2011年05月に観たお薦め映画

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「再会の街で」観ました

 | 社会派  com(4) 

再会の街で
製作:アメリカ’07
原題:REIGN OVER ME
監督:マイク・バインダー
ジャンル:★ドラマ

マンハッタン。大学時代の友人チャーリーを街で見かけ、二度目にしてやっと言葉を交わした歯科医アラン。だが、彼は9.11テロで最愛の妻と娘を亡くして以来、すっかり心を閉ざしてしまっていた。彼を気に掛けるチャーリーだったが…。

チャーリーの苦悩はきっとわたしには全部はわからないんだろうけど、彼のような心に深い傷を負った人が実際に身近に居たら、アランのように彼のサインを見逃さず諦めずそっと側にいてあげることができるだろうかと思いながら観ました。大学時代のように陽気だったかと思えば、突然「一人にしてくれ!」と怒って去ってしまう彼の心は、映画のことだから冷静に観れても実際だったらきっとわたしにはわからないと思います。
だから彼を思いやって待つこともできるアランや、判事がチャーリーの妻の両親に言ったセリフに感動したんだけども、精神病院が”あんな場所”と断言される現状はどうなのかとも思ったり。結局、隔離施設に過ぎないんですかね?
さすがに街中で拳銃(空砲)を振り回したんだから、PTSDの治療くらいは受けたほうがいいと思いました。

ちなみに、原題の意味は「私を支配する」。「四重人格」の名曲のタイトル”Love Reign Over Me(愛が私を支配する)”から引用されています。
どうでもいいけど、チャーリーの使っている改造スクーター?と、彼が嵌ってる「ワンダと巨像」というゲームが妙に印象に残りました。

映画「レッスン!」観た

 | 青春  com(5) 

レッスン!
製作:アメリカ’06
原題:TAKE THE LEAD
監督:リズ・フリードランダー
ジャンル:★青春ドラマ

NYのスラム街。社交ダンス教室を運営するデュレインは、地元高校生の荒廃ぶりを目の当たりにし、社交ダンスを教えたいと自ら申し出る。最初は見向きもしない生徒たちだったが、彼の辛抱強い呼びかけに次第に心を開いていき…。

問題児たちが社交ダンスを通して成長していくスポ根モノの王道なんですが、実話を参考にしているためか、それともアントニオ・バンデラスがセクシーなためか、彼らが社交ダンスに熱中していく過程にやたらと説得力がありました。いやだって、あんな大人の色気ムンムンなタンゴを見せられたら、どんな(入り口に金属探知機が設置されてる学校の)不良だって憧れますよ。もともとダンスが好きだったようだし、みるみる上達してもおかしくないですよね。
それに、社交ダンスによって礼儀や信頼や敬意なんかが自然と身につくのだと、PTAの役員を説得するエピソードで思わず納得。今まで抱いていたバンデラスのイメージが覆るくらい、彼の言う事なら何でも信用できるというオーラがでてました。
また、麻薬がらみで家族を失って憎みあう生徒など、フィクションと思われる生徒たちのエピソードは安心して観られる感じです。最後の大会で、三角関係をそのままダンスで表現したり、”モンスター”呼ばわりされている巨体の子がお嬢様をエスコートしたりするシーンは、なんだか微笑ましい。
個人的に(「魔法にかけられて」の時も思ったんだけど)大会ダンスホールのライトが微妙な色合いで美しくない事以外は楽しく見られました。

映画「サン・ジャックへの道」観た

 | ロードムービー  com(4) 
Tag:フランス 

サン・ジャックへの道
製作:フランス’05
原題:SAINT-JACQUES... LA MECQUE
監督:コリーヌ・セロー
ジャンル:★コメディ/ドラマ

【あらすじ】仲の悪い兄妹ピエール、クララ、クロードのもとに、母の遺言書が届く。そこに書かれた遺産相続の条件は、キリスト教聖地サン・ジャックへの巡礼路1500kmを兄妹一緒に歩ききること。彼らは遺産欲しさにツアーに参加するが…。

三兄妹を中心に、自分の事で頭が一杯で巡礼に意味なんて求めてない人々を描いた、歩くロードムービー。
とにかく最初は文句ばっかりケンカばっかりで、せっかくの美しい風景も台無しにしてしまうくらいの不協和音。電波が届く場所についた途端、みんなしてあっちこっち歩き回りながら携帯電話と話しているシーンでは、現代人の滑稽さが浮き彫りになってました。
でも、そんなちぐはぐな9人の背景が見えてくる頃(最初は説明が少なくて誰が誰だかわかりにくい)、だんだんと歩くのにも慣れて、人を思いやったり風景を楽しんだりする余裕がでてくるんですね。
なかでも、失読症(文盲?)の少年ラムジィに三兄妹の長女クララが読み方を教えてあげる様子が微笑ましい。いつも仏頂面だったクララの表情は和らぎ、字を読めるようになったラムジィも満面の笑みを見せてくれます。あれだけ大自然のなかで浮いていた彼らが、後半は嘘のように風景に溶け込んでいました。
また、途中ちらほら入る彼らが見た夢の光景は、ちょっと怖かったり幻想的だったりでなかなか面白かったです。アート的雰囲気は好き嫌い分れそうですが。
ラストは思わずうるっとしつつも、三兄妹の様子に笑顔になれました。彼らにこの遺言を遺したお母さんも、きっと笑顔で見守ってるんだろうなぁ!

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映画「シャレード(1963)」観ました

シャレード(1963)
製作:アメリカ’63
原題:CHARADE
監督:スタンリー・ドーネン
原作:ピーター・ストーン、マルク・ベーム
ジャンル:★サスペンス/ロマンス

【あらすじ】離婚を決意してバカンスから帰ったレジーナは、夫の死と戦時中に夫が軍資金25万ドルを横領した事を知らされる。その上、葬儀に現れた三人の男が彼女を付け狙う。彼女はスキー場で知り合ったピーターに助けを求めるが…。

以前これのリメイクを観た時”陰気でつまらない映画”とインプットされてしまって、ずっとこのタイトルを見かけてもスルーしてました。オリジナルがあるって気付いてよかった!
やっぱりオードリー・ヘプバーン&ケイリー・グラントだと段違いですね。全体的にコミカルで気楽に観られるのに、最後まで緊張感があって目が離せません。大筋は知ってるし、直前に家族にネタバレされたのにも関わらず、初めて観た作品のように(いや、初めてなんだけどね)楽しめました。
人が何人も殺されている状況で、よく知らない怪しい男と仲良くするヒロインはのん気すぎるけど、シャレた会話やヘプバーンの魅力でかき消されてしまうのが凄いです。
でも、聞き逃したのか、冒頭で家財一式が売払われていた意味がよくわかりませんでした。
ちなみにタイトルの意味はフランス語で”ジェスチャー遊び”や”謎解き”のこと。タイトルからしてシャレてますね~。

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映画「夕陽のギャングたち」観ました

 | 西部劇  com(4) 
Tag:イタリア 

夕陽のギャングたち
製作:イタリア’71
原題:GIU LA TESTA
監督:セルジオ・レオーネ
ジャンル:★西部劇/ドラマ

【あらすじ】革命の動乱が続く1913年、メキシコ。子供たちと山賊として生きるフアンは、鉱山を目指す発破屋ジョンと出会う。すぐにメサ・ヴェルデ銀行襲撃を思いついたフアンは、強引に彼と手を組むのだった。だが、彼はアイルランド革命の闘士で…。

ちょっと長い作品なんですけど、主人公ふたりがすっごい魅力的で最後まで画面に釘付けでした。
コバーン演じる発破屋が格好いいのはもちろんのこと、一人だったら絶対に好きになれないフアンという悪党が彼と組む事で一気に魅力を増しています。もう彼らの友情が輝いちゃっているんですよ。
彼らが組む事になるまでのコミカル前半と、革命に巻き込まれていくシリアスな後半のギャップで戸惑ったり、発破屋の回想で一人の女性を共有している関係が謎だったりするものの、二人を観ていられるならそれくらい気になりません。
負けず嫌いのフアンが涙を見せるシーン、そして”ダイナマイトしか信じない”発破屋がフアンに「友よ」と言うシーンではボロボロ泣いてしまいました。豪快な爆破シーンもあって、久しぶりに西部劇を堪能した~!って感じです。
ちなみに原題の意味は「伏せろ!」、英題は「一握りのダイナマイト」です。

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第19回ブログDEロードショー「トワイライトゾーン/超次元の体験」

原題:TWILIGHT ZONE THE MOVIE
製作:アメリカ’83年
監督:ジョン・ランディス、スティーヴン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラー
開催:2011/5/20~5/22
トワイライトゾーン/超次元の体験
「たまさんのHR/HM シネマカフェ」のたまさんが選んで下さいました。
理由は、
自分自身が未見であり、みなさんと同じように楽しみたいから。子供の頃にTVで流れていたような気がしないでもないのですが、まったくそこらへんは覚えていないので。
この時期、あまり重い作品は選ばずに、ファンタジックな不思議体験をしてみたいから。
とのことです。

企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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映画「カントリー・ベアーズ」観ました

 | ミュージカル  com(4) 

カントリー・ベアーズ
製作:アメリカ’02
原題:THE COUNTRY BEARS
監督:ピーター・ヘイスティング
ジャンル:★ファミリー/ミュージカル/コメディ

【あらすじ】熊と人間が仲良く暮らす世界。人間の家族として育った子熊ベアリーは、養子と知りショックで家出する。やって来たのは、解散した憧れのバンド”カントリー・ベアーズ”のカントリー・ベア・ホール。だが、ホールが取り壊されると知り…。

気分が落ち込んでいたのもあったけど、ホント心から楽しめました。これぞファミリー映画の王道というありきたりな展開ではあるんだけど、登場するクマたちが今どき珍しいきぐるみってのが懐かし可愛い!
表情まで精巧につくっていて、”熊と人間が仲良く暮らす世界”という設定が違和感ないものになってました。
それに「カントリーベア」のことは観るまで何の事かわからなかったんですけど、ディズニーランドで歩きつかれた時に入る場所で、歌って演奏していたあのクマ達ですね。
アトラクションから映画化したものというと「パイレーツ・オブ・カリビアン」が真っ先に思い浮かぶけど、わたし的にこっちの方が断然好きです。ディズニーらしくミュージカルシーンもあって楽しいし、警官アホコンビの体を張ったベタなギャグもツボでした。悪役を演じるクリストファー・ウォーケンもかなりハジケてます(笑)
何より、彼らの音楽が最高!即、永久保存決定でした。
笑って楽しんで、最後にはホロリとさせる、家族で観るのにもってこいな作品です。

追記(2015/07/14)
やっぱり可愛いですね~。ベアリーの声はオスメント君がやってるらしく、愛くるしいクマのきぐるみの表情も相まって、癒されます。
内容はなんてことないんだけども、何気に伏線をしっかり張っていて、「お、ここでそれがくるのか!」と驚かされることも。上手く行き過ぎ感はあるものの、おバカなノリとゆるゆるなキャラたちをみてると許せてしまうんですよね。
そして旅を経て、「種族は違っても血が繋がってなくても、互いに思いやるのが家族なんだ!」と気付き、兄の方も、たとえクマでも弟は大切な弟なんだと気付くなど、ファミリー映画としてもちゃんとしてます。
一方、両親の方は、自分達がベアリーばかり可愛がるから、お兄ちゃんが拗ねて弟をいじめていると最後まで全く気付いてなかったものの、この映画を子供と一緒に観た親は「自分たちは子供を平等に愛せているかな」と振り返ることができるから、これはこれでいいと思いました。
音楽が良かったのはもちろんのこと、その見せ方も突然歌って踊るだけじゃなく、ストーリーの流れで自然に入るところも良かったです♪

映画「素直な悪女」観た

 | ドラマ  com(0) 
Tag:フランス 

素直な悪女
(2013/4/3に単独記事に直しました。こちらへのコメント等は過去記事にあります)
原題:...ET DIEU CREA LA FEMME
製作:フランス’56
監督:ロジェ・ヴァディム
ジャンル:ドラマ/ロマンス

【あらすじ】南仏サン・トロペーズ。モラン夫婦に引取られた孤児ジュリエットは、アントワーヌに想いを寄せていた。だが本気じゃないと知りショックを受ける。やがて、孤児院に帰されそうになったところを、アントワーヌの弟ミシェルにプロポーズされ…。

ブリジット・バルドーが素敵でした。ぜんぜん悪女じゃないというか、可愛くて自由奔放だから、嫉妬深いおばさま方に”ふしだら”というレッテルを貼られてしまった感じ。動物や子供と接している時の様子を見ると愛情に飢えているのがわかります。
彼女を”遊ぶにはもってこいの相手”みたいに言っていたアントワーヌも、母親が嫌っていた上に、いい縁談があったから自分の気持ちを否定しようとしているように見えました。ぜんぜんプレイボーイなところが描かれてないし、弟の嫁になってからは一生懸命拒絶してたし…。
ジュリエットはもちろん、弟といい金持ちのおっさんといい、心理描写が意外と丁寧で、BBを見せるためだけの作品というわけではないところに好感もてます。

映画まとめ感想

2013/4/2に「ヒトラーの贋札」を単独記事に直しました
2013/4/3に「素直な悪女」を単独記事に直しました

『ノー・マンズ・ランド:NO MAN'S LAND』

2001年、ダニス・タノヴィッチ監督
なんでこう連続で重いのをやるんでしょうか。コメディと聞いていたのでショックが大きかったです。日本人なら風刺劇って言ってよ!
共通の知り合いがいることがわかって笑いあっていたのを思い出すと、終盤は哀しくて悔しくて涙が滲んでしまいました。取り残された男の涙に胸が痛みます。
描きたいシーンがあったような気がしますが、打ちのめされたのですぐ録画を消してしまいました。いつか元気な時に再見したら描きたいです。

『許されざる者(1992):UNFORGIVEN』

1992年アメリカ、クリント・イーストウッド監督
面白い所もあったし風景もきれいでしたが、個人的には復讐うんぬんより、自分が根本的に変わってないと気付いた主人公と、父親が実は人殺しで自分たちを残して死んでいたかもしれないと感づいた(と思われる)子供たちが、あれからどうなったかが気になります。”商売で成功した”からなんなの?
あと、亡き妻を忘れられず娼婦と遊ぶ気になれないというシーンが何度かあるけど、奥さんへの最も酷い裏切りを現在進行形でやってるだろという感じ。奥さんがいないとホントだめなのね。

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映画「ヒトラーの贋札」観ました

 | 戦争  com(0) 
Tag:ドイツ オーストリア 

ヒトラーの贋札
(201/4/2に単独記事に直しました。この作品へのコメント等は過去記事に残ってます)
原題:DIE FALSCHER
製作:ドイツ・オーストリア’07
監督:ステファン・ルツォヴィツキー
原作:アドルフ・ブルガー
ジャンル:★戦争ドラマ/サスペンス

【あらすじ】第二次世界大戦の最中、ナチスは精巧な贋ポンド札の製造する”ベルンハルト作戦”を計画。ザクセンハウゼン強制収容所に、世界的贋作師サリーらユダヤ系技術者が集められる。彼らはユダヤ人でありながら破格の待遇を受けるが…。

実際はブルガーのようにあからさまに反抗したら即銃殺ですが、大筋は史実どおり。ゼラチンを質の悪いものにこっそり変えたのは別の人らしいです(笑)
主人公が原作者ブルガーではなく、サリーというのが興味深いですね。元犯罪者のサリーがコーリャとの交流を通して人間らしさを取り戻し、葛藤する姿がよく描かれてました。
ただ、ハンディカメラの映像はなんかわざとらしかったかな。
贋札を捨てて、ただ生きる喜びを分かち合うみたいに女性と踊るラストが印象的です。

映画「ミッシング(1982)」観ました

 | 社会派  com(6) 

ミッシング(1982)
製作:アメリカ’82
原題:MISSING
監督:コンスタンタン・コスタ=ガヴラス
原作:トーマス・ハウザー
ジャンル:★ドラマ

南米チリに滞在していたアメリカ人夫婦チャールズとベス。ところが、突然のクーデターでチャールズは行方不明に。彼の父親エドワードがやってくるが、息子は自分の意思で隠れていると楽観的だ。だが、現地のただならぬ様子に思い直し…。

主演がジャック・レモンだから明るいのを期待してたんですけど、冒頭からもう不穏な空気が漂っていて、そこでタイトルが”行方不明”だと気付きました。死体だらけの街に、直前に観た「ブレイブワン」の「人間は一線を越えれば簡単に人を殺せる」というセリフが頭の中でぐるぐる回る…!
のんきにアヒルを可愛がるチャールズの日常や、白馬が駆け抜けていく幻想的なシーン、聞く相手によって変わる状況を表現した映像や、チャールズを想うベスの回想。そんなシーンを観れば沈んだ気持ちも少し和らぐものの、捜せば捜すほど生存は絶望的だとわかってしまう二人を観ているのが辛かったです。
最初は真剣に心配しているように見えない父親も、危機感が募れば隠れていた息子への深い愛情が見えてきて、闘技場で呼びかけるところでは鼻の奥がツンとしました。普通に平和な場所で生活していたら、わが子がこんな恐ろしい事に巻き込まれてしまうなんて思わないものですもんね。ましてや、自分が信じていたものが背後に絡んでいるなんて…。
ラスト、怒りと悲哀を帯びた後姿が深い余韻を残します。

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映画「グローリー・ロード」観ました

 | 伝記/自伝/実話  com(0) 

グローリー・ロード
製作:アメリカ’06
原題:GLORY ROAD
監督:ジェームズ・ガートナー
原作:ドン・ハスキンズ
ジャンル:★ドラマ/スポーツ/伝記

1966年。テキサス・ウェスタン大学のコーチに就任した白人のハスキンズは、チームを立て直すために人種に関係なく有能な選手をスカウトする。彼の熱心な指導もありチームは成長していくが、南部にはいまだ人種差別がはびこり…。

アメリカで大学バスケット史上もっとも重要な試合と呼ばれる試合を描いた作品。スポ根ものとしても人種差別を扱ったものとしても素晴らしかったのですが、ちょっと地味だったのか日本未公開。もったいない!
”黒人はのろまでバスケなんてできない”と言いながら、内心では黒人の身体能力を恐れる白人たちがバスケットボール界を動かしていた時代に、純粋に強さを求めて迷いなくバスケ好きな黒人青年たちをスカウトするハスキンズは格好良かったです。彼自身バスケを愛しているから、同じ気持ちを持っている相手はすぐにわかるんでしょうね。”強いチームを作ることは、彼らの未来を切りひらくことにも繋がる”そう信じて突き進む姿に、彼のコーチとしての真剣さが伝わってきました。いろいろな理由で夢をあきらめていた黒人青年たちが、彼の熱心な指導に心を開いていくのも納得です。

また、スカウトされて南部にやってきた彼らが、初めて向けられた悪意にショックを受ける様子には考えさせられました。いつの時代もここで描かれているような差別はどこかで行われていて、それを知らない私のような人間は”過去のこと”だとぼんやり思っているんじゃないか…。根深い人種差別にぞっとします。
しかしながら、そんな差別への憤りをすべて試合への情熱に変えて望んだ決勝戦は痛快でした。観終わって、爽やかな感動を味わえる作品です。

映画「恋愛小説家」観ました

 | ロマンス  com(13) 

恋愛小説家
製作:アメリカ’97
原題:AS GOOD AS IT GETS
監督:ジェームズ・L・ブルックス
ジャンル:★ロマンス/ドラマ/コメディ

【あらすじ】脅迫神経症で毒舌家のベストセラー作家メルビンは、自分勝手な振舞いで皆に嫌われていた。しかし、強盗に襲われた隣人の犬を預かってから、彼の心に変化が現れ始める。そんな時、行きつけの喫茶店の店員キャロルが店を休み…。

久しぶりに再見したら、内容をいい具合に忘れていて思いのほか楽しめました。ジャック・ニコルソン主演の作品というと「恋愛適齢期」も良かったけど、やっぱりこれが一番好きかも。
誰に対しても、口を開けば嫌味が飛び出してしまうメルビン。脅迫神経症ということで目に入るものすべてにイライラしてしまうんだろうけど、それを”他人を近寄らせない”ことで乗り切ってきたんでしょうね。にしても、ここまで憎たらしい奴になってしまったのは、そこそこ金と名声があるからでしょうか。貧乏なら石鹸を一回使っただけで捨てるなんてやりたくてもできないですし、もうちょっと妥協せざるを得ない環境なら違っていた気がします。
また、嫌々預かった犬と瞬く間に強い絆で結ばれてしまうエピソードでは、彼が案外愛情深い寂しがり屋だとわかり、一気に好感度が上がってしまいました。どんなに酷い言葉が飛び出しても、”本気じゃないんだ”と、つい彼を庇いたくなったり。父親が病的な完璧主義者だったこともあり、憎たらしいけど可哀そうに思えることもありました。

そんな彼が、四苦八苦しながらキャロルを追っかける様子は面白いし、頑張れ!と心の中で必死に応援してしまいます。
ちょっとヒステリックなシングルマザー・キャロルと、同情を誘うほど散々な目に遭う隣人サイモンもよかった!彼らでなければここまで面白くならなかったと思います。
ラストの告白と、早朝のパン屋に二人で入る姿は何度観ても素晴らしいですね。
原題の意味は”良くなり得るであろう最高の”だそうです。

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映画「海外特派員」観ました

海外特派員
製作:アメリカ’40
原題:FOREIGN CORRESPONDENT
監督:アルフレッド・ヒッチコック
ジャンル:サスペンス

【あらすじ】1939年、戦争防止同盟の主要人物ヴァン・メアに会うため、ヨーロッパに派遣された米国記者ジョーンズ。だが、メアは彼の目の前で射殺されてしまう。犯人追跡の果て、彼はナチに誘拐されたメアを発見し…。

いやー、随分放置していたけどやっと再見できました。「スパイ」という単語を聞いただけで何故か9割は観る気が失せてしまう私としては、かなり楽しめた作品です。
相変わらずヒロインが主人公のどこに惚れたのか理解できませんが、ヴァン・メアが撃たれてからの目まぐるしい展開には手に汗握りました。前回はちょっとついていけないところもあったけど、今回は途中で誘拐でっち上げた男がどこの誰だか思い出せなかっただけだし!(ダメじゃん!)
とくにハラハラドキドキ楽しめたのは、風車小屋のくだりと飛行機が海に落ちるシーン。何度観てもいいですね。
そして、言葉が通じないけどなんか仲良くなった(?)ラトビア人もお気に入り。ちょこちょこ出てきて、主人公たちの恋を温かく見守ってるような眼差しを送ってくるのが和みます。主人公たちはそれどころじゃなかったりするんだけど(笑)
あと、どうでもいいけど”ヴァン・メア”っていう言葉の響きが好きだなー。
ラストのプロパガンダは思いっきり付け足しっぽいですが、これはもうDVDの特典映像とかにした方がいいんじゃないですかね。あんまり好きじゃないです。
ちなみに、原題の意味はそのまま「海外特派員」。

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3DS「nintendogs+cats」その後

 | ゲーム  com(4) 
Tag:にゃんこ 

*いちおうネタバレ注意!*
最近忙しかったのでちょっとサボりぎみだったこのゲーム。
餌はちゃんとやって散歩をサボってたら、吉丸が”やせぎみ”から”ふとりぎみ”に変わってました(笑)
しかも、芸の練習もあまりやらなくなって、「おすわり!」って言ってもこんな状態…。
きちまる
可愛い…!ぽっちゃりおバカ路線で育てようかな。

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映画「私がクマにキレた理由(わけ)」観た

 | コメディ  com(8) 

私がクマにキレた理由(わけ)
製作:アメリカ’07
原題:THE NANNY DIARIES
監督:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
原作:エマ・マクローリン、ニコラ・クラウス
ジャンル:コメディ/ドラマ

【あらすじ】就職試験で”自分はどんな人間か”説明できず、セントラルパークで途方に暮れていたアニー。そんな時、事故に遭いかけた少年グレイヤーを救う。セレブの母親に名前を聞き間違えられ、彼女はナニーとして雇われることになるが…。

わりと忍耐が必要な作品でした。
黒髪(茶髪?)のヨハンソンはわたし的に可愛くてよかったんですが、コメディなのにあんまり笑えないんですよね。とにかくグレイヤー少年の両親が酷くて、あの自分勝手なふたりを見ているだけで荒んだ気持ちになってしまいます。
主人公がナニーということで「メリー・ポピンズ」を意識したファンタジックな演出、人類学専攻だったということで現代人を博物館の展示のように紹介したりする楽しげな演出もありますが、あの冷え切った家庭の重苦しさは軽減できてなかったかも。

また、アニーの母親が看護婦だという設定をあまり活かせていなかった気がします。ミセスXがいくら母親として信用できないからって、食事の指示はきちんと聞いたほうが良いと思う。アレルギーで死ぬ事だってあるんだし。全体的に、ナニーとしての自覚が足りないから、見ていてしばしば不安になりました。
それと、アニーの恋愛に時間を割くより、グレイヤーや(アニーの)母親とわかりあう過程を丁寧に描いた方が説得力が増したかな。

でも、それらの鬱憤を最後の最後で感動に昇華してくれました。アニーが私たちの気持を代弁して、”クマにキレて”くれるんですよね。スカッとしたし、ジーンときました。
グレイヤーの笑顔が見られてよかった♪

映画「シリアの花嫁」観ました

シリアの花嫁
製作:イスラエル・フランス・ドイツ’04
原題:THE SYRIAN BRIDE
監督:エラン・リクリス
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】イスラエル占領下のゴラン高原、マジュダルシャムス村。そこで暮すドゥルーズ派の人々は、シリアへの帰属意識から無国籍を貫いていた。そんな中、境界線の向こうへ嫁ぐ日を迎えた花嫁モナは浮かない顔をしていて…。

忙しいのもそろそろ終わりそうですが、疲れてるので難しいことは省いてサクっと感想いっちゃいます。
とにかく、花嫁モナの姉アマルが格好いい!
自身も家庭の問題を抱えていて、ひとりの時に泣いていたりするんですが、何よりも家族の絆を大切にしています。モナが笑顔で嫁げるように、バラバラになった家族をひとつにしようと奔走するんですね。
というか、家族の絆をかろうじて保っていたのは彼女だったようで、ロシア人と結婚して絶縁状態にあった弟とも手紙のやり取りを続けていました。一人で泣いていたアマルのもとへやってきて、どうしてここがわかったのかという問いに、アマルの手紙の一節を諳んじる弟ハテム。僕もこの手紙が支えだったと語るシーンは涙腺が緩みます。
手紙という家族の絆が心の支えとなり、彼らが挫けず頑張れたように、モナにも強く生きてほしいから”決して消える事のない家族の絆”を感じさせてあげたい。そんな想いが伝わってきました。

やがて、アマルの頑張りも報われ、しきたりやプライドに縛られていた父親はハテムの肩を抱いて和解。家族の強く温かく絆に、モナの表情にもアマルのような凛とした強さが…。
ラスト、一人でシリアに向かって歩きだすモナの姿と、”希望”という意味の名を持つアマルの笑みが深い余韻を残します。

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