大金が手に入ったと思えば、次の瞬間には帰りの汽車賃すら危うい。それが、新しい出会いでまた運が向いてきて、出会ったばかりの男女が夢のような時を過ごしたり、またお金に困ったり。
それをずっと繰り返しているんだけど、その間に「次の列車で帰る」と何度言っただろう?
「お金がほしいんじゃない。お金があっても賭けるもの」
どっぷりギャンブルに嵌っているジャッキーの言葉が、どれもこれも重みがあって、ギャンブル依存症の恐ろしさを感じました。
彼女と出会った事で、ギャンブルに嵌ってしまった者の惨めさ、苦しみを知ったジャンが、引き返さねばならないと決心した時、そこに”ジャッキーも一緒に”という気持ちが強くあり続けたのがよかったです。
彼らの道は長く辛いものだと思うけれど、きっとふたりなら(お父さんもたぶん協力してくれるだろうし)抜け出せると希望を持てるラストでした。
ちなみにタイトル「天使の入江:LA BAIE DES ANGES」は、ニースのカジノなどが建ち並ぶ海岸通りの海岸の名前だそうです。

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映画「裁かるゝジャンヌ」観た

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Tag:フランス 

裁かるゝジャンヌ
原題:LA PASSION DE JEANNE D'ARC
製作:フランス’28
監督:カール・テオドール・ドライエル
ジャンル:歴史劇/ドラマ

【あらすじ】ルーアン城。祖国フランスを守るも、英軍の手に落ち捕虜となったオルレアンの乙女ジャンヌ。痛手を負った英軍の総督ウォーウィックは、同じく彼女に恨みを抱くコオション司教を味方にひき入れる。彼らは難問をつきつけ、”聖女”の仮面を引き剥がそうとするが…。

宗教も歴史も撮影技法もよく知らないけど、サイレントでこれだけ顔のアップばかりが続いても引き込まれるのはすごいですね~。
文字で表示されるセリフも最小限で、彼女の表情だけで審問官の問いに答えた内容を想像しなければいけない部分も多く、それがもどかしかったり、本当に言葉はいらないと思わせる表情にドキッとしたりしました。
また、審問官らの表情も内面を表していて素晴らしかったです。ジャンヌの目に怯む者、頭がおかしいのだと嘲笑う者、哀れな少女に同情する者、利害しか頭にない者などなど…。それぞれ違った表情を見せてくれるものの、ジャンヌの言葉を心の底から信じるひとはいないようでした。
役者さんの演技でここまで真に迫ってるんだもの。そりゃ、わからないわ…。まあ、彼らにとって真実かどうかなど問題ではないというのが哀しいところですが。
ただ、わたしが審問官だったら、彼女の信念を目の当たりにして一体どういう顔をしただろうか?と考えてしまいました。
人間の残酷さが描かれている作品だったと思います。
原題の意味はジャンヌダルクの受難。この受難は、イエスキリストが十字架にかけられて受けた苦難の事かな。

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映画「キューティ・ブロンド」観ました

 | 青春  com(2) 

キューティ・ブロンド
原題:LEGALLY BLONDE
製作:アメリカ’01
監督:ロバート・ルケティック
原作:アマンダ・ブラウン
ジャンル:★コメディ/ロマンス

大学でファッション販促を専攻し、成績優秀でみんなの人気者だったエル・ウッズ。政治家志望の恋人ワーナーからのプロポーズを待ち望んでいた彼女だったが、議員の妻にブロンドはふさわしくないと振られてしまう。彼女はワーナーに認めてもらうため、超一流ロー・スクールに合格するが…。

好きな作品だったので久しぶりに再見。
やっぱりいいね~。テンポがよくてサクサク先に進んでいくんだけど、中身もちゃんとあるというか、エル・ウッドというキャラクターの”一瞬一瞬を大事にする生き方”が、そのまま作品に反映されてる感じでした。
この子がホント素敵で、毎日を丁寧に過ごしているのが、小さなエピソードの積み重ねで伝わってくるんですよ。パーティや試験勉強で全力なのはもちろんの事、ネイルサロンでの会話やたまたま知り合った人との会話、高いところの本を取ってもらったというちょっとした出来事なんかも、絶対にないがしろにしたりしないんです。
たとえ相手が酷いことをしてきても、仕返しなんて考えないところが爽やか。相手が心を入れ替えれば過去は水に流して受け入れるし、そうでない人たちの事なんて自分磨きで追い越してしまえば気にならなくなってしまう!
裏切られても、今の彼女があるのは彼らのおかげでもある事を、しっかりわかってるんですよね。
ラストの首席スピーチは、まさにこれまでに描かれてきた彼女だからこそ出てきた言葉だと思います。彼女がみんなの第一印象を覆したように、この作品も観終わって第一印象との違いに驚くかも。
楽しくて元気付けられて、爽やかな感動を味わえる作品です。

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