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素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「カムバック!」観ました

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Tag:イギリス 

カムバック!
原題:CUBAN FURY
製作:イギリス’2014 98分
監督:ジェームズ・グリフィス
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】元天才少年サルサダンサー、ブルースは決勝直前に起こったイジメ事件をきっかけにサルサと決別する。25年後、冴えない太った中年サラリーマンとなった彼は、赴任してきた美人上司ジュリアに一目惚れ。彼女がサルサに夢中だと知り、これは運命だとサルサを再び踊る決意をし…。

元サルサの天才少年ダンサーだったブルースが、恋をきっかけに過去のトラウマを乗り越えて、中年太りにも負けずサルサの情熱を取り戻すお話。
恋がきっかけというのが可愛いんですが、一生懸命頑張ったのに彼女とはダメだったということになっても、サルサと仲間たちのおかげで立ち直れるという流れがとても好きです。
きっとサルサを頑張っていなかったら、彼女に選んでもらえなかった自分はダメ人間だと凹んでたと思います。でも、今の彼はサルサを踊ることができて、他人に評価されなくても自分自身を評価できる。それに妹や恩師、友人たちがいて、嫌な同僚をサルサでぎゃふんと言わせることができた。それで十分だし、成功がゴールという描かれ方ではないんです。
いちおう最後は恋もダンスも成功することがわかるんですが、ほとんどオマケのような描かれ方で、まさに「成功がついてきた」という感じ。本編ではやっと彼女と同じステージに上がれたという段階までで、ハリウッド映画のようにキスで終わらないんですよね。

だいたい、一番印象に残るダンスシーンが女性との色っぽいサルサではなく、駐車場で同僚とのダンス対決って(笑)
このダンス対決が本当に最高で、ギャラリーがいないから判定をどう行っているのか分からないにもかかわらず、二人の間ではしっかり攻守や優劣がわかっていて、見ている方もなんか納得できてしまいます。
あの巨体で華麗な足さばき、そしてリフトなどの技を駆使して決闘シーンを演出しており、バック転した時なんて「おぉ!」と声をあげてしまいました。もうこのシーンだけで永久保存決定ですよ。
途中で通り過ぎた車のドライバーに「なんだこいつら…」という白い目で見られるという笑いも忘れずに入れてきて、見ごたえある決闘でした。

あと、「男がサルサなんて」と引き気味だった友人と楽しそうに練習をするところや、ゲイっぽいサルサ仲間との友情もほっこりできて楽しかったです。かつてのサルサパートナーである妹と超仲良しなところも微笑ましいし。
気分よく見られる、かなりとっつきやすい部類のブリティッシュコメディでした。

映画「ハート・オブ・ウーマン」観た

ハート・オブ・ウーマン
原題:WHAT WOMEN WANT
製作:アメリカ’00 127分
監督:ナンシー・マイヤーズ
ジャンル:★コメディ/ロマンス

【あらすじ】シカゴの広告代理店に勤める自信過剰男ニックは、新しく来たやり手の女性ダーシーが自分の上司になりショックを受ける。その夜、感電事故を起こした彼は何故か女性の心の声が聞こえる様に。始めはそれを利用するニックだったが…。

女性の心がわかるようになる軽めのドタバタコメディで、面白かった覚えがあったので再見。たぶん私が最初に観たメル・ギブソン主演作品なのもあって、彼と言えばこの作品か「リーサル・ウェポン」の印象です。
全体的にコミカルで楽しめました。女好きで自信過剰な男をメル・ギブソンが好演していて、とくに女性の声が聞こえるようになったばかりの「もうやめて!」という様子が面白い。前方から大勢の女性たちが走ってくるシーンとか、雌犬の気持ちまでわかるところとか(笑)
彼がモテてると勘違いしてたのは、手当たり次第に声をかけていたから都合のいい女が引っかかっていたというだけなんでしょうね。男性から見てもクズなので、彼が女性たちに(心の中で)こき下ろされていても嫌な気分にはならないと思います。

あと父娘のエピソードがとても私好みで、初見時はここが気に入ったんだと納得でした。
離婚して娘のことなんて放置していた主人公が、娘のアレックスの心の声を聞いて初めて父親の自覚が芽生え…というエピソードなんだけど、たぶんロマンスを削ってこちらをメインにしても十分面白くなっていたと思います。プロムのドレス選びとか、父親らしくしようと頑張って失敗するところは微笑ましいし、娘のピンチに駆け付けて父娘の絆を取り戻すくだりは感動的。
でも別にロマンス部分が詰まらないわけでもなく、彼がダーシーに惹かれて変わっていくという流れは説得力あったと思います。やり手のキャリアウーマンが内心では不安や孤独を抱えていて、精一杯強がっているんだとわかればギャップ萌えするよね。あと、仕事を心から愛してるところも素敵だし。
ただ、何をやろうとしても主人公に持っていかれた彼女が、不審感よりも同じ感性を持つ相手に出会えた驚きと喜びが上回ってしまうところはあまり共感できませんでした。ほぼ同じイラストを描いてくるとか、もはやホラーじゃない?(笑)

さらに、自殺願望のある影の薄い職場の女の子エリンのエピソードも印象的だから、ロマンス部分の印象が薄くなってるんですよね。自殺なんかとはまったく縁がない自信満々な主人公が、ふと「私が死んでも誰も気付かない」とか耳にしてギョッとするんですよ。たぶん、感電死しそうになった彼がこんな能力に目覚めたのも、彼女を救うためだったんじゃないかな?
ダーシーのことや娘のことがあるなか、エリンのもとへ駆けつけた時に元に戻ったし。
能力を失ってからもエリン、アレックス、ダーシーを一人の人間として、そして女性として扱っているところを見せることで彼成長がわかり、これからも大丈夫だなと安心して観終われました。

しかし、転機となったカウンセラーさんが結構面白かったのに、1回しか出てこなかったのが残念です。ちょくちょく相談に乗ったり、心理学の研究に協力したりしそうな流れだったのに…。イラストは、カウンセラーに言われて「この能力を活用すればすごいことができるぞ!」と閃いたシーン。
原題の意味は「女は何を望むか」で内容に合っているものの、なんだか堅い印象なので邦題の方が好きです。序盤に女性用製品(ストッキングや脱毛ワックス)を試すくだりがあるので、文字通り心が女になっちゃうのかと勘違いしそうですが(笑)

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「ホリデイ」観た

映画「男性の好きなスポーツ」観た

男性の好きなスポーツ
原題:MAN'S FAVORITE SPORT?
製作:アメリカ’64 120分
監督:ハワード・ホークス
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】釣りの入門書を書いてベストセラー作家となった釣道具の敏腕セールスマン・ロージャーは、ある日、ワカプーギー湖で催される競技会に社長命令で出場することに。だが、実は彼にはどうしても出場したくない理由があった。主催者側の女性イージーとアビーの協力で彼はなんとか大会に臨むが…。

好きですねー。前半で主人公がバイクでこけて、そのバイクを森の熊さんが乗り回すシーンからもうハート鷲掴みでした(笑)
大筋としては、主人公が隠し事をしていて、ヒロインと共にバレないように四苦八苦してるうちに恋が発展していく定番のラブコメ要素もあるコメディです。

でも、時々トゥーンアニメみたいなお茶目な表現方法が入って、それが妙にツボに嵌っちゃったんですよね。救命胴衣もどきの胴付き長靴を使ったらひっくり返って溺れそうになったり、陸に上がって逆上がりをしたら水と一緒に小魚が出てきたり、釣りに夢中になってたら背後から熊がやってきて水面を走って逃げたりと懐かしきコミカルな演出満載です。

また、冒頭のヒロインとのトラブルや、ファスナーが引っかかって婚約者に勘違いされるといったラブコメらしいシーンも楽しく飽きません。
大爆笑だったのが終盤のキスシーンに流れるイメージ映像。煙をガンガン出して「ポッポー!」と突進する2台の汽車が、正面衝突する映像が映るんですよ。家族そろって大笑いでした。

観る前は「だっさいタイトル!」と思っていたら原題も邦題と変わらなかったし…。しかも、ハワード・ホークス監督じゃないですか。そういえばヒロインが勝手に主人公のベッドで寝てしまうシーン、見覚えがあると思ってたら「ハタリ!」でもありましたね。
ラストの決着のつけ方も後味が良く、思いがけずお気に入り作品になりました。

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「ハタリ!」観た

映画「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」観ました

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ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン
原題:BRIDESMAIDS
製作:アメリカ’2011 125分
監督:ポール・フェイグ
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】開業したケーキ店がつぶれた上、恋人にも捨てられ人生最悪の日々を過ごしていた30代独身のアニー。そんな時、大親友リリアンが結婚することになり、彼女はブライズメイドのまとめ役を頼まれる。だが、ブライズメイドのひとりヘレンがライバル意識をむき出しにしてきて…。

お下品なところもあるけど面白くて最後はジーンとして、明日も頑張ろうと思える作品でした。
前半はとことん主人公アニーの痛々い様子を描いていくんですが、それと同時にリリアンとの仲の良さもしっかり描いているので、嫌々ながらもヘレンと一緒に行動するアニーの健気さとか、親友を奪われたくない気持ちが伝わってきました。序盤のエクササイズ教室にこっそり参加してる二人とか微笑ましいですね~。
そこからの、アニーとヘレンが張り合ってリリアンを讃えるスピーチをするエピソードや、式場やサプライズのアイデア、飛行機での酔っ払い事件など、どんどんエスカレートしていく”リリアンの親友の座”を賭けた戦いが面白かったです。
ヘレンはセレブで美人で器用なのに、なんでここまで張り合うんだろうと思っていたら、終盤で打ち明ける事実に納得。お金持ちで美人だからって幸せとは限らないよね。性格もあれだし…。

また、交通違反がきっかけで出会った警官とのロマンスも不器用な感じが良かったです。臆病になって彼の優しさを踏みにじってしまったり、逃げ出してしまったり。ただでさえリリアンやヘレンのことでいっぱいいっぱいなのに、さらに恋のことで混乱してるわけにはいかないというのもあったと思います。
そんな彼女に振り回される警官さんもいい人感がにじみ出ていてよかった。謝られても簡単には許せない(とても傷ついた)ところも好感持てたし、何より「ブレーキランプが直ってないのを見るたびに猛烈に腹が立つ」という警官らしい一言が素晴らしい。警官の格好をしているだけの役じゃなくて、悲惨な交通事故を見て心を痛めてきた一人の人間だと思えました。

そして、予想外にいいところを持って行ったメーガンの喝もよかったですね~。何もかもが上手くいかなくて独りぼっちになってしまったところに、親友じゃないかと当然のように現れるんですよ。カッコいい!!
現在の彼女からは想像もつかない昔の話と、ストレートな「人生と戦え!」という言葉がグッときました。
で、奮起したところでトラブルが発生してヘレンと和解。警官さんに手助けしてもらおうと一生懸命目の前で小さな交通違反を繰り返すところがキュート!
このヒロインを演じるクリステン・ウィグさん、あまり知らないけれど輝いてました。
落ち込んだ時に見たくなる良作だったと思います。

映画「キンダガートン・コップ」観た

キンダガートン・コップ
原題:KINDERGARTEN COP
制作:アメリカ’90 111分
監督:アイヴァン・ライトマン
ジャンル:★アクション/コメディ

【あらすじ】ロス警察の敏腕刑事キンブルは、麻薬密売組織のボス・クリスプを有罪にするため、彼から逃げた妻の証言を得ようと考える。彼女が潜伏するボストン郊外へ赴いた彼は、ひょんなことから彼女の息子が通っているという幼稚園に潜入することになり…。

序盤でタフな刑事のキンブルさんをしっかり描いているので、幼稚園の先生になってからのギャップが際立ってました。
最初は厳しすぎて泣かせてしまったりするんだけども、ペットのフェレットを使ったり警察学校ごっこを始めることで、なんとか子供たちをまとめていきます。訓練しながら子供たちが笑顔で競い合うようにる様子が微笑ましく、ちゃんと子供の体力や集中力に合わせてメニューを組んでるらしいキンブルさんの器用さに感心しました。
園長先生も褒めてたように天職だったのかも。…そういえば、序盤でも食あたりを起こした相棒をしっかりサポートしてました(笑)
ボスの息子探しもかねて園児たちを気に掛ける様子が先生らしかったし、DV夫をぶん殴るシーンはスカッとします。ドミニクとの交流も心温まりました。

でも、一番のお気に入りは相棒の女刑事ですね。マイペースで食べることが大好き。そして恋のサポートもお手の物!
この人、登場時はできる女刑事なのかと思ったら、仕事と同じくらいプライベートを満喫してて、捜査中なのにフィアンセといちゃこら。かといってダメな人でもなく、最後には良いところを持っていってくれました。きゃー、カッコいい―!
子供たちの演技も素晴らしいし、シュワちゃんは食われ気味だったかも?

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映画「名探偵登場」観た

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名探偵登場プチ
原題:MURDER BY DEATH
製作:アメリカ’76 94分
監督:ロバート・ムーア
ジャンル:コメディ/ミステリー

【あらすじ】億万長者ライオネル・トウェインから招待状を受け取った、ミロ・ペリエ、サム・ダイヤモンド、ジェシー・マーブル、シドニー・ワン、ディック・チャールストンら5人の探偵。北カルフォルニアにある豪邸に続々と到着するが、彼らを待ち受けていたのはある挑戦だった。

うっかり先に観てしまった続編よりは楽しめたものの、傑作と言われるほどでもなかったような。まあ、ミステリーにそこまで詳しくないので、半分くらい元ネタがわからないのが大きいか。
それに、大笑いするタイプではなく、ニヤニヤしてしまうタイプの笑いなんでしょうね。
色々おふざけが入って失笑することも多かったけど、登場人物がどれも個性的で見分けやすかったのは助かりました。みんな楽しそうに演じていたし。
元ネタが分かったのはポワロさんとミス・マープルくらいで、後から調べてピーター・フォーク演じる育ちの悪い探偵が「マルタの鷹」の主人公だと知りました。「マルタの鷹」なんてもう覚えてないや…。
他の二つはまったく知らなかったし(でも一番好きなキャラは夫妻)、胡散臭い中国人の仮装も酷かった。
面白かったのは、チャイムが悲鳴で本物の悲鳴をチャイムと勘違いするところや、剣が天井から落ちてきて「育ちが良くて助かった」と言ってる横で、ピーター・フォークが素直に「俺だったら死んでた」と言ってるところくらいでしょうか。他にもフフッと笑うことは何度かありました。

しかし、最後のミステリー作家への文句は、元ネタの探偵たちの作品がそれに当てはまるんですかね?
アガサさんなんて登場人物二人も元ネタにされていて、ちょっと可哀想です。ドラマを観ていて確かに「う~ん…」と思うことは数回ありましたが、あれだけの数を書いていて数回なら別にいいじゃない。傑作だってあるのに。
もし、元ネタの作品は関係なく、世にあふれる三流ミステリーへの文句だったとしたら、彼らに言う意味が分からないし…。
事件の真相も中途半端にしか明かされず、色んな意味でモヤっとしました。

映画「おいしい生活」観た

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Tag:ウディ・アレン 

おいしい生活
原題:SMALL TIME CROOKS
製作:アメリカ’00 95分
監督:ウディ・アレン
ジャンル:★コメディ/犯罪/ロマンス

【あらすじ】少し間抜けな泥棒レイは、銀行の二つ隣の店が売りに出されているのを見て、地下からの銀行強盗を思い立つ。カムフラージュのため妻フレンチーがクッキー屋を始めるが、思いがけず店が大繁盛してしまい…。

たぶんウディ・アレン監督の名前を覚えた作品ですね。この作品で彼の作品をもっと観てみようと思って、他のはわりと毒があって「あれ?」と思ったような。
再見してみるとなんてことない作品だったけど、それでも大好きです。
何が好きって、トンチンカンなことばかりやってるレイとフレンチーが、可愛くて憎めないんですよ。

レイはどうみても泥棒の才能なんてないし、奥さんが巻き込まれるのも気にしないでスリルを求めるあたりダメ夫すぎるんですが、金持ちになっても今まで通りの生活を好み、上流階級の人々になんと思われようが構いません。
でも、フレンチーが遠い人になってゆくのだけは寂しくてたまらない!
そんなだから、久しぶりのファーストフードに感動する様子や、泥棒計画で目を輝かせる姿などをみてしまうと、フレンチーが彼に愛想を尽かさなかったのもわかる気がしてしまいました。

夫のしょうもない計画に振り回され、文句を言いながらもしっかり自分の役割は果たす健気なフレンチー。手作りクッキーでお客を虜にしたり、上流階級の仲間入りをしようと必死に勉強するところが大好きです。
傍から見たらドン引きレベルの滑稽さなんだけども、生まれ変わるため前向きに頑張る姿を見たら、やっぱり憎めないんですよ。それどころか応援したくなってします。
ヒュー・グラントが演じるインテリ男が嫌な奴で、よけいにフレンチーの単純さや裏表のなさに目が行くのかも。
そして、なんだかんだでラブラブな夫婦の、彼ららしい顛末もよかったです。
思い出の鍵開け技術や、成金生活で身につけた鑑定眼など、何気に成長しているフレンチーが素敵♪

ちなみに原題の意味は「三流の泥棒(ペテン師)たち」で、邦題は原題とは似ても似つかないけども、おいしいクッキーから始まったおいしい儲け話、そして彼らにとっての本当のおいしい生活がこれから始まるんだということで結構合ってるんじゃないでしょうか。少なくとも、初見ですぐ内容と結びついて忘れなかったので、私にとっては良い邦題だったと思います。

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映画「殺人カメラ」観た

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Tag:イタリア 

殺人カメラ
原題:LA MACCHINA AMMAZZA CATTIVI
製作:イタリア’48 83分
監督:ロベルト・ロッセリーニ
原作:エドゥアルド・デ・フィリッポ、ファブリッツィオ・サランザーニ
ジャンル:コメディ

【あらすじ】イタリア南部アマルフィ海岸の小さな漁村は、網元や流通業者、高利貸し、村長らによって牛耳られていた。気立てのいい写真屋のチェレスチーノは、老人に親切にしたところ”写した相手を殺す秘術”を授けられてしまう。恐れおののきながらも、老人が聖アンドレアだったと思うようになる彼だったが…。

<ややネタバレあり!>
イタリア・ネオリアリズムにそぐわないB級感あふれるタイトルが気になったので観てみました。…うん、これ「DEATH NOTE」だわ(笑)
もちろんストーリーは全然違うんですけど、人を殺せるアイテムを怪しい爺さんにもらって、最終的に独断で処刑を始めてしまう主人公というところがデスノートでした。
ルールとしては、1・標的の姿を写し取れれば被写体は写真でもよい。2・一部分でも映っていれば死ななくても呪いの影響が現れる。3・標的は写真に写ったポーズのまま死亡。
この3番目のルールがコメディ要素になってて、突然変なポーズで動かなくなったり、固まって戻らないから棺おけを特注したというくだりは不謹慎ながら笑ってしまいました。
ただ、主人公が暴走するまでがダラダラしていて盛り上がらないし、サスペンス要素はほぼ無くて、最後までゆるゆるです。肝試し企画とかで観てたら退屈してたでしょうね~。

しかし、今回はネオリアリズム作品を見る企画。どこがどうネオリアリズムなのか考えながら観ることができました。
舞台となる貧しい漁村には、主人公と同じく多くの貧しい人々と、それを仕切って搾取する一部の裕福層がいます。この金持ち連中が自分のことばかり考えている奴らばかりだし、不満を抱える貧しい人々もチャンスさえあれば他人を出し抜きたいと思っている。悪人が一人減っても、別の人間に取って代わるだけ。
じゃあどうするかというと、悪人と一緒に生きていくしかないという超現実的な結論に。物語としては「チャンチャン♪」と聞こえてきそうな顛末になってますが、教訓は得られるから寓話としてはOK。つまるところ善も悪も極端はダメってことですね。悪魔は誰の心にも忍び寄るものだから、こつこつ善行を積み、良く考えて行動しなさいという教訓でした。
いかにも寓話の世界というオープニングや、十字の切り方を教えるくだりもよかったです。

ちなみに、原題の意味は直訳で「悪人を殺す機械」かな。邦題だと無差別っぽいですね。
正直、退屈してる時間も長かったけど、ロッセリーニの珍しいブラックユーモアは一見の価値ありだと思います。

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映画「異人たちの棲む館」観ました

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Tag:イタリア 

異人たちの棲む館
原題:MAGNIFICA PRESENZA
製作:イタリア’2012
監督:フェルザン・オズペテク
ジャンル:★コメディ/ドラマ

【あらすじ】ローマの高級住宅地に格安アパートをみつけ、一人暮らしを始めた俳優志望のピエトロ。夜はパン屋で働き、夢の新生活に思いを馳せながら部屋の改装行うピエトロだったが、実はそこには先住者がいて…。

これはよかったですね~。gyaoはたまにこういう良作を発掘してくれるから好きです。地味ながら、コミカルでファンタジックで胸があったかくなるような私好みの作品。ゲイの主人公が受け付けないという人以外なら楽しめると思います。ホラーみたいな邦題だけど、怖くはないよ!

まず何が良いって、主人公ピエトロと借家の先住者たちが、愛すべきキャラクターになっているところでしょう。
ピエトロはゲイと言っても恋人いない歴=年齢という感じで、情熱は秘めてるけど上手く伝えられないタイプ。思いがけず先住者と出くわしても、押しが弱くて追い出せません。
しかも辛抱強い上に根が優しいから、いつの間にか彼らを受け入れてしまうんですね。
一方、その先住者というのが実はとある劇団の俳優たちで、どことなく「アダムスファミリー」に似た雰囲気。とくに、小太りな少年とダンディなヒゲの紳士、古風で品のある恰好をした団員8人がずらっと並んでいると、どこか懐かしさを感じます。

でも、あそこまで浮世離れした人たちではなく、主人公が怯えれば落ち着かせようとするし、失敗すればやんわり助言、オーディションに行く前にはみんなで演技指導までしてくれる気さくな人たちです。
ずうずうしいところもあって、居候のくせに練習の邪魔をしないでくれと言ったり、家を「ネズミの巣」呼ばわりしたり、ピエトロが欲しがっていた激レアなカード(イタリアの歴史上の偉人が描かれた実在するカード)をパクッたり…。
でも、いつの間にか彼の孤独を癒してくれる存在になっていくんですね。

とくに、ピエトロが彼らを受け入れるきっかけとなった詩人が面白かったです。夜、自室で寝ている主人公の顔をジッと見つめるという一歩間違えば変質者な人で、目覚めたピエトロに「私が画家なら、あなたの輝かしい寝顔を絵にできるのに…」とか、代わりに歯が浮くような詩でその寝顔を讃えたりするんですよ(笑)
ロマンティックすぎて聞いてるだけで恥ずかしいわっ!
まあ、初な主人公はそれですっかり気を許しちゃうんですけどね。それから進展するわけではないものの、彼のおかげで気持ちを切り替えられたのは確かです。

そして、彼らとの交流のなかで変わっていく主人公が、内面的な成長はあっても、一朝一夕で成功を掴むようなご都合展開がないのも良かったです。
まあ、俳優を目指すゲイの主人公が、名一座の団員&ゲイの詩人と出会うこと自体がご都合主義だと言われればそうなんですが、そこはすんなり運命と思えました。

以下、ネタバレあり!
あと、何気に台詞が良いんですよね〜。印象に残るフレーズだったり、哲学的だったり。
殴られて倒れていたオカマの人を手当てするエピソードも素晴らしかった…。
団員の一人が「何の役を演じてるんだ?」と尋ねると、「ただ自分を演じてるだけ。リアルな虚構が一番自然なの」と深いお言葉。このやり取りは、彼らの合言葉「虚構だ、虚構だ」「虚構ではなく現実だ」というのにもかかってるのかな?
最初は不思議な居候の存在を「よい孤独撃退法ね」と言っていた彼女が、帰り際には「こんな私が自分を信じてるんですもの。幽霊ぐらい」と見えない彼らの存在を完全に認めてくれるのが素敵。
主人公のいちばんの親友である女性(親戚)はまったく信じてくれなかったからね〜(当然だけど)

後半、頼まれた人探しを始めてからはコミカルさは薄れ、彼らの人生が垣間見えるドラマが展開されます。
過去と戦争の傷跡、そして大きな希望…。インターネットの向こう側でも、元気な姿が見られただけでどんなに嬉しかったことか…。
ラスト、束縛するものがなくなり外に出てからは、台詞がなく微笑みあうだけで気持ちが通じ合うように描かれているのが良かったです。
ピエトロに連れられてやってきた場所で、幽霊たちは彼のために演じます。

エンドロールではそれを観るピエトロの顔のアップだけが映されるんですが、劇に対する反応と、彼らとのこれまでの時間を振り返るような表情が繊細に表れ、感動で胸が一杯なのが伝わってきました。
これでお別れだったとしても、きっと彼らと過ごした掛け替えのない時間は彼の中でずっと息づいて、将来立派な俳優になるだろうと思えます。
あと、ご近所さんの青年との恋の予感もあったし、仲良しの親戚もたくましく生きていくでしょう。

ちなみに、原題は「素晴らしき存在」という意味。邦題はまあアノ作品を意識してるのかな。知ってる人にはネタバレな邦題だけど、そもそも映画情報サイトなどを見ると、彼らが幽霊だという事まであらすじに書いてあるからね…。
知っていても十分楽しめますが、どうせなら知らないまま観た方がいい気がします。

映画「ブロードウェイと銃弾」観ました

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Tag:ウディ・アレン 

ブロードウェイと銃弾
原題:BULLETS OVER BROADWAY
製作:アメリカ’94
監督:ウディ・アレン
ジャンル:★コメディ/ドラマ

【あらすじ】1920年代のブロードウェイ。新作の上演が決まって浮かれていた劇作家デビットだったが、スポンサーについたのはマフィアのボスだった。彼に演技力ゼロの愛人オリーブを押しつけられ、自分の脚本にケチをつけられる毎日に爆発寸前。だが、そんな彼を主演女優のヘレンは慰め…。

これは面白かったです。アレンの作品はどんなのがあったのかパッと思い浮かばないけども、今まで見た中でもかなり面白かったと思う。個性的なキャラクターたちの会話は聞いていて飽きないし、これから彼らや舞台がどうなっていくのか先が読めず、ワクワクします。
とくにオリーブのボディガード・チーチの秘めた才能には驚かされました。生まれが違えば彼の人生もまったく違ってたかもなぁ。デビットとの奇妙な友情も面白くてグイグイ引き込まれました。
彼の登場により、主人公デビットが色んなことに気付いていくのもいいですね。
彼が心酔するヘレンという女優は、彼が扱いやすいと見抜いた上で地味なこの役を引き受けたんだけども、新しい脚本には本当に心を掴まれて、つい前の脚本に対する本音がポロリ。
今まで色仕掛けで巧みに彼の心を掴み、やんわりと要求を伝えてまるで彼自身が自分で決めたように仕向けていたから(これが手練手管か!)、その本音でデビットの目が一気に覚めるんですよ。
他の人たちからも、今までの脚本に対する本音がどんどん出てきて、すっかり自信を失い、男として好かれていたのか、アーティストとして好かれていたのかわからなくなって苦悩します。

一方で、ものすごい存在感を発揮するオリーブがいい味出してました。彼女の顛末にはまったく同情できないどころか、ほんのりスカッとしたほど(笑)
これだけ憎たらしいキャラなのに、ボスは彼女のことが大好きなんですよね~。気が利かないとか、役立たずだと罵られたり、浮気されたりしたのに。
その浮気相手が過食症の俳優で、公演が近づくにつれてつまみ食いが止まらなくなるのが面白い。ついには犬のおやつまで盗る始末で、小心者のくせにマフィアの愛人に手を出す意思の弱い男。
よく考えると、ボスも浮気相手もチーチもオリーブの犠牲者かも。何気にファム・ファタールってやつ?

NYでの舞台が大成功して、裏でのごたごたが勘違いで絶賛されてるのが皮肉。ここがタイトルにかかってるんですね。
主人公が最後に何を選ぶのかも良かったし、内幕ものとしても楽しく、映画を見たという充実感が得られました。なんとなく舞台が先かなぁと思ったら逆で、後に監督自ら脚色してミュージカル化されたみたい。
それをまた映画化とかしないかな。

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映画「しあわせの雨傘」観ました

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Tag:フランス 

しあわせの雨傘
原題:POTICHE
製作:フランス’2010
監督:フランソワ・オゾン
原作:ピエール・バリエ、ジャン=ピエール・グレディ
ジャンル:★コメディ/ドラマ

【あらすじ】1977年フランス。雨傘工場を経営するロベールの貞淑な妻スザンヌは、優雅な毎日を送りながらも満たされずにいた。そんなある日、工場でストライキが起こるもロベールが心臓発作で倒れ、彼女が経営を引き継ぐことに。彼女は労働者たちの心を掴み、業績を大幅に改善させるが…。

これは面白い、ありがとうGYAO!
フランソワ・オゾンの作品は最近観てなかったんだけど、「8人の女たち」とか再見したくなっちゃったなぁ。あと、名前は良く知ってる「シェルブールの雨傘」へのオマージュを捧げているシーンもあったらしいので、こちらを忘れる前に観てみたい。
熟年夫婦に離婚の危機という始まり方なのに、こんな展開を見せるとは思わなかったです(笑)
従順な妻から自立した女性に変身していくカトリーヌ・ドヌーヴと、自分が世界の中心だと思っているような男から人畜無害な魂の抜け殻みたいになっていくファブリス・ルキーニの演技が素晴らしい。筆頭株主の座を奪った時の、「今日からあなたが飾り壺よ、きっと楽しいわ」的なことをいうスザンヌの生き生きとした様子と言ったら!
この展開は多くの主婦にとって痛快でしょう。
もちろん、ジェラール・ドパルデューもいつも通り存在感ありました。自分の地位が危ぶまれている時に、夢のような出来事で舞い上がる様子とか、その後の真実を知ってからの手のひらを返したような態度とか、さすがの演技力。
マザコンな息子の出生の秘密や、ロベールの愛人なのに敵であるはずのスザンヌに心酔していく秘書とかも面白かったです。
あと、最後に何故か歌うスザンヌと、それを家で見ていたロベールが孫達とリズムに合わせて体を揺らすくだりはもう笑うしかない。かなり”ツボ”にはまった作品でした。
ちなみに、原題の意味は「飾り壺」。美しいが夫の陰に隠れ、自分の意見を持たない女性という意味で、軽蔑的に使われる言葉らしいです。娘に「ママは飾り壺(お飾りの妻)なのよ」と言われたのがきっかけで変わってゆくんですね~。

映画「Shall we ダンス?」観た

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Tag:日本 

Shall we ダンス?
製作:日本’96
監督:周防正行
ジャンル:コメディ/ドラマ

【あらすじ】真面目なサラリーマン杉山正平は、平穏な暮らしを送っていたがどこか空しさを感じていた。そんなある日、ダンス教室の窓べにたたずむ美しい女性を通勤電車から見かける。やがて、ためらいながらもダンス教室に見学に行き…。

音楽が印象的な映画を考えていて思い出した作品。
この曲が好きで、たまに家事をしながら鼻歌うたってるとくるくる回りたくなる(笑)
Shall we Dance?」なら「王様と私」が元祖なんだけども、私的にはこっちが刷り込まれてます。
大貫妙子さんの優しい歌声がいいんですよ。「王様と私」の方は発音とか力強すぎて。
ストーリー的には…実はそんなに好きじゃありません。
時々クスクス笑えるものの、全体的に嫌な感じの人が多いですよね。
それがダンスで変わっていくのがいいのかな~。一緒にみんなでダンスに打ち込む事の楽しさとか、パートナー同士の信頼が大切というのに気付く流れは良かったです。
だからこそ、主人公は自主的に奥さんに秘密にしている事を悔い改めれば?とも思いましたが。
にしても、たまこ先生が素敵です。メインヒロインはたまこ先生でいいよ!
たまこ先生がいたから最後まで観られました。
あと、探偵事務所のポスターが「フォロー・ミー」なところとか映画愛を感じたし、探偵が仕事そっちのけで社交ダンスに興味を覚えるところは面白かった。
つっこみどころとしては、後半の舞ちゃんの手紙の内容がどう考えてもあの枚数に収まらない(笑)
あと、社交ダンスに声援って下品だと思うんですよね。昔好きだったウリナリ社交ダンス部でもそこは受け付けなくて。本場ヨーロッパでもああなの?
でもまあ、久しぶりにちゃんと再見できてよかったです。

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Tag:韓国 

正しく生きよう
原題:GOING BY THE BOOK(바르게 살자)
製作:韓国’07
監督:ラ・ヒチャン
原作:都井邦彦
ジャンル:★コメディ/犯罪

【あらすじ】銀行強盗事件が多発するサンポ(三浦)市の警察署で、銀行強盗事件の予行演習を実施する。その犯人役に抜擢されたのは、交通課巡査のチョン・ドマン(チョン・ジェヨン)。どのような任務でも全力を尽くす真面目で実直な彼は、あまりにも完璧に強盗役を演じ…。

gyaoで観賞。かなりの快作と思ったら、「遊びの時間は終らない」という邦画のリメイクなんだって。そっちも観たいな~!
任務に誠実で融通の利かない巡査ドマンが、市を挙げての銀行強盗事件の予行演習で犯人役に抜擢され、本気で警察と対決するって言うお話。
本気と言っても自分の職務を忘れるということではなく、あくまで彼は強盗を演じる警官です。
「es」みたいな怖い展開にはなりませんが、それでもかなり忠実に強盗の心理を再現しようとするから緊張感はあるんですよね。
でも一方で、今のはアリだナシだと一般人を巻き込んで議論したりして、急に素に戻るのが面白い。
まるで映画撮影の最中に役者と監督が「このシーンは…、犯人の気持ちは…」と話し合うようです。
ただ、終盤に「死亡」しちゃった人を運転手役に使うのはいただけない。ここさえなければ良いリメイクだったと胸を張って言えるのでは(オリジナル知らんけど)
ラストはオリジナル版と違うらしく、まあお国柄の違いかな。日本でも一昔前ならこちらのラストでしっくりくると思うし、主人公の性格を考えれば納得の選択です。
銀行員の女性とかすかに恋の予感的なものがあったり、思わぬ収穫(予測はつくけど)があったり、ラストのオチなど、最後まで楽しませてくれました。

映画「イエスマン “YES”は人生のパスワード」観た

 | コメディ  com(8) 
Tag:ペイトン・リード 

イエスマン “YES”は人生のパスワード
原題:YES MAN
製作:アメリカ’08
監督:ペイトン・リード
原作:ダニー・ウォレス
ジャンル:コメディ/ドラマ

【あらすじ】離婚して以来、”NO”ばかり言って後ろ向きな人生を送っていたカール。そんなある日、とあるセミナーで全てのことに”イエス”と答えるよう誓いを立てさせられる。仕方なく従っていると、やがて物事が好転し始め、アリソンという女性とも出会うが…。

あの教祖様はいったい(笑)
やりすぎ感はあったけど、主演はジム・キャリーだからこれくらい大げさでいいかもね。
経済的に余裕がないとできない事も多かったものの、習い事関係はやってといわれたわけでもなく、わざわざ広告を読んで自分から行ったのであって、イエス効果で前向きになったのがよく現れてる。本人が気付いてないところがまたいい。
飛び降りようとする男を見つけて「誰か彼を助けて!」という声を聞き、その言葉を待ってたとばかりに走り出すとくだりも、「イエス」と言うことではなく、やりたいと思ったことを恐れずに挑む事が目的に変わってきています。
ギターで説得するところは笑えたし、ほっこりしました。
橋から飛び降りろといわれてバンジーする発想の柔軟さとか、たぶん今まで持って無かったですよね。
「今何してる」と電話で聞かれて「ぶらぶら(バンジー)してるところです」と答えるのもユーモアがあって面白い。
あと、ヒロインの「愛しちゃったみたい」が胸きゅん。
お見合いや無差別融資、おばあちゃんのくだりはちょっとやりすぎかなぁ…。
なかなか楽しい作品でした。

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映画「昨日・今日・明日」観た

昨日・今日・明日
原題:IERI, OGGI, DOMANI
   YESTERDAY, TODAY AND TOMORROW
製作:イタリア/アメリカ’63
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
ジャンル:★コメディ/オムニバス

【あらすじ】第1話「アデリーナ」妊娠中の女性は逮捕されないと知り、夫に頑張らせて妊娠し続ける。第2話「アンナ」富豪の人妻と若い青年との浮気の代償。第3話「マーラ」美しい女性に溺れた神学生の顛末を描く。

「アデリーナ」がいいですね。罪を免れるため妊娠し続けようとする、とんでもないお話ですが、そのあっけらかんとした明るさが楽しいし、そんな彼らを見守る町の人々のあたたかさがいい。なんせ、逮捕しに来た警官たちも、だんだん呆れるのを通り越して楽しみにしてるようだったし(笑)
キツイ奥さんですが、「やっぱりカルミネじゃなきゃ嫌!」と刑務所行きを選ぶところが可愛いです。にしても、小さい子がいる囚人は、母子専用の監獄があるんだね。子供用の公園とかもあるのかなぁ?
一度普通の監獄に入れられそうになって、幼い子供を見た女囚たちの表情がぱっと明るくなるシーンがあって、それが印象的。
げっそりしたカルミネも、あれだけ責められて罵倒されて、それでも彼女への愛は全く変わってないところがよかった。刑務所のアデリーナに”お金を集めて、嘆願書もだした。愛してる”と伝えるため、人を雇って歌で伝えてもらうシーンがロマンティック。これがまた美声なんだわ~。
釈放される日もみんなお祭り騒ぎで、情に厚いイタリア人の魅力が詰まってたと思います。

「アンナ」はソフィア・ローレンの最初の独白の声が超可愛いです。言ってる内容は相変わらず酷かったりしますが、声と発音が可愛い。これなら車ぶつけられても許しちゃうかも。
ストーリーはよくわからなかったけど、最後はちょっとマルチェロが可哀相でした。

「マーラ」では隣家の神学生を唆す色っぽいお姉さん役なんだけども、いまいち何をしたいのかわからなかったです。心変わり激しすぎ!
マルチェロの前でストリップをするシーンが印象的。彼女のセクシーなおみ脚もいいんだけど、それを興奮気味で眺めるマルチェロの様子が可愛かった(笑)

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「ひまわり」観ました

OV「ぬくぬく」観ました

 | コメディ  com(1) 
Tag:日本 にゃんこ 

ぬくぬく
製作:日本’09
監督:富永まい
原作:秋本尚美
ジャンル:★ドラマ/コメディ

【あらすじ】小さな町で生まれ、平凡で静かな生活を愛していた山田さん。そんな彼の暮らしを乱す唯一の存在は、猫のしまだけだった。しまに翻弄されながらも、彼は幸せな日々を過ごし…。

ただひたすら、にゃんこを愛でる温水さんを愛でるオリジナルビデオ作品(笑)
しまちゃんがホント究極に可愛いんですが、そんなしまちゃんに翻弄される温水さんにも癒されました。無類の猫好きだというのが一目でわかる!
64分間のなかに、にゃんことの生活の魅力がこれでもかというほどに詰め込まれてます。自分が可愛いとわかってエサをねだる様子とか、何かをしてると邪魔してくるところとか、逆にこっちから構おうとすると途端にそっけなくしたりとか…。
家の中の様々な場所、のんびり気ままに過ごすにゃんこの愛らしい姿もバッチリ見られるし、そんなにゃんことの幸せな毎日を見せ付けてくれて、もう羨ましいやら、顔がにやけるやら(笑)
猫語翻訳機を持って一日中鳴き声を拾おうと(こんな時に限って鳴かない)家の中を行ったり来たりしてシマを追いかけるエピソードは大笑いでした。
彼が取った最後の手段………サイコーです!
ストーリーと呼べるほどのものはありませんが、猫好きならたまらない作品♪

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映画「ウール100%」観た

映画「集金旅行」観た

 | コメディ  com(2) 
Tag:日本 

集金旅行
製作:日本’57
監督:中村登
原作:井伏鱒二
ジャンル:コメディ/ドラマ

【あらすじ】望岳荘アパートの大家が亡くなった。残ったのは抵当に入ったアパートと住人、大家の子供、勇太だけ。大家が高利貸しもしていた事がわかり、住人のひとり旗と、中国四国地方に慰謝料をとる相手がいるという千代は、勇太を連れ旅立ち…。

暑くてダルダルしながら視聴。音質が悪くてところどころ聞き取れなかったです。
ヒロインが明るくて可愛らしいですね。こういっちゃなんだけど、リメイク「神様のくれた赤ん坊」の桃井かおりと比べると正統派。違った感じで物語を引っ張っていってくれます。
他のふたりは普通に上手いし可愛いんだけど、全体的に押しが弱いというかアピール控えめでした。
何気にリメイクの印象が強かったのか、つい比較しながら観てしまったし…(またかよ!)
旅の始まりからして違いますね。こちらは借金踏み倒した連中から取り戻すという大義名分があるので、出発時はみんなに盛大に送り出すのが微笑ましい。
それに便乗するヒロインの目的は、そっち方面にたくさん居るという、かつてワケありだった男たちから慰謝料ふんだくること。たくましいです。
彼らの過去が掘り下げられる事はないものの、昼寝するヒロインのスカートを直してあげようとして、思いっきり手をはたかれる主人公とか、据え膳食わない紳士すぎる主人公にあきれるヒロインとか、ラブコメ展開も楽しめます。
子供との交流はかなり控えめ。わりとあっさり坊やとの別れが済んで、ビックリしてしまいました。ドライな展開に好感持てます。
いったい落としどころは?と思っていたら、まさかあんな事に…!?
徳島名物の「滝のやき餅」が利いてました(笑)
観光映画としても、コメディとしてもなかなかだったので、先にこちらを観ていたらもっと楽しめたかも。
改めてリメイクの良さもわかって、観られてよかったです。

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映画「私のように美しい娘」観ました

私のように美しい娘
原題:UNE BELLE FILLE COMME MOI
製作:フランス’72
監督:フランソワ・トリュフォー
原作:ヘンリー・ファレル
ジャンル:★コメディ/犯罪/ロマンス

女性犯罪についての論文を書くため、服役中の女性を取材しにきた若き学者スタニスラフ。彼は手始めに、カミーユという囚人から話を聞くことに。悪びれもせず自分の悪行を語りだすが、やがて彼はその自由奔放な彼女に惹かれていき…。

たぶん小学生の頃に初めて観て、わたしの”悪女キャラ好き”を決定付けた作品です(笑)
とにかく面白いんですよね~。実際にこんな女性が目の前にいたら、作中の女性たちのように毛嫌いしそうですが、傍から見ている分には面白いし、男たちが次々と彼女の虜になっていくのもわかります。…だって可愛いんだもん!
ムカつく父親の使うはしごを外した事を”賭け”だといい、父親が死に”賭けに勝った”と誇らしげに語る彼女。行く先々で男と出会い、まるで”挨拶”するかのように気軽に関係を持ち、障害となる者がいれば”賭け”にでる…それを自然に気楽にやっちゃうものだから、いつの間にか観ている方も彼女の思考回路につられて、普通に楽しんでしまうんですよね。
義母さんに仕掛けたトラップや、害虫駆除の道具の使い方を簡単に覚えてしまうなど、その短絡的な行動の割りに、賢くて物覚えがいいところも魅力的。どこまでが計算なのやら(笑)
スタニスラフも見る間に彼女の蜘蛛の巣に絡まっていき、恐ろしい女だとわかっていても「あんたは別よ」という甘い言葉に騙されてしまいます。何を聞いても「愛のない家庭で育ったために…」と同情する姿が滑稽。まさに恋は盲目!
それを心配そうに見守る秘書の切ない事…(ある意味、彼と同類?)。彼の事が好きだから手伝ってしまうけど、彼はカミーユの無実を晴らす(他にも殺人未遂があったけどね…)ことしか頭にありません。証拠が見つかって、喜びのあまりキスするも、ふとそれに気付いて憂い顔をする秘書が印象的でした。
ちなみに、タイトルはカミーユのデビュー曲の名前。
大好きな作品です。

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映画「マダムと女房」観ました

 | コメディ  com(2) 
Tag:日本 

マダムと女房
製作:日本’31
監督:五所平之助
原作:北村小松
ジャンル:★コメディ/音楽

【あらすじ】劇作家の芝野新作は、脚本を書くため静かな郊外の住宅地へ引っ越した。だが、様々な邪魔が入る上、隣の家から大音量のジャズが聞こえてきて執筆が進まない。彼はは隣家に怒鳴り込もうとするが…。

日本初のトーキーということで、音を上手に使って面白く見せていました。
最初はセリフが聞き取りづらいなぁと適当に観ていたけど、執筆中に様々な邪魔が入るところからが面白い。
まずネズミが天井裏で騒がしいので、新作がネコの鳴き真似で追い払うんだけども、今度は外からネコが応えて鳴き始め、それを空き缶を投げつけて追い払ったかと思えば、その物音で赤ん坊が起きて泣き始め…という流れ。
動物は見せずに音だけでわからせるというところが意欲的だし、純粋に面白くて声を立てて笑ってしまいました。
そして、彼の奥さんと娘のキャラもいいんですよ。旦那を尻に敷く奥さんの「あなたぁ」という呼び方は、甘えてる感じなのに強制力があり、娘もそんな力関係がわかっているのか、事あるごとに「お母さんお母さん!」と言いつけます。でも、そんな娘でも可愛いから怒れない(笑)
また、夫が隣のモダンなマダムと仲良くしているのを目撃してからの奥さんがホント可愛いんです!
弱々しく「わたしは傷ついたのよ」ポーズで夫を出迎え、それに気付かないと今度は縫い物もしないのにミシンを鳴らし、やっと気に掛けてくれた夫に「あのモダンガールと仲良く遊んでもらったの?」「エロでしょ。エロ100パーセントでしょ」のセリフ(笑)
拗ねた後は、「あなたぁ、私にも洋服を買ってちょうだい」と可愛くおねだりです。
はっきり言って、太めであけすけなマダムよりよっぽど魅力的でした。
ラスト、家族で洋服を買ったのに、女房は髪型だけ西洋風にして着物を着ているのがステキ。
一緒に飛行機に乗りたいね、とラブラブな二人を見て、なんかいいなぁと思えました。

映画「チャップリンの殺人狂時代」観ました

チャップリンの殺人狂時代
原題:MONSIEUR VERDOUX
製作:アメリカ’47
監督:チャールズ・チャップリン
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】まじめな銀行員アンリ・ヴェルドゥは不況のあおりで失業、足の悪い妻と幼い息子を抱えて新しい仕事を探さねばならなかった。一方、フランス各地で婦人の失踪事件が12件も発生している事に気付いた警察は、殺人事件とみて捜査を開始するが……。

不思議ですね~、やってる事は残酷で許されない事なのに、チャップリンが演じていると時々「怖っ!」とは思うものの(お金を数えるシーンとか)嫌悪感はなくて、クスクスと笑わされることも。
最近、彼の昔の短編をたくさん観て”手癖、女癖、酒癖の悪いチャップリン”に慣れていたので、むしろ必死に生きるために(間違った方向でも)頑張って”仕事”をしている主人公を受け入れられてしまったのかもしれません。
この作品では残酷な面とともに、妻子の前での優しさや消耗した様子も見せていて、早くこの仕事をやめたいと思っているのが伝わってきたのがよかったのかも。あの下品な笑い声の女性とのやり取りなんて、いつの間にか主人公の方を応援してました(笑)
後半、ひとりの若い女性との出会いで彼の運命が変っていく、シリアスな展開にも考えさせられます。
戦争で負傷した夫を守るために盗みまでした彼女に一度は共感したものの、再会した時には軍需会社社長の愛人となって、そのお金で恩返ししたいと言う彼女。それに対し、彼が取った行動、そして彼の言葉が痛烈です。
後悔や反省の言葉でなくあえて「一人殺せば犯罪者、100万人殺せば英雄」という言葉を、連続殺人犯の裁判という大舞台で伝える事が、彼に出来る精一杯の償いだったんでしょうね…。
それを聞く彼女の表情が印象に残りました。
観てよかったです。

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